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挿絵(By みてみん)


Aクラスの女子は私1人。

Bクラスだと男女比率は半々なのにAクラスは男子だらけ。


「成績上位が男子で占められている」

からだ。


「卒業後は官吏採用試験を突破して官吏として働く」

という目標が特待生達にはある。

(奨学生達にも)


能力測定試験が行われて、その成績順位が張り出されてみると…

Aクラスの特待生達の名前がズラリと

「一位から八位まで」

並んでいた。

(私は九位だった…)


Aクラスの特待生達は

「本当に優秀」

なのだと分かった。


中でも不気味なのは

「高等部から入学してきた特待生3人組」

「一位、二位、三位」

だった事だ。


中等部からの持ち上がり進級組よりも優秀、という事になる。

(皆、美形だし、やっぱり貴族の庶子なんだろうなぁ…)

と思った。


国境沿いの町や王都、中核都市。

そういった土地には外国人も多く移住してきていて、国民の混血化も進んでいる。


高等部から入学した特待生3人。

ジョスラン・バレーヌ

ブリアック・リファール

ダヴィド・リファール

彼らはランドル人の血が入っているように見える。

瞳が青系なのだ。


私も青い瞳なので、見た目はアザール人というよりランドル人寄りだ。

内心、親近感を感じそうになる。


アザール王国に面した国々は

バルシュミーデ皇国

ランドル王国

南方連合国

がある。


バルシュミーデ人は長身で筋骨隆々の金髪碧眼。

骨格自体がゴツくて

「金毛ゴリラ」

だのと悪口を言われる色白マッチョ人種。


南方連合国の人達は複数の民族が混じり合っているが…

皆肌の色が浅黒く小柄。目が大きく、顔立ちが整っている。


アザール人とランドル人は筋骨隆々の金髪碧眼と小柄で端正な色黒とが混じり合って良いところ取りしたような見た目だ。


色白で端正。

それでいて

「アザール人の瞳は赤系」

「ランドル人の瞳は青系」

という違いがある。


勿論、赤系でも青系でもない茶髪茶眼の平民が圧倒的多数なので、平民階級はアザール人とランドル人の区別など付かない。


私が父王から嫌われていた原因は

「不貞の子だろう」

というだけでなく

「不貞相手がよりにもよって異邦人なのか…」

と思われた面もあったのだ。


「民族的純血主義」とでもいうべき「赤眼至上主義」。

それのせいで青眼はアザール王家で疎まれた。


瞳の色が赤みがかった茶色とかだったら…

もう少し憎まれ具合もマシだったのかも知れない。


(お父様が亡くなったから王立魔法学院でも目の青い特待生が普通に入学できるようになった、という事なのかしら?)

と思ってしまった。


本当なら中等部から入学する予定が、瞳の色が青いランドル系の孤児だからと、入学拒否され、入学がこれまで見送られた可能性がある。


何せ父王が亡くなったのは(死んでくれたのは)一年半前だ。

生きてた間中

「私が生きてる間は混血児どもを官吏枠から徹底排除してやる」

とでも思っていたのかも。


確かに

「異邦人の血が流れる混血児を官吏として公務に就かせる」

のは怖いものがある。


何せ

「アイデンティティが何処にあるのか」

を誰も確認できないのだ。


「優秀だから外国人でも採用する」

ような事をしていくと…

「自国の金が外国人達に啜られる」

ような寄生行為が堂々合法的に行われる事態になりかねない。


乗っ取り侵略のような特殊軍事工作に対して

ちゃんと抑圧しつつ

異邦人や混血児が身も心も帰化できるよう

誘導してやる必要があるのだが…

いかんせん手間暇かかり過ぎる。


そもそもそうやって国側が譲歩して異邦人達を受け入れたとして

「誠意が通じる相手かどうか」

の面で何の保証もない。


ただ、まぁ、乗っ取り侵略への警戒は今更感が強い。

何せ我が国は既にバルシュミーデ皇国の皇女を国王・王弟の正妃に据える約束をしていて、既にバルシュミーデ皇国から支援金を受け取ったらしい。

(王城の使用人らの噂話が情報源)


王女待遇なんて受けてきてない私がこの国の命運を気にする必要性はないのだろうが…

「何故、現実はこうなっているのだろう?」

という事に関しては正確に知っておきたい。


そのためにも、ジョスラン達が

「自分をなに人だと思っているのか」

には興味がある。


何せジョスランは異様に愛想が良い。

誰にでも笑顔で挨拶する。


皆から遠巻きにされてる私に対しても

「おはようございます。ヴィヴィアンヌ王女殿下」

と屈託のない笑顔を向けてくる。

そこには何の邪さもないように見える。


なのに私は

(異様に我慢強く愛想の良さを貫く人達、というのは「他人を攻略対象扱いしている」可能性があるように思えて、気持ち悪いのよね…)

と思ってしまう。


ジョスラン・バレーヌは顔も良くて頭も良くて愛想も良い。


他のクラスの女子達から

「元平民の孤児だって話だけれど、正式にバレーヌ姓の養子だし、ジョスラン様、素敵」

などと言われるようになってきている。


盗み聞きでジョスランを賞賛する声を聞くたびに

(何故、私はジョスラン達に対して素直に賞賛できないのだろうか?)

と疑問に思う。


ジョスランだけでなく高等部入学の特待生3人に対して警戒心を持ってしまう。

中等部からの特待生5人には

(茶髪茶眼という事もあり)

「元平民なのに凄いなぁ」

と感心するのに…


(やっぱり「青い眼」はアザール王国内では不吉な予感をもたらすものなのかも知れない…)

と我が身を振り返りつつ思ってしまった…。



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