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寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
迷宮都市ビギナリア編

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その頃冒険者ギルドでは……

【ルディ、アオイ・アカネと一心同体中……擬態透明モードの為話しません】


 ギルドの扉を押し開けて中に入ると……かつての活気はどこへやら、どんよりとした重苦しい空気が漂っていた。

 その中でも一番奥の受付カウンターだけが騒がしい。


「おい。なんで上位の素材採集依頼が、全部『一時取り下げ』になってるんだよ。これじゃあ、俺たちが依頼を受けられないじゃないか」


 関係ない受付嬢の胸ぐらを掴みかねない勢いで怒鳴り散らしているのは、『リジェクテッド』のパーティーリーダーのブリッツだ。その横ではミラが焦りと苛立ちで爪を噛み、エスナは泣きそうな顔でうつむいている。


 どうやら、さっき商業ギルドのギルマスと交わした「隣村への依頼の横流し」が、秒速でこのギルドの掲示板を直撃したらしい。


「あ、あの、ブリッツ様……商業ギルド側からいつまでも達成出来ない依頼は、他で処理して貰うという指定がありました。当ギルドとしてもこれ以上は……それに、皆様が『嘆きの谷』を含めて他の依頼も貯まってる状況では……」


「ふざけるな。あれは元々、ルディって無能な元リーダーせいで失敗したんだよ。なんで俺たちがそんな依頼を……」


「そうよブリッツ。ギルドの規定通り、明日までに依頼を達成してもらわないと、パーティーのランク降格処分だけじゃなくて、私の責任にもされるんだからね」


 エマールも自分の保身がかかっているので、必死の形相でブリッツに言い返す。元はエマールの子飼いだったブリッツとエドガーも上手くいかない最近ではエマールに対しても冷たい態度を取る事が多かった。


「チッ、うるせえな。金なら『嘆きの谷』をクリアして、あの最高級素材を売れば一発で払えるはずだったんだよ。全部あの隻腕のゴミが、最後の最後で索敵をトチりやがったせいだ」


 ブリッツが床を激しく踏みつける。

 まさか、その役立たずと追放した元リーダーと、雑魚だとバカにしていたスライム娘たちが……自分たちのすぐ目の前で、透明化してその無様な姿をニヤニヤしながら見下ろしているとは夢にも思っていないだろう。


『主様、本当に哀れな奴らですね。今すぐアオイの水魔法で、このギルドごと押し流してしまいましょうか?』


『ふん、あいつらの言う索敵ミスって、エスナがサボってただけじゃない。どこまで醜く言い訳するのかしらね』


 脳内に直接響く、アオイとアカネの冷ややかな声。

 でも、コイツらとは冒険者パーティーではなかった。お互いをカバーする事もなく適当で楽な方に逃げている……


「……受付嬢エマール。少しこっちに来なさい」


 中年の底意地の悪さが顔に出ているオッサンがいた。確かこの冒険者ギルドのギルマスだったはず……


「え、えええ〜、ウソよ。私は認めないわ。新人冒険者パーティーで最強は『リジェクテッド』よ。そんなポッと出のパーティーに……」


 エマールは、ヒザをつき愕然としている。ギルマスはその様子を見ると『フン』とだけ鼻を鳴らし去っていく。

 ヨロヨロとよろけながら戻ってきたエマールからは、予想外な言葉が……


「アナタ達の元リーダーだったルディが、新しい冒険者パーティーを組んだわ」


『ドックン』とエスナとミラの心臓が跳ねていた。


「そのパーティーは破竹の勢いで、この地方のダンジョンを平らげている」


 ブリッツとエドガーは、真実を受け入れれないのか……悔しさから、手が白くなるまで拳を握った。


「ルディをリーダーとした冒険者パーティー『セレスティアル・ガーデン』というらしいわ」


 全員が下を向いて、その後に続く言葉を受け止め切れるのかを自分達に問いかけていた。しかし、無情にもエマールの言葉は続いていく。


「そのルディが設立した冒険者パーティーが、先日『嘆きの谷』を攻略して、様々な資源を持ち帰ったらしいわ」


 これには周りの冒険者達も他人事ではなく、冒険者ギルドにいた冒険者全てが総立ちになった。

 その中、ある受付嬢は高難易度の依頼を掲示板より撤去していた。

 商業ギルドより連絡が来て、隣村ギルドへと送る為だ……


「……やっぱり、ルディに帰ってきて貰いましょう」


 シーン、と静まりかえったギルド内にミラの声が響いた。


「……賛成です。ルディさんなら、事情を分かってくれると思います」


 この中でルディと一番付き合いの長い、エスナも後に続いた。


「バカ言うな。アイツは帰って来ないよ。お前達は女だから分からないだろうが、男は汚れた女に興味はない」


 エドガーが無責任な発言をして、女性冒険者から非難を浴びている。だが……真実だな。


「イヤ、エドガーの言う事も分かる。特に力が落ちてしまったエスナとミラに関しては、スライムがいないと逆に足手まといになる」


 エスナとミラは、下を向いて涙ぐむ。そう、アオイとアカネというチートスライムがいて、始めて冒険者として活動出来ていたのだ。

 それが無い今は……ブリッツやエドガーも、処理に困っているのが現状だ。性欲の処理だけだ。


 どうやら上手い具合にバラバラになりそうな気配に、俺はそっと冒険者ギルドを後にした。まだまだ、ここが着地点ではないよ。俺がされた仕返しは、まだ始まってないのだから……


 〘ユニークスキル『運命の輪』が発動しました。運命の輪が正位置にて回り始めます〙


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