↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
オークションと新しい仲間

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

148/155

採取天国モード

 城壁外の拠点作りも一段落したところで、俺たちは本来の目的である『樹海ダンジョン』へとやって来た。


 今回のダンジョンアタックのメンバーは、俺、アオイ、アカネ、ジェシカ、ルーナ、リンの六名。

 リネットと殺戮メイド隊の面々は『フォルトゥーナ商会』の新店舗の運営と防衛に回ってもらい、そして……。


「キミカ、お店の護衛を頼んだよ。変な客が来た時に対応してくれれば、それ以外は寝てていいからね」


「——分かった。僕は頑張って寝てる……」


「いや、頑張るのは護衛の方だからな?」


 少し……いや、かなり心配ではあるが、まあ彼女の戦闘力を考えれば大丈夫だろう。


 樹海ダンジョン——。

 古代都市ごと呑み込み、植物の楽園と化して変異した中級迷宮だ。

 ここにはサスーニア海洋国でも屈指の多様性を誇る植物やキノコ類が自生しており、資源の宝庫でもある。だがその反面、鬱蒼と茂る樹木による極悪な視界の悪さと、景色に擬態する凶悪な魔物が多数生息しているため攻略難易度は極めて高く、足を踏み入れた冒険者はごくわずかしか存在しない。


 ……まあ、俺たちが街を観光したり商業ギルド相手に経済戦争を仕掛けたりしていた間にも、アオイたちの分身体スライムがとっくに樹海内部へと潜入し、素材の採取とマップの作成を繰り返し進めてくれていたのだが。


「主様、最奥のラスボスまでのルート調査はすでに完了しておりますわ。このまま一気に攻略なさいますか?」


「おお、さすがアオイ……! でも一応ルートは内緒にしておいてくれ。せっかくの中級ダンジョンなんだから、少しは探索を楽しみたいし……だってほら、あんなにノリノリだしさ」


 俺が呆れ半分、苦笑交じりに指をさした先では——。


「フフン! 私の前に立ち塞がるとはいい度胸ね……そこを突き通しなさい、それぇッ!」


 身の丈を悠に超える巨大なハルバードを軽々と振り回すのは、赤髪の豪傑少女・アカネだ。

 彼女が凄まじい豪腕で振るう刃の風圧だけで、周囲の巨木群や木の葉が嵐のように激しく揺れ動く。


「『アイシクルランス』、『ウインドカッター』——『ウォーターマシンガン』!」


 間髪入れずに魔法を機関銃のように連射しまくっているのは、白髪の美少女・ジェシカ。

 彼女が圧倒的な魔力でぶっ放す重魔法の余波により、周囲の地面には次々と凶悪なクレーターが刻まれていく。


「『ウインドシュート』、『必中の矢』——『貫通矢・強』!」


 そして、風魔法と弓術を組み合わせた独自の射撃術で援護するのは、精霊の加護を受けし少女エルフのルーナ。

 遮蔽物と障害物に満ち溢れた樹海の中だというのに、彼女の放つ矢が標的を外すことは一度としてない。


「キャハハハ! 楽しいのじゃ! 森の中は妾の庭なのじゃ! 『幻炎・小猿』なのじゃ!」


 最後は、天真爛漫に跳ね回る天狐族の少女・リン。

 彼女は本来、強力な火属性の魔法を得意としているのだが……今回は「樹海を燃やし尽くしかねない」という理由で火魔法を封印してもらった。代わりに、珍しい幻魔法を巧みに操って敵を攪乱し、遊ぶように立ち回っている。


 過酷と恐れられる中級ダンジョンなどどこ吹く風。

 彼女たちにとって、この樹海は絶好の運動場に過ぎないようだった——。


「戦闘は彼女たちに任せておけば良いかな……それでアオイ。樹海内の植物で使えそうな物はあったかい?」


「もちろんですわ。主様の許可があれば取り込んでスキルに出来そうな物もいくつかあります」


「おお、それは助かる。それと打ち合わせ通りの性質がある物も発見出来たかな?」


「はい。極寒の寒冷地帯に対応出来そうな辛さで温まるホットウガラシ、擦って熱をだすカイロン」


 うんうん、両方使えそう。ホットウガラシは食べ物系かな。カイロンは下着の『シーセル』に混ぜれば……


「灼熱の火山地帯には冷シンスの花にヒエの実など」


 ヒエの実も食べ物かな? ウルウル草と冷シンスの花は『シーセル』かな。


「乾燥地帯の砂漠地帯はウルウル草にシャボンの実」


 ウルウル草を食べ物にして、シャボンの実で肌を保護するクリームとか……


「あとは依頼のあった強風地帯や水中地帯に有効なものは、まだ見つかりませんでした。申し訳ございません」


「いや、本当に十分すぎる成果だよ。アオイ、ありがとう」


 頭を撫でてやると、アオイは「ウフフッ」とうれしそうに頬を緩めた。


「これで中級ダンジョン特有の『環境障害』への対策は一気に前進したね。これらを加工して『シーセル』に配合すれば、極寒や灼熱のダンジョンでも快適に過ごせる魔法の防寒・耐熱インナーができる。……もちろん、フォルトゥーナ商会の新商品として売り出せばバカ売れ確定だ」


「さすがは主様ですわ。ダンジョン攻略と商会の利益、双方を同時に成立させる手腕……感服いたしました」


「それに、アオイたち自身もその植物たちを取り込めば、新しい耐性スキルや環境適応スキルが手に入るでしょ?」


「はい! お許しがあればすぐにでも……」


「頼もしい限りだな。……よし!」


 俺は一息つくと、前線で猛威を振るっているジェシカたちに向かって声をかけた。


「みんなー! 事前調査も兼ねたレベリングはそこそこにして、そろそろ最奥のボス部屋を目指そうか!」


「えーっ! もう終わりかしら? まだハルバードを一振りも届かせてない巨大植物がいるんだけど!」


「ジェシカの魔法でクレーターだらけになってるから、これ以上やったら地形が変わっちゃうよ〜!」


「兄様〜! 妾、もっと暴れたいのじゃ〜!」


 不満顔で戻ってくる彼女たちを苦笑交じりになだめつつ、俺たちはアオイの案内のもと、樹海ダンジョンの深層へと足を進めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。