↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
オークションと新しい仲間

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

149/155

樹海のボス

「これでも喰らいなさい!」


 アカネのハルバードが、ものすごい勢いで空間を薙ぎ払う。


「ウインドカッター! ウォーターマシンガン! アイスアロー!」


 ジェシカの魔法が途切れることなく連続で放出されていく。


「ツイスターアロー! シャインシュート!」


 ルーナの放った矢が立て続けに突き刺さり、相手の巨躯をハリネズミのように変えていく。


「ぐぬぬぬ……妾も遊びたいのに。兄様! 炎はまだ使ってはダメなのかえ?」


 得意の炎魔法を禁じられている天狐族のリンは、不満そうに口を尖らせて拗ねている。


「主様……効いていませんね。如何なさいますか?」


「ああ、さすがは中級ダンジョンのボス『エルダートレント』だな。アカネたちの攻撃で削っても、すぐに再生しちゃうからジリ貧だね……」


 俺はリンの頭を撫でて宥めながら、冷静に戦況を見つめていた。


 エルダートレントの巨体から無数の太い枝が触手のように伸びてそれぞれへ襲いかかり、風に舞い散る葉はナイフのように鋭く切り裂いてくる。……そして、何より一番厄介なのは拡散される花粉だ。それを浴びた者は、容赦なく複合的な状態異常に陥ってしまう。


 幸い、アオイやアカネたちスライム娘には『状態異常無効』のスキルがあるので平気だが、他の仲間たちはそうもいかない。

 アカネが最前線で猛攻を仕掛けて敵の意識を引きつけているおかげで、花粉を散布する頻度は何とか抑えられている。そして、アオイが後方で回復役として立ち回り、異常を浴びた仲間を即座に治療しているからこそ、前線が崩れずに保たれているのだ。


 ……状態異常が効かない頼もしいスライム娘たちが居なければ、最悪の場合は敗走を余儀なくされていたかもしれないな。

 とはいえ……これはみんなを鍛えるには、ちょうど良い相手かもしれない。


 ◆◆◆◆


 ――――戦闘開始より1時間が経過。


「みんな、どうかな? 倒せそうか?」


 みんなはこちらを見る余裕すらない様子で、相手の猛攻を間一髪で凌ぎながら、必死に反撃を繰り出している。


「アンタねぇ……見てないで、少しは手を貸しなさいよっ!」


「ハァ……ハァ……木属性が強いせいか、魔法の効果が薄い……っ」


「くっ、弓矢だけでは……決定打になりません……!」


「シュン……妾は攻撃すらできんのじゃ……」


「主様……一度、撤退をご進言いたしますわ」


 ふむ……あのアオイまで撤退を口にするか。


「アハハ、みんなは頭が固いな〜。じゃあ、一旦下がって。アカネ、ハルバードを貸して……あと、右腕用に分裂体を……」


「……分かったわよ。はいっ!」


 俺は片手で重厚なハルバードを扱いながら、エルダートレントの懐へと跳び込んだ。アオイやアカネとスキルを共有している俺も、当然『状態異常無効』だから花粉なんて怖くない。


「えいっ、そりゃー! これだっ!」


 アカネのハルバードを軽々と振り回し、エルダートレントの巨木を打ち振るう。


「アタシと一緒じゃない! でも、それじゃまた再生して……アレ? 再生してない……なんで!?」


「アカネ……主様の持つハルバードを見てご覧なさい」


「刃が赤くなってる……? なんで!?」


 そう、俺はハルバードに超高熱を持たせて、斬撃と同時に切り口を焼き切っているのだ。魔法の応用技術だね。


「主様は熱で切り口を焼くことで、細胞の再生を妨害しているのですわ」


「あ……なるほど! 炎だと森に延焼する危険があるけれど、刃の表面だけの局所的な熱なら……!」


「それだけではありませんわね。この局所的な魔力操作なら……ほら……」


 俺はハルバードをアカネの方へ放り投げ、空いた手から一瞬だけ炎魔法を繰り出す。


「狐火『焔』の模倣バージョン」


「おお! 妾の炎魔法じゃ! でも、森で使ったら……って、アレ!?」


 炎はエルダートレントの幹を豪快に焼き払い、直後に一瞬で消え去った。


「主様は精密な魔力操作だけで、周囲に延焼しないよう着火した直後に炎自体を消去していますね」


「おお……! 魔法にそのような使い方が……! なるほどのぅ〜!」


 炭化した部分の再生速度は、見るからに鈍っている。


「アイスアロー・ガトリング!」


「次は私の真似……!? 氷魔法の連打ですね……今度は炎とは逆に、魔力を注ぎ続けて氷を消さないように定着させていますわ」


「ええ。主様は氷魔法でエルダートレントを急冷しているのでしょう。……見るからに動きが鈍くなっていますわね」


 そう、これが『植物の変温特性』を利用した攻略法だ。


「ルーナ、弓を……」


「あ……はいっ!」


 ルーナから弓を受け取り、即座に矢を引き絞る。番えたのは特製の魔鋼製金属矢だ。


「ルーナ、よく見ておくんだよ。合成魔法弓——『シルフの歌声』」


 魔鋼に風魔法を付与した上で、推進力による加速と、先端に鋭利な『ウインドカッター』を乗せた複合概念矢。

 その圧倒的な風切り音が、まるで風の精霊シルフが歌っているかのような甲高い響きを奏でながら放たれ——エルダートレントの眉間へと吸い込まれ、一瞬で背後へ貫通した。


 エルダートレントの素材を回収した俺たちは……


「よし、周回するぞ」


「「「えっーーーー!!!」」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。