第一章 3 『普通の人みたいに振る舞ってよ』
その返答は、僕でさえ予想できなかった。
その返答は、佳苗さんのAPAによって、不快感を帯びた口調で再現された。
それを聞いた瞬間、僕の息は数秒間止まった。
まばたきさえできなかった。
返事もできなかった。
すぐに視線を落とすことさえできなかった。
ただその場で動けないまま、その言葉の意味を完全に理解する前に、頭の中でそれが繰り返し響くのを聞いていた。
『一体いつになったら、あなたはようやく飽きるの!?』
佳苗さんの声は、予想もしなかったほどの鋭さで、教室の静寂を切り裂いた。
それは言葉の内容だけでなく、その届き方にも表れていた。
まるで、佳苗さんにとって、もう僕は「間違えることもある相手」としてではなく、「あまりにも長い間、迷惑をかけ続けている存在」として扱われているかのようだった。
『新学期の初日からここ数か月、あなたは毎週同じことを繰り返しているじゃない! その馬鹿げた誘いを、あと何回続けるつもりなの……? 私が興味ないって、どうして気づかないの!?』
僕はゆっくりと、再び自分の机の表面へと視線を落とした。
数分前、僕と佳苗さんの間にあったあの沈黙が、今こそ戻ってきてほしいと願ったのは、これが初めてだった。
『最初の休み時間に校庭を歩きながら話そう? 学校の屋上に上がって一緒に昼食を食べよう? 放課後に遊びに行こう……?』
あの沈黙も気まずかったけれど、少なくとも僕に何も言ってこなかった。
『私のAPAを使うのをやめてくれってまで言われたのよ!』
それを聞いて、胸の奥が締め付けられるような感覚を覚えた。
あれは、おそらく、僕の誘いの中で最悪のものだった。あるいは、僕がどれだけ何も分かっていないかを、最もはっきりと示していただけなのかもしれない。
だが、どうやら、それも問題の一部だったようだ。
『一体どこの国に住んでいると思ってるの? 日本中を探しても、あなたと同じような行動をする人なんていないわ!』
僕は顔を上げることができなかった。
反論したくても、悪意はなかったと言いたくても、喉からは一言も言葉が出てこなかった。
それに、何か言っても、おそらく事態を悪化させるだけだろう。
それでも、心のどこかで言いたかった。
彼女を困らせようとしていたわけじゃない、と。
気まずくさせようとしていたわけでもない、と。
ただ、他のみんなに近づこうとしたのと同じように、彼女にも少し近づきたかっただけなんだ。
でも、そんな言葉は口から出てこなかった。
『一体いつになったら気づいて、普通の人みたいに振る舞うようになるの!?』
佳苗さんのAPAは、黙って僕を見つめ続け、今言ったことすべてに対する返答を待っていた。
しかし、僕は何て答えればいいか分からなかった。
唇を少し開いてはまた閉じ、何か言葉を紡ごうとした。
謝罪。言い訳。彼女の言葉の痛みを少しでも和らげられるような何か。
だが、何も見つからなかった。
僕にできたのは、ただ自分の机を見つめ続けることだけだった。
それに気づいたのか、佳苗さんは話を続けた。
『それに、この機会に、ここ二か月ほど続いているある件について、あなたに伝えておきたいことがあるの。』
彼女の口調は弱まらず、たださらに冷たくなった。
『二年E組の学級委員として、あなたのあの馬鹿げた誘いについて、クラスメートだけでなく、学校中の生徒たちからも、メールでたくさんの苦情が寄せられているの。』
「え、えっと……?」
僕の声はか細く、自分でもかろうじて聞き取れるかどうかのほどだった。
それは返答ですらなかった。ただ、体が再び固まってしまう前に、喉からかろうじて漏れ出た唯一の音に過ぎなかった。
一瞬、聞き間違いかと思った。
そう信じたいと思った。
『聞いた通りよ。』
佳苗さんはためらわなかった。
『「市川くんがしつこくて迷惑」から、「もう耐えられない、市川くんはあまりにも重い」まで、苦情は様々よ。ほんの一例だけどね。』
教室の空気が重くなったのを感じた。
誰かが何かを言ったからではない。
初めて、周囲の静寂が、まるで皆が耳を澄ませているかのように感じさせたからだ。
そのせいで、僕は席の上でさらに身を縮めてしまった。
『つまり、私を含め、学校のみんながあなたにうんざりしているということよ。だからお願い、これ以上他人の生活に首を突っ込むのはやめて、自分のことを考え始めてちょうだい。』
そう言って、佳苗さんはようやく話を終えた。
とはいえ、僕にとっては、まだ終わっていないような気がした。
まるで、あの言葉のすべてが僕の周りに漂い続け、空気の代わりにそこを占めているかのようだった。
まるで教室全体がそれらの言葉で満たされ、僕が身を隠す場所がどこにもないかのようだった。
どの部分が最も痛かったのか、自分でもわからなかった。
佳苗さんが僕にうんざりしているということか。
他のみんなもそう思っているということか。
それとも、その瞬間まで、僕が「もう少し頑張れば、いつか状況は変わるかもしれない」と信じ続けていたことなのか。
『そろそろ自分の担当部分を終わらせたほうがいいわ。話しているだけで、もうかなり時間を無駄にしてしまったから。』
ピッ――
その瞬間、彼女のAPAはスリープモードに戻った。
人工の瞳から光が消えた。
体が動かなくなった。
佳苗さんは、もうそこにいなかった。
僕はぼんやりと座り込み、教室の静寂に溶け込んでいった。
最初と同じ静寂だった。
ただ、今やそれは気まずい沈黙ではなかった。
それは、僕に答えを与えてくれたかのような静寂だった。
「今日こそ、僕の学生生活が必ず変わる日になる!」
ふと、毎朝よく口にしていたあの言葉が頭をよぎった。
その言葉を思い出した。
心の中でその言葉を聞いた。
そして、なぜか、以前とは違った響きに感じられた。
つい最近まで、その言葉にはいつも希望が込められていた。それは不器用で、ばかげていて、あるいはしつこすぎる希望だったかもしれないが、少なくとも毎朝、「まだ可能性はある」と思って起き上がることができた。
しかし今、その言葉は、何も分かっていない誰かが口にした言葉のように聞こえた。
他の人たちにとって、自分が決して近づいていなかったことに気づかずに、ただ前に進み続けている誰かが口にする言葉のように。
ただ迷惑をかけているだけだった。
「今日こそ、僕の学生生活が必ず変わる日になるとは思えない……」
それが、僕が最終的にたどり着いた結論だった。




