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寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
オークションと新しい仲間

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セルフィーナ姫の制約

【サスーニア海洋国の至宝『水宝玉』・第2王女セルフィーナ視点】


「……報告を聞きましょう。『シーライン商会』の件、どうなりましたか?」


「はい。概ね上手くいきました。しかし、彼らは財産をすべて差し出すことを拒んでおり……いえ、条件を出してまいりました」


 陛下との『制約』がある以上、金銭や利権を差し出させなければ『シーライン商会』そのものを我が手中に収めることができなくなってしまいますわね……。


「……犯罪者が国に対して条件、ですか? 愚かしいことですわね」


 いけませんわね……『制約』のこともありますけれど、平民上がりの分際で、国に対して対等に条件をつけるなど……。


「はい。それが……『シーライン商会が所有するすべての船に火を放つ用意がある』と……」


「……っ!?」


 ……なんてことを! 船を失うことになれば計画が大きく後退し、最悪の場合『第2王女派』と呼ばれる貴族たちの離反を招く事態になりかねませんわ。ならば……。


「……ふぅ、分かりましたわ。条件とは何ですの?」


「はい。今回の責任は自分たちがすべて取るので、ここで働いている女たちの恩赦を求めております。姫殿下、いかがなさいますか?」


『シーライン商会』の商会長はかなりのやり手と聞いておりましたが……なるほど。こちらの本当の目的(=船と海運網の利権)を完全に把握した上での、足元を見た交渉ですのね。


「……いいでしょう。何としても船を失うわけにはいきませんもの。ただ、取引には私自らが出向きますわ」


 ハァ……直接会って私のユニークスキル『制約』をかけ、万全な状態にしなければなりませんわね。

 ええ、約束通り女たちの『身の安全』は保証して差し上げますわよ……『安全だけ』はね……。


 ◆◆◆◆


 それから、勇者ランドルフ様と勇者パーティーの面々は無事に帰還し、隣国との『友好の証』を抱えて戻ってまいりました。ここまでは完璧に私のシナリオ通りでしたわ。


 ……ですが、いざ『シーライン商会』の商会長との間で『制約』を結ぼうという、その土壇場で……。


「おい、そこの女たちは俺様が直々に可愛がってやる……」


 ハァ……『制約』の誓約により、女たちの安全を担保に取引を行っている以上、私の陣営の者が彼女たちに暴力を振るったり危害を加えたりすることは絶対に許されないというのに……この性欲モンスターが……!


 私は優雅な笑みを崩さぬまま、ランドルフ様の耳元へと冷ややかに囁きかけました。


「ランドルフ様? アナタ様はただの勇者ではなく『覚醒勇者』になられたのですよ? そのような平民の小娘の腹に種を撒いてどうなさるおつもりですの? 孕ませる腹もしっかりと選ばなければ、至高の『覚醒勇者』とは言えませんわ」


「……! む……むぐっ……! た、確かに……そう言われればそうだな……!」


 そこへ、勇者ランドルフの幼馴染でもある聖女クリスティが横から口を挟んで彼を宥めてくれました。ふぅ……助かりましたわね。


「ええ、そうですわ。ですから……今は私にお任せくださいな」


 私がそう告げると、クリスティはスッと私の間近まで歩み寄り、耳元で冷ややかに囁いてきました。


(……一つ『貸し』ですよ……お姫様……)


 ……っ。

『ラヴァーズブラッド』によって覚醒した聖女クリスティは、予想以上に厄介な存在かもしれませんわね。私の『制約』で縛ってはおりますが……要注意人物として警戒しておく必要がありますわ。


 ◆◆◆◆


「……ですから、あの女たちは一度罪人として奴隷に落とし、闇オークションへと出品させるのです。それを私たちが陰で買い戻せば……『身の安全』を誓約通り確約した上で、合法的に勇者ランドルフ様の奴隷に仕立て上げることができますから……」


「クックック……なるほどなぁ! 一度オークションを通せば『制約』を破らずに俺様の好きにできるってわけか! さすがはセルフィーナだぜ!」


 そう……私はちゃんと『制約』の抜け道を用意しておいたのですわ。

『シーライン商会』に約束した恩赦と身の安全は、あくまで国としての処分。法に基づき奴隷に落とされた後に『第三者』として買い戻せば、『制約』の対象外となって私たちがどう扱おうと自由……!


「ウフフッ……商会長さん? アナタがどれほど知恵を絞ろうと、この私からは逃げられませんのよ……」


 これで船も、販路も、そしてあの生意気な女たちの身柄すらも……すべてが私の思い通りに手に入る。

 勝利を確信した私は、深く甘美な笑みを浮かべるのでした。


「そういえばセルフィーナ……この前の魔物との戦いでルイーゼの剣も砕けちまったんだ。剣聖にふさわしい剣はねぇのか? 俺様の剣と同レベルのやつがさ……」


「……あ」


 そうでしたわ。ルイーゼ様の武器問題も残っておりましたわね。ちょうど間もなく、ビギナリアで大オークションが開催されますわ。

『シーライン商会』の女たちをそこへ出品し、ついでにルイーゼ様の武器も買い求めさせましょうか……。確か、勇者ランドルフ様のあの『魔鋼の剣』を打ち上げたドワーフ鍛冶師も作品を出品すると報告が入っておりましたしね。


(※この『魔鋼の剣』を手に入れるために惜しみなく大金を注ぎ込んでしまった結果、元シーライン商会の女性たちは誰一人生け捕って買い戻すことができず……すべてルディのもとへと渡る羽目になる。

 手に入れたシーライン商会の資金の大半を『制約』のために国王へ差し出してしまっていたセルフィーナ姫サイドは、すぐに手元の現金を動かすことができなかったのが最大の失敗であった)

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