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寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
迷宮都市ビギナリア編

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88/90

やるでしょ。ダンジョン周回

 ワイトキングが完全に光の粒となって消滅し、最下層に静寂が戻る。あっちこっちに散らばる、戦利品達。やったね。


 カッコよく剣を引き抜き、鞘に収めた俺は背後の二人にキリッとした顔で振り返った。


「……どうだった? 今の俺のカッコいいところ、ちゃんと見ててくれた?」


「あ、あはは、もちろんですよ。主様は、その……刺激的で素敵でした」


「そ、そうよ。私の主人なんだから、それぐらいやって貰わないと。ちょっと……体の芯まで響いちゃったわよ。あー、喉が渇いたわね」


 なぜかアオイは顔を上気させてモジモジしているし、アカネは不自然に内股気味でそっぽを向いている……まぁ、あれだけの大軍を相手にして、俺の見せ場もしっかりあったんだ。感動して震えているんだろう。でも、『主様カッコいい』とかって抱きついてくるぐらいは、して欲しいよね。


「よし、それじゃあお目当てのモノを回収して帰ろうか」


 俺は満足感に浸りながら、玉座の奥の祭壇へと歩み寄る。

 そこには、薄暗い最下層の中で神秘的な青い光を放ちながら『嘆きの結晶』があった。これは高値で売れるよ〜。


「採取完了。ついでにワイトキングが残した最上級の魔石、それからボスの宝箱から出た豪華な宝飾付の短剣も回収っと……」


 終わってみれば、本当に俺たちの身体には傷一つ、ついていなかった。アオイとアカネがキズついたら……俺はダンジョンを剣で切ってしまうかも。


 かつて俺をゴミのように追い出した『リジェクテッド』が悲鳴を上げて敗走し、「ルディのせいで大失敗した」と言い訳に使っていた最難関ダンジョン。それを、俺たちは半日かからずに完全攻略してしまったわけだ。パーティーメンバーの違いがやはりデカいな。


「よし、回収は終わったよな。ならこのまま帰るのも、芸がない。アオイ・アカネ疲れはどうかな?」


「はい、主様。万全ですよ」「全然平気よ」


「なら、周回行こうか……」


「「えっ」」




 隣村のギルド出張所……


「ふぅ……ルディ君たちが心配で、お仕事が手につきません……あの『嘆きの谷』に……」


 カウンターで一人、落ち着かない様子で小さな手を合わせ、俺たちの無事を祈っていたフィオナさんの姿があった。そこに俺達が現れると


「ただいま、フィオナさん。言っただろ? 大丈夫だって。少しは仲間を信じてくれよ」


「え…… ル、ルディ君? お、お怪我は……なさそうって、えええ。あのこの辺り最難関と言われる『嘆きの谷』へ行って無傷なんですか?」


 慌ててカウンターから飛び出してきたフィオナさんの目の前で、俺はニヤリと笑い、アオイとアカネに目配せをする。


「「それっ」」


 ドササササッ


 カウンターの上にぶち撒けられたのは、美しく咲き誇る『夢見の花』。それだけでなく、ワイトキングの『最上級魔石』と、宝箱から出たレアアイテムの数々。『嘆きの結晶』攻略しないと手にはいらないからこれ以上の証明もないだろうね。


「な、ななな……ええええっ? こ、これ、ビギナリアの指名依頼で、未だに未達成で大混乱している『嘆きの谷』のボス素材と依頼品……それを、本当に半日で?」


 フィオナさんは驚きのあまり完全にフリーズし、口をあんぐりと開けてしまった。その顔もカワイイな。ちょっとホッペをつついてみる


「フィオナさんが見込んでくれた、俺たちだからね。これで『商業ギルド』の依頼完全達成、手続きをお願い。あ、もちろん、あの街の商業ギルドとの約束通り、リジェクテッドには最高額のペナルティを課すように即時伝達で」


「は、はい。わかりました。すぐに手続きいたします」


 フィオナさんは興奮で顔を上気させ、猛烈な勢いで魔導ペンを走らせる。ホッペ触ったの気付いてない?もしかして違う所でも行けた?


「ルディ君はやっぱりエッチだね……」


 あっ、バレテーラ。違う所をやらなくて良かった。

 でもこれで、リジェクテッドの言い訳の余地は完全に消滅した。


「無能なスライム使いのせいで、失敗した」


 と言っていたダンジョンを、そのスライム使いがパーティーメンバーを変えて、最高の仲間と共に無傷の半日で完全攻略したのだ。しかも、複数回周回してね。この事実が公になれば、あいつらの社会的信用は完全に失墜する。


「ちょ、ルディ君? 一回分の割に多いんだけど……まさか……『嘆きの結晶』がいくつも……」


「うん、何周かしたよ。物足りなかったから……」


 フィオナさんは、机をバンと叩き立ち上がる。あまりの衝撃に、思考がフリーズしたみたい。スカートが捲れて美味しそうな太ももちゃんが……再起動したフィオナさんは、考えるのを止めたようだ。事務的に淡々とこなしている。


「よし、手続きありがとう……それじゃあ、フィオナさん。俺たちはこれから、この純鉄と魔鋼を持って、ビギナリアの街へ『挨拶』に行ってくるよ」


 俺達は迷宮都市ビギナリアの商業ギルドへと、足を運んだ。さらに『リジェクテッド』と専属受付嬢エマールを追い詰める為に……相手は貴族も関わっているからな。ダメ押ししてからトドメを刺す、くらい慎重でないと殺られるのはこっちだから。


「こんにちわ。冒険者パーティー『セレスティアル・ガーデン』のルディが商業ギルドのギルドマスターへの面会を希望します」


 俺は商業ギルドへ来て正式に面会を申し込んだ……

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