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第一章 8 『差出人不明のメール』

カナエさんとのあの気落ちするようなやり取りから、三日が経っていた。


今は二月十八日、木曜日だった。


目の前に広がる大きな青空の下、僕は学校に四つある校舎のうちの一つの屋上で、仰向けになって横たわっていた。


もっと正確に言えば、二年生用の校舎の屋上で、その日の最初の休み時間が終わるのを待っていたのだ。


風が僕の頬を優しく撫でていたが、それでも心が落ち着くことはなかった。


その場所を選んだのは、少なくともそこなら、周囲でAPAが起動する音を聞く必要もなく、それぞれが自分の世界に繋がったまま黙って座っているクラスメートたちの姿を見る必要もなかったからだ。


しかし、あの澄み切った空を見上げても、僕の心は相変わらず重かった。


授業が始まるまであと五分となったとき、僕は地面から体を起こし、数秒間その場に座り込んだ。


まだ戻りたくなかった。その思いが頭の中に鮮明に浮かび、一瞬、僕の手は動かなかった。


だが、そこに留まっても何も変わらない。


屋上の冷たい床に片手をつき、立ち上がって教室へと歩き始めた。


二階へと続く階段を降りると、すぐに廊下の冷たく荒涼とした空気が感じられた。


まっすぐ数歩進むと、2-Eの教室の入り口の真前に立った。


なぜか、中に入る前に、僕の手はドアに触れたまま止まった。


特別なことは何も期待していなかった。


何か違うことを期待する理由など、何一つなかった。


それでも、ほんの一瞬、胸の奥にあの微かな違和感を覚えた。それは、たとえほんの数分間でも教室から逃げ出そうとした後、再び教室に戻るたびに感じるものだった。


そして、僕はドアを開けた。


ピッ――


ピッ――


ピッ――


教室に入るとすぐに、APAが起動する際に発する甲高い音が、僕が自分の席へ向かうにつれて次第に大きくなっていった。


周囲をあまり見回すこともなく、すぐに席に着いた。


しばらくすると、その時間の授業を担当する先生のAPAも起動した。


僕は他の生徒たちと一緒に立ち上がり、先生に挨拶をした。


それから再び席に着いた。


その動きは整然としていて、まるでリハーサルをしたかのようだった。


誰も間違えなかった。


座った後、誰も呟き声一つ上げなかった。


教室には、数秒間、椅子を調整するかすかな音だけが漂っていた。


僕はリュックサックに手を入れて、ノートパソコンを取り出した。電源を入れ、学校から支給されたメールアカウントを確認すると、受信トレイにメッセージが一通届いていることに気づいた。


「えっ……?」


僕は少し眉をひそめた。


そして、戸惑いながら周囲を見回し、もしかして先生がこの授業の課題の指示をこんなに早く送ってきたのだろうか、と考えた。


それが最初に頭に浮かんだことだった。


しかし、他のクラスメートのAPAからは、先生が全体への指示を送った際に鳴るあの甲高い音が、一つも聞こえてこなかった。


それは奇妙だった。


すぐに受信トレイを開いて、そのメールを読んだ。もし先生が送ったメールじゃないなら……一体誰からのものだろう? スパムか?


確かにそこにメッセージがあり、その件名はかなり奇妙で、強調するようにこう書かれていた。


「このメールを無視しないでください


私はかなり前から、あなたが他の人に対してとる振る舞いを観察してきました。


私が今、この困難な状況にある中で、私を助けることができるのは間違いなくあなただけです。


今日の放課後、本館のすぐ横で会いたい。


あなたなら、きっと来てくれると分かっています。」


一体どんな冗談なんだ……?


今読んだ内容を信じられなかった。


数秒間、画面から目が離せなかった。あんなメールを受け取ったことは一度もなかった。


さらに、差出人のアドレスを見てみると、アットマークの後のドメインが学校で使われているものではないことに気づいた。


もしかして、学校の外の人なのだろうか?


いや……


メール本文に使われた言葉を見直してみると、これを書いた人が僕のことをかなりよく知っていることは明らかだった。少なくとも、僕を知っているつもりなのだろう。


この学校に在籍している者なら、たとえ別のクラスの生徒であっても、他の生徒のメールアドレスを見つけるのは非常に簡単だった。


とはいえ、だからといってそのメッセージが奇妙に感じられることは変わらなかった。


「かなり前から、あなたが他の人に対してとる振る舞いを観察してきました。」


僕は思わず、その一文をもう一度読み返した。


誰かが僕を観察していたのか?


僕を?


気まずいのか、怖いのか、それとも単に戸惑っているのか、自分でもわからなかった。


しかし、それらすべて以上に、無視できない考えが頭をよぎった。


誰かが僕と話したいと思っている。


心臓が激しく鼓動し始めた。


たとえこれが冗談だとしても、僕にとっては大きなチャンスになり得る。


何しろ、誰かが自分の意思で僕と話したいと思っているのだ。


授業の活動で強制された会話ではない。


僕が先に話しかけてみた後の、冷ややかな返事でもない。


その人は僕にメッセージを送り、会いに来てほしいと頼んできたのだ。


そして、うまくいかない可能性もあることは分かっていたし、心のどこかで「そんなに早く期待してはいけない」と自分に言い聞かせようとしていたが、僕の指はキーボードの上で動かないままだった。


そのメールを削除することも、見ていないふりをすることもできなかった。


ピッ――


ピッ――


ピッ――


クラスメートたちのAPAの音で、僕ははっと顔を上げた。


急いでメールの受信トレイをもう一度確認すると、今度は確かに授業中に取り組むべき課題の指示だった。


「まさか……!」


メッセージを読み進め、メールの最後までたどり着くと、その言葉が目に飛び込んできた。


ペアワーク。


息が喉で詰まったような感覚を覚えた。


今週に入って、この珍しい学習方法が採用されるのはこれで二度目だった。普段は、こうした活動が行われることはほとんどない。


ほとんどの授業は、生徒同士が必要以上に話すことなく進められるものだった。だからこそ、再びその言葉を見たとき、驚きと不安が入り混じった気持ちになった。


そして、今回僕のパートナーに選ばれた相手の名前を読んだ。


星野愛。

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