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寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
迷宮都市ビギナリア編

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セレスティアル・ガーデン始動

 ようやく迷宮都市ビギナリアの隣村で、フィオナさんとの再開が出来た。

 そこで修羅場? のような場面にあたふたしたが……なんとかなったみたい。

 まだアオイとアカネの人化が、信じられないみたいだけど……二人共にスライムの姿に戻ったり、人化したりして無理矢理納得させていた。


「あー、フィオナさん。色々驚かせたけど、俺たちは戻ってきたよ。これからはこの村で、また俺たちの受付嬢をやってくれないか?」


 俺はやはり冒険者をやるなら、信頼の出来る受付嬢でないと。その点、フィオナさんは裏表ないしな。


「俺は……俺達はフィオナさんを仲間だと、冒険者パーティーの一員だと思っている。だからまた一緒にチームを組もうよ」


「…………いいんですか? 私はドジだし、何をするにもトロいし、それから〜……」


「ああ、俺達の専属受付嬢は、フィオナさんしかいない。それとも、また誰かに譲るのか?」


 フィオナさんの目から大粒の涙がこぼれ、カウンターに大きな染みを作っていく。


「ううん……譲りません。もう絶対に、譲りたくないです。私、またルディ君たちの受付嬢がやりたい……迷惑かけるけど、諦めたくないの」


 フィオナさんは顔をくしゃくしゃにして、子供のように泣きながら、だけどしっかりと俺の目を見て頷いてくれた。その言葉が聞きたかった。


「ああ、よろしく頼むよ。じゃあさっそく、新しいパーティーの登録をお願いできるかな? 専属受付嬢さん」


「はい。今、書類を持ってきます。待ってて下さい、絶対に居なくならないで……」


 フィオナさんは何度も涙を袖で拭いながら、カウンターの奥から羊皮紙の登録用紙を引っ張り出してきた。すっかりプロの受付嬢の顔……いや、まだちょっと鼻声だけど、その表情は迷宮都市にいた頃よりもずっと生き生きしている。カワユイな……


「新しいパーティー名はどうされますか?」


「セレスティアル・ガーデン。俺の、帰る事のできない故郷の言葉で『天界の庭』って意味だ」


「セレスティアル・ガーデン……。素敵な名前ですね。では、メンバーの方の登録を……」


「それなんだけど、アオイとアカネは、スライムだろ? どうすればいいんだ?」


 フィオナさんは急いでギルドの分厚い規約本をめくり、指で文字を追いかけた。


「……ありました、『人化スキルを有し、言語による意思疎通および自律行動が可能な人型種族、またはそれに準ずる魔物に関しては、個人の意思に基づき冒険者登録を認める』。つまり、アオイちゃんたち自身に戦う意思があれば、一人の冒険者として登録できます。ただし、問題が起きた時はルディ君の責任になりますから注意して下さいね」


「へえ、登録できるんだな。良かったな、二人とも」


「はい、主様と正式にパーティーを組めるなんて光栄です。アオイはどこまでもお供します」


「フン、これで名実ともにルディの相棒ってわけね。……で、フィオナ。登録はどうすればいいの?」


 アカネが早くしろとばかりに、カウンターを指でトントン叩く。背が低いから背伸びしながら……


「はい。では三人の『魔力登録』を行いますので、この水晶に手をかざしてください。これで、三人の『ステータス』がギルドカードに書き込まれます」


 フィオナさんが差し出した魔力水晶に、アオイとアカネが興味深そうにそっと手を触れた……その時にスゴイ金切り音が、響いて魔力水晶が細かく振動している。


「えっ? な、何ですかこれ……動かないで。二人とも、そのまま手を離してぇ」


 フィオナさんが悲鳴のような声を上げた瞬間、『パキィィィン』と鋭い音が響き、魔力水晶の表面に無数の亀裂が走った。そして最後には、目も眩むような閃光と共に、水晶は粉々に砕け散ってしまった。やば。


 カウンターの上に転がる水晶の破片。しんと静まり返るボロ出張所。


「フィオナさん、アオイ、アカネ。ケガは……無さそうだな。良かった。水晶壊しちゃったか。ゴメン弁償するよ」


 俺が苦笑いしながら財布に手をかけると、フィオナさんはバグった人形のように首を横に激しく振った。


「べ、弁償なんていいです。それよりこれ、嘘でしょ? 迷宮都市のギルドで使われている高級品には劣る物ですけど、これ、Bランク以上の魔力がないと壊れない仕様なんですよ? この出張所で一番良い魔力水晶なんですよ」


 フィオナさんは信じられないといった様子で、アオイとアカネを凝視している。


「フン、アカネ様を安物で測ろうとするから……あ、でもカードはできてるみたいよ?」


 アカネがカウンターの上を指差す。

 そこには、砕け散った水晶の台座から吐き出された、三枚のギルドカードが横たわっていた。


 フィオナさんが震える手でそれらを拾い上げ、記載された内容を確認する。


「おいおいフィオナ、朝から何を騒いで……って、うおっ? 魔力水晶が粉々じゃねえか」


 奥から現れたのは、不機嫌そうな顔をした髭面のギルドマスターと、筋骨隆々の解体士のおじさんだった。二人は壊れた水晶と、俺たち三人の姿を交互に見て、ゴクリと息を呑んだ。オッサン率が増えたな……

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