私は受付嬢
【ある二年目の冒険者ギルド受付嬢】
「ハァ〜、始めて英雄級になれそうな冒険者さんを、担当出来たのに……」
私はフィオナと申します。すぐ隣の街、迷宮都市ビギナリアで冒険者ギルドの受付嬢をしていたのですが……今はギルド員が数人しか居ない、小さな出張所で勤務しています。
以前迷宮都市ビギナリアの受付嬢の時に、ある冒険者パーティーの専属受付嬢をやる事になりました。その冒険者パーティーは、全員が何かしらのハンデを背負いながらも懸命に冒険者活動をしている方達で、私も精一杯応援させて貰いました。
リーダーのルディ君は少しぶっきらぼうですが、パーティーメンバーの事を良く考えてくれていつも最善を選択している感じでした。でも、少しエッチです。私の胸をチラチラ見てます。バレてますよ。
エスナさんは心にキズを負った少女で、でも懸命に頑張っている姿が応援したくなります。
ミラさんは目が見えなく投げやりになってる部分もありましたが、パーティーに入ってからは良く笑うようになりました。
その三人で組んだ冒険者パーティー『リジェクテッド』は、破竹の勢いで数あるダンジョンを攻略していき、迷宮都市ビギナリアの冒険者パーティーではすぐに上位の仲間入りになりました。
「本当に凄かったな〜、私が担当した中でも……ううん、今まで見てきたどの冒険者よりも輝いて見えてました。特にルディ君は……」
いつも大量の魔物素材の処理で、残業になってしまいましたがそれでも、やっぱり楽しかったなぁ〜。
この村の出張所では、スライムやツノウサギなどを狩った時に利用されるだけで……基本的に冒険者はみんな、迷宮都市ビギナリアに行ってしまうのです。
なぜ、私がこの村の出張所に転勤になったかというと、先輩受付嬢であるエマール様より命令されたのです。エマール様は貴族出身のお嬢様で、迷宮都市ビギナリアの冒険者ギルドでは受付嬢達のリーダーでもありました。元々、私は農村の出身で目をつけられていたのだと思います。(本当は見た目が可愛く胸がデカいので嫉妬されていた)
そして、運よく『リジェクテッド』の専属受付嬢になったのを、妬まれていました。冒険者ギルドでの立場やお給料は、担当している冒険者パーティーによって代わるのです。そして、受付嬢の中でも、とりわけ成績が悪かった私が……『リジェクテッド』の皆さんのおかげでトップを取れた時に、ついにエマール様から専属受付嬢の立場を譲るように言われたのでした。
私は彼らを、引き合わせた責任があるます。もちろん、最初は断らせて貰いました。それから『リジェクテッド』がダンジョンを攻略するたびに、言われるようになり……だんだんと、陰湿なイジメに発展してしまいました。そして……ついに、
「……ルディさん、すいません。私は『リジェクテッド』の専属受付嬢を今日で辞めさせて貰いたいのですが……」
「……フィオナさん?」「ちょっとフィオナ……」
ルディ君は目を閉じて、他のメンバーのエスナさんもミラさんも困惑しているようですね。突然の専属受付嬢を、降りる宣言ですからね。
『ルディ君達の前で泣くのはダメよ』今出来る笑顔を作ってみた。ルディ君は、納得したかのような顔をしてから、
「そうですか。残念ですフィオナさん。それはもう決定という事ですか?」
「……はい、ゴメンなさい」
(本当は『リジェクテッド』の皆さんの、サポートをしていたいの……)
気がつくと私は涙を止める事が出来なくて、私のカウンターには涙の跡がたくさんついてました。顔をみられないように、うつむいているしかありません。
「そうか、分かった」
ルディ君は悟ってくれたかのようで、すぐに冒険者ギルドから立ち去ってくれたようです。ルディ君の優しさに感謝しながら、涙をもう堪えられなかったのです。
そして……遠くから声だけ聞こえてました。
「あらあら、迷宮都市ビギナリアで冒険者ギルドのエースになりつつある『リジェクテッド』の専属受付嬢を投げ出すなんて……もう、田舎へ帰ってはいかがかしら? 『リジェクテッド』の皆様、申し訳けありません。この者の代わりに私、エマールが専属受付嬢を致しますわ」
エマール様は、早速ルディ君達に接触しているようでした。まさか貴族に睨まれ、実際に脅されてます。
田舎で農業をしている、父と母に迷惑をかける事も出来ませんでしたので……
「ルディ君、エスナさん、ミラさんゴメンなさい」
私は現状をどうする事も出来ずにただ、泣いてるしかありませんでした。
「もう、ギルドマスターの承認を貰ってますから、本日より冒険者パーティー『リジェクテッド』の専属受付嬢は私……エマールが導いてあげます。たくさん攻略して魔物素材なども、たくさん持って来て下さいね。そうしたらご褒美をあげてもよろしくてよ」
悔しい。本当は私が……一緒に冒険者ができなくても、皆さんのサポートをして仲間入り出来ているような感覚でした。それが例え幻だとしても、私は嬉しかったのです。それが取り上げられこの冒険者ギルドで、一人ポツンと置いていかれたように感じてしまいました。
「クスンッ、私はどうしたら良かったのかな……」




