雷鳴編・第十四話
雷鳴編・第十四話、更新します。
今回は近江国と山城国が舞台になります。
永禄九年(1566年)十一月、近江国、今浜館、武田義信――
明日にも、この今浜館を発つ予定の日。
この日、今浜館には私を含めて歴代の武田家当主三代と、実弟である二郎(武田信親)とその補佐役であるゆき殿、父上(武田信玄)の懐刀である道鬼斎(山本勘助)殿が集まっていた。
目的は、これから京で行う策の最後の打ち合わせ。敵は武田家を疎む、三好家内部の反当主派とそれに靡いた朝廷内部の殿上人達。この者達の連携に楔を打ち込み、仲違いの為の火種を放り込む事にある。それが二郎の策であった。
「かっかっか。実に楽しみだわ。前から気に食わぬ輩がチラホラとおったからのう?連中のしかめっ面を拝めるかと思うと笑いが止まらぬわ!」
「父上(武田信虎)、御願いですから爆笑だけはせぬようにして下され。これを口実に武田家を追い出すような真似は出来ぬでしょうが、恨み辛みは妙な所でこちらの足を引っ張ってくるものです」
「太郎(武田信玄)は心配性よなあ?まあ、全く無いとは言えぬし、お主の顔を立てて爆笑する事だけは我慢してやるわい」
此度の策の為に駿河から出て来られた父上は、豪快な左京大夫(武田信虎)様の物言いに対して苦虫を噛み潰されておられた。ただ父上の言にも一理あると私は思う。父上は昔から、周囲の意見に耳を傾けられてきた御方であったからだ。その経験故に、悪い意味で厳しく当たれば、竹箆返しが来る事を良く御理解なされておられるのだろう。
一方でそういう事を全く頓着しておられぬのが左京大夫様。左京大夫様は周囲、正確には家臣の事は気にかけずに己の信じる道を歩み続けられた御方だ。となれば、此度の一件においても、例え朝廷で厳しい目を向けられる事になったとしても『それがどうした?』と言わんばかりに振舞われるのだろうな。
……つくづく思う。私は父上に似た。一方で二郎は左京大夫様に似た、と。だが二郎は私や父上という名の手綱を己に着ける事により、家臣達の不満が爆発せぬ様に立ち回る賢さを持ち合わせている。そういう意味では、二郎は左京大夫様の気質に父上の老獪さを併せ持った、と言えるかもしれぬな。
「やれやれ……どうした、太郎(武田義信)。クスクス笑いおって」
「いえ、武田家に生を享けて幸せだ、と思っただけに御座います。武田家は親族同士で相食む事なく、ここまで大きな御家となる事が叶いました。それは今尚、続いているのです。これ程までに有難い事が御座いますか?」
「其方の言いたい事は理解出来る。理解は出来るが、儂の胃に穴が開くわ」
わざとらしく腹を擦られる父上。その父上の肩を叩きながら、大笑いなされる左京大夫様。
それを目の当たりにした道鬼斎殿は声を押し殺しながらクックック、と小さく笑われている。一方で二郎は珍しくにこやかな、優しい笑みを浮かべてゆき殿と笑いあっておった。
本当に私は果報者だな。私より遥かに実力のある二郎が、望んで私を支えてくれているのだから。野心が無い事は事実だろうが、それ以上に私の事を慕ってくれているからこそ、謀反を起すつもりが無い。これ程までに頼りに出来る弟を持てた事、神仏と父上と母上に対して感謝の念しかないわ。
「ところで左京大夫様。京の方についてで御座いますが、怪しい動きなどは見られぬので御座いますか?」
「少なくとも、彦五郎(今川氏真)や一条家、三条家や飛鳥井家からの報せは来ておらぬな。万里小路家を中心とした反武田家勢力は、武田家の頭を押さえる事しか考えておらぬだろう。その為の手段として、二郎に恥を掻かせるつもりでおる筈だ。二郎に死を与えるなんてもっての外。主上の御不興を買うような真似等、出来はすまい。のう?」
「信虎御祖父様の仰せの通りかと。私を玩具にしようとすればどうなるか?万里小路家は元より、裏で糸を引いている黒幕にも理解は出来ましょう」
ニヤリと笑う二郎。傍らのゆき殿も無言で頷く。
昔から二郎の事を大切に想っておるゆき殿にしてみれば、二郎を辱めようとする万里小路家に対しては、色々と思う所があるのは間違いない。顔は笑っておるが、目は全く笑っておらぬのだから。
……怖いな、女子は……私も松を怒らせぬ様、気をつけねばならぬだろうな。二郎や老臣達から、側室を増やして子を為してくれ、と言われているのだ。あまりにも側室の下に足繁く向かうようになれば、松が不愉快になるのは当然。その辺りは良く考えねばならぬな。
『武田家当主の血筋を絶やしてはなりません。私ではなく、兄上(武田義信)の血筋こそが第一であるべきなのです』
『恐れながら、筆頭軍師様の御言葉通りであると存じます。我ら家臣一同からも、伏して御願い奉ります』
……かつての諫言を思い出してしまった。私は凡人だが愚か者ではないのだぞ?と、つい内心で溜息を吐いてしまう。
二郎はまだ良い。私の子を家中に重きを為す御家や他家に嫁がせる、その意味を考えたが故の発言なのだろうからな。私もその意味は理解出来るし、父上からも当主として子を為す事の大切さについても説かれておるのだ。故に二郎からの求めを拒むつもりは欠片も無い。
問題は家中だ。私の子を迎える事で、自らの御家を気にかけてくれるだろう、という欲。それではいかぬのだ。血筋に頼るようでは、いざという時に困る事になる。そういう意味では、嫁がせる先についても二郎の意見を聞きたい所ではあるな。
「……兄上?如何なされましたか?」
「ああ、すまぬ。少し益体も無い事を考えてしまっただけだ。それよりも此度の策についてだが、京で騒ぎになるのは必定。となれば足利将軍家も動きを見せるのではないか?」
「それは十分に考えられる事に御座います。ただ将軍家が如何なる動きを見せたとしても、武田家に実害を与える事は出来ませぬ。万が一、将軍家内部の反武田家勢力が動き出したとしても、兵部大輔(細川藤孝)殿が止めに入ってくれるでしょう。兵部大輔殿は、私の怒りを解こうと必死になっておりますからな。ここで私の怒りと火に油を注ぐ様な真似を、許せる筈も御座いませぬ」
ウムウムと頷く父上と左京大夫様。説教に至らず、心の中で安堵の溜息を一つ。
ただ何事にも完璧と言う物は無い。予測不可能な事が起きる事も、無いとは言えぬのだ。
凡人たる私に何か出来る事が有るとすれば……我が身を盾にして、弟を守る事、位か。まあそのような事が起こらぬ様に願うばかりだが、万が一に備えて気構えだけは作っておくべきだろうな。
永禄九年(1566年)十二月、山城国、武田信親――
十二月一日。明日にも京に到着出来る辺りまで、無事にやって来る事が出来た。
寒風が吹きつけてくる中、俺は寒さを感じながら馬に揺られていた。ただ信虎御祖父様だけは一足先に、京へ帰還。向こうで親武田家の公家と最後の打ち合わせを行っている。
それにしても、寒いわ……普段から鍛えてきた分、寒さへの抵抗はついているつもりだったんだがな。傍にいたゆきが気を遣ってくれる事が、素直に有難く思える。流石に風邪を引く事は無いだろうが、それでも可能なら今日の夜は熱い風呂に浸かりたい所だ。
周囲から聞こえてくる、ガシャガシャという具足の音。
今、俺は武田家の兵二千とともに京に向かっている。
無論、無断で兵を入れれば大問題になる。何故なら、山城国は三好家の所領である為だ。そうならないよう、毎年、十一月になる前に許可は取り付けているのだが……
「恐れながら申し上げます!只今、三好家重臣である岩成主税介友通様が御挨拶に参られました!」
「うむ、こちらに御通しせよ」
「はは、直ちに」
……岩成友通、か。三好家重臣ではあるが、まだ結構、若かった筈だな。それでも実力を買われて、出世を許されたのだったか。
一応、三好三人衆の一人ではあるし、立場的にも問題無い人選ではある。三好家の反当主派としても、今この時点で武田を敵に回す、と言う事はしたくないのだろうな。
あくまでも『全面衝突にはまだ早い』という理由で、だ。
「二郎、岩成とやらを送って来た事をどう見る?」
「重臣ではありますが、一番年若い。反当主派はかの御仁に面倒な役目を押し付けた、と見るべきでしょう。故にこそ、兄上(武田義信)や父上には、打ち合わせ通りの御振舞を、改めて御願い致したく存じます」
「良かろう。儂と太郎(武田義信)に任せよ」
信玄パパは間違いなく楽しんでいるのが分かる。声色が今にもスキップしそうな程に弾んでいるからだ。パパ的には、以前から主税介(岩成友通)の事を聞き及んでいたんだろうな。だからこそ、ここで良い印象を与えておいて、将来的に引き抜く事が出来ればラッキー、そこまで至らなければ火種に出来れば御の字、と言った辺りだろう。
俺も為人については調べてはいるんだが、かなり実務処理能力に長けているらしい。この人物評価は、政所執事(伊勢貞孝)からの物だから、かなり信用は出来るだろう。正直、俺はゲームにおける岩成友通という人物について覚えていないから、自信を持って判断が出来ないのだ。だったら、乱世を生き抜いてきた老人の目を信じるのも一つの手だろう。
特に信玄パパの人を見る目は尋常ではないからな。パパが是と判断したのなら、俺はそれに従うまでだ……お?どうやら当の本人が姿を見せたらしいな。
「おお、寒い中、使者の役目御苦労、主税介殿。改めて武田家当主、右少将義信である」
「先代当主、右中将信玄である。誰ぞ、主税介殿に温めた酒を用意せよ」
「お気遣い、真に忝う御座います。岩成主税介友通、三好家より参りました。此度、某が御同行させて戴き……」
だろうなあ。言葉を失うのは分かり切っていた事だよ。
こうなる事まで承知の上で、俺は寒いのを覚悟してまで薄着でいるんだ。
さて、三好家反当主派よ。言葉にこそ出さないが、これが俺なりの宣戦布告だ。覚悟だけは決めておけよ?
「主税介殿、声色からして御壮健そうで何より。風邪は万病の元と申しますからな。右中将様の心遣い、遠慮なく受け取って戴きたい」
「……い、いえ……それは有難い限りで御座いますが、お訊ねしたき儀が御座います。太宰大弐(武田信親)殿、その……白装束は?」
「死装束で御座いますが?」
それが何か?とわざと不思議そうに言葉を返してやる。
三好家内部、主に糞爺(三好長逸)は俺を殺す機会を狙っている事は分かり切っている。こいつがそれに賛成か反対か。そこまで調べはついていないが、こうも絶句する有様では反対派だったのかもしれんな。
或いは賛成だったとしても、暗殺のような表に出ない始末の仕方を考えていた辺りか。少なくとも、日本に住む誰もが知ってしまうような終わり方は、決して望んではいなかったのだろう。
「何でも朝廷内部では、某に死を与える様、話が進んでいるそうで御座いますな?であるのなら、余計な仕事を減らす為にも自ら死装束を纏ってきた次第に御座います」
「お、お待ち下され!そのような事は決して!」
「いやいや、某は耳も優れておりましてな。万里小路家を中心に、声高に叫んでおると聞いておりますぞ?比叡山を焼き尽くし、天台座主様を殺め、坊主や女子供を皆殺しにした第六天魔王、皆殺しの信親を許してはならぬ、死を与えよ、と」
わざとらしく、長々と罪状について口に出してやる。それにしても、楽しいわ。必死に弁明に励む姿を、この目で見れないのが残念で仕方ない。
ただこれで分かった。こいつは俺を公然と処刑する事には反対派だ。少なくとも、実行してしまえば帝の御不興を買う事まで、しっかりと理解しているのだろう。
だからこそ、ここで俺が汚れ仕事をこなしてやる。義信兄ちゃんや信玄パパが立ち回りし易いようにな。
「主税介殿、万里小路家と三好家の繋がりは某も聞いております。武田家と三好家の繋がりを考えたとしても、譲れぬものは譲れぬ。泣いて馬謖を斬るの故事のように、某に死を与えるべし。辛い御決断を三好日向守長逸殿は為されたのでしょう?見事な御覚悟と存じます」
「ま、待って、いや、お待ち戴きたい!そのような事は決して御座いませぬ!」
「いやいや、某は日向守(三好長逸)殿の御決断に不満は持っておりませぬ。寧ろ、決断しきれなかった御当主、左京大夫(三好義重)様にこそ……いや、失礼」
わざと糞爺を『身を切る決断の出来る男として持ち上げ、一方で当主をぼかしながらも優柔不断と貶める発言をしてやる。
これで下手に俺の発言を否定すれば、率先して俺を糞爺から守らねばならなくなる。それは糞爺にとっては裏切りに等しい行為として映るだろう。盲を葬る絶好の機会を、どうして邪魔するのだ!と。つまりは離間の計だ。これでこいつが説き伏せる事が出来れば問題は無いだろうが、二人の関係に罅が入るのは防げないだろう。糞爺は三好長慶が存命だった頃に比べて、かなり人間的に劣化してきている感じがするからな。十中八九、感情に負けるだろう。
逆に賛同すれば、帝の御不興を買う事になる。事の結果がどう着地しようが、俺を殺そうとした事に変わりは無いからだ。今後、朝廷との折衝は厳しくなるだろうな。
「右中将様!右少将様!三好家は決して太宰大弐殿の命を取るような真似はしておりませぬ!」
「いやいや、主税介殿も御辛い立場でしょうな」
「父上の仰せの通り。主税介殿、我ら親子は覚悟を決めております。御気遣いは無用に御座います故、御家の御決断に背く様な事を口に出さぬ方が宜しゅう御座いましょう」
必死に弁明する主税介。一方でパパとお兄ちゃんは目元を拭うような真似をしながら、暖簾に腕押し、糠に釘を地で行くスタイルで弁明を受け流す。
自分達は覚悟を決めている。ただ主税介殿の気遣いは有難く受け取る、と。
このまま朝廷に出向いてしまえば、三好家に対する朝廷側の印象は悪化するのは間違いない。何せ、俺自身が死装束を纏っているからだ。三好家は何をした!何か変な事でも武田家に言ったのか!?と追及される事になるだろうな。悪い表現をすれば、俺が濡れ衣を着せてやった、と言う訳だ。
勿論、このままいけば三好家全体が被害を被る事になる。
それは親武田派である現当主やボンバーマン(松永久秀)達も巻き込む事になるのだが、そこは解決する手を打ち終えている。
当主派は万里小路家と距離を取っている。そして俺が万里小路家を中心に、俺を死刑にしろという話を聞いている、と言えば……まあそういう事だ。この辺りの事はボンバーマンに伝えてあるし、向こうは向こうで上手い事、立ち回ってくれるだろう。自分達には全く関係が無い事だ、と。
「主税介殿。御安心下され。余計な手間をかけさせぬよう、こちらで一仕事を終えて参りました。きっと主税介殿にも喜んで戴けましょう」
「だ、太宰大弐殿!貴殿は一体、何を考えて……」
「御覧戴きたい。慶次郎(前田利益)!」
俺の護衛として着いてきていた慶次郎に指示を出す。それを受けた慶次郎は、後続に加賀で作らせておいた物を前に持ってこさせた。
それを見たであろう主税介が絶句。沈黙した事を理解出来た。何せ、弁明の言葉が消えてしまったからだ。
寧ろ、これを京に持ち込まれた時点で隠しようが無くなる。確実に騒ぎになる、自分達が政治的に敗北する事を理解してしまったのだろう。
「如何ですかな?某専用に磔台を持参致しました。折角なので死出の旅路位は贅沢を、そう思い金箔を貼り付けてきたのです」
「……あ……」
「おお、某の用意に納得して戴けたようで何より。では某の最期の旅路。主税介殿に付き添って戴けるとは望外の喜び。某の覚悟、最後まで見届けて戴きたく存ずる。某に死を賜らせようとしている殿上人たる御方に某の覚悟をお見せする為、三好家代表として御所までともに参りましょう」
声にならない悲鳴と笑い声が聞こえてきた気がした。何とか思いとどまらせようとする主税介。一方で嘘泣きしながら、爆笑寸前のパパと義信兄ちゃん。
でもな、もう手遅れなんだよ。一条家と三条家、飛鳥井家を中心に朝廷工作は進めてあるんだ。糞爺が余計な事をしなければ、アンタもこんな目に遭わずにすんだのにな。
仮にも今荀彧の二つ名で呼ばれる俺相手に、政治的舞台で策を仕掛けてきた事の愚かさ。加えて、これまでの鬱憤も溜まりに溜まっているんだ。そのストレス、思う存分晴らさせて貰う、覚悟しておけよ?
今回もお読み下さり、ありがとうございます。
まずは近江国。義信兄ちゃん視点より。
【今浜館を発つ】
例年であれば、朝廷への御挨拶は主人公の役目(当主代理)でした。お春や目々典侍との繋がりが有るが故、ですね。
ですが今年は武田本家当主三代+主人公と錚々たる顔触れに。信繁叔父さんや信之君、勝頼君はまだ九州ですので同行不可。
今回の事態を、武田家がどれだけ真剣に受け取っているか。それを言外にアピールする為の策です。
【連携に楔】
間違いなく責任問題に発展しますからね。楔=離間の計。
万里小路家にしてみれば『俺らは反対してた!三好家の長逸が求めてきたが、帝の不興を買いたくない!だから謝罪で済ませようとしていたんだ!』という言い分。
長逸さんにしてみれば『儂は知らんな』……この役立たずが!それ位、上手い事立ち回れ!何の為に銭をくれてやっているんだ!という他責思考w
上二人の本音を主人公は知りません、調べていませんので。でも長逸さんのこれまでの言動から、悪意を持たれている事は察しているので『黒幕は糞爺だろうな』と思ってます。朝廷に噂を流して、主人公死刑の空気を作ろうとしていたのも、糞爺だろうな、と言う感じです。
【儂の胃に穴が開くわ】
胃薬が御友達の信玄パパ。豪快な信虎祖父ちゃんとも、相も変わらず、と言う感じ。
二十年近く前に甲斐国から信虎祖父ちゃんを結果的に追い出した事には罪悪感は持ってる、それが必要だった事も理解はしてる。でも……から年月が流れて、現状は胃薬大活躍の関係に。
【いざという時に困る】
上に立つほど、実力が求められますからね。なのに血筋だけで威張られては、困るのはトップに立つ武田家当主になります。
だからこそ、嫁ぎ先は厳選しないといけないし、場合によっては義信兄ちゃんの息子を婿養子として送り込む事も考えないといけない訳で。
最低限の事は学び舎で学ばせていますが、中には不真面目な輩もいるでしょうしね。血筋や家格を鼻にかけるとか、槍働きオンリーとか。主人公が九州攻めで御掃除はしましたが、それをどう判断するか、と言った所です。
【将軍家】
京で騒ぎが起きれば、確実に行動に出ますからね。特に義輝君は遅ればせながらに、まともな判断力を有するようになったので。
反武田派がこれ幸いと動いたとしても、今なら細川さん&太閤&慶寿院側に就くでしょうし、卜伝さんも是として味方するでしょう。
次は山城国が舞台。主人公視点より。
【岩成友通】
史実では三人衆の一人で、一番年下。山城国の西部を所領としていたみたいです。
軽く調べてみたのですが、この人って実務を得意としているような印象を受けました。戦はそこまで、という感じだったので、拙作では官僚タイプにしてます。それでも長慶さんの信任を受けて、最終的には三人衆にまで上り詰めているのですから、相応に戦も出来そうではあるんですけどね。
【死装束】
これ一枚で京へと乗り込んで来た主人公。
勘の良い方は気づいたと思います。今話を最後まで読めば分かりますが、史実で豊臣秀吉に召喚された、伊達政宗の『鶺鴒の目』の逸話ですね。主人公はあの話を思い出し、今回の策に利用する事を思いつきました。
【汚れ仕事】
お兄ちゃんとパパは、あくまでも【死刑囚の家族】的な立場を貫くだけ。なので後においても、余計な事は一切、口に出してませんw情報元についても言わずもがな。
一方で主人公が言いたい放題。自ら罪状(現代なら疑惑)について口に出す始末。しかも死装束つきなので、これが騒ぎにならない訳が無い。隠すのも不可能な訳で……どう決着しようが、三好家反当主派の怒りの矛先は、どう考えても主人公にしか向きませんね。
【自分達には全く関係が無い】
ボンバーマンが以前に、万里小路家との関係は最低限にしておくように、と忠言(雷鳴編・第八話)してますからね。この時は主人公の今回の策までは知らされていませんでした(作中の時系列だと八月で、主人公が今回の策を考え出したのが雷鳴編・第七話の八月、更に改良したのが雷鳴編・第十一話の十一月でした)。ボンバーマンの忠言自体も、あくまでも対反当主派との争いにおいて、有利に立つ為の方策でしかありません。
ただそれが、今回の策において義重やボンバーマンを守る為の盾にもなる、と言う感じです。主人公はボンバーマンと文の遣り取りをしてますので『ちょっと暮れに動きます。万里小路家と距離を取っておいた方が良いですよ』とでも書いておけば『ああ、何かやるんだな』と察してくれるでしょうし。
【磔台】
雷鳴編・第七話の最後。山の喜八郎(土田康義)に作っておいて貰いたい物が~金の在庫の一文が、この伏線でした。
喜八郎は遠江時代から木工担当のスペシャリストで、最近だと雷鳴編・第十話でも大工相手に責任者として登場してます。以前、御命じ頂いた物は出来上がっております、の一文はこの磔台の事でした。
【三好家代表として】
濡れ衣の決定的な一言w
死装束・黄金の磔台に加えて『三好家代表として主税介殿が~』と言われたが最後、もう逃げ場が無くなります。
どれだけ否定しようが、誰もが『何やってんだ三好家、何やってんだ万里小路家』と言う目で見るでしょうね。
しかも三好家や万里小路家は知りませんが、朝廷内部でも一条家・三条家・飛鳥井家+信虎祖父ちゃん・氏真君が朝廷工作に動いていますからねえ。
それでは、また次回も宜しくお願い致します。




