表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
オークションと新しい仲間

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

132/144

あるE級女性冒険者

【E級女性冒険者カリン視点】


 私は生まれ故郷の村を出て冒険者になりました。当然、最初は迷宮都市ビギナリアでスタートしました。そこで気の合う女の子達と冒険者パーティーを組んだのですが……


「見てよ。また受付嬢が男をヒイキしてる」

「私達が先に並んでいたのに……」

「婚期を逃さずに仕留めるのに忙しいのよ」

「仕事とプライベートは分けて欲しいわ」


 私達は迷宮都市ビギナリアでの冒険者ギルドの対応に嫌気が差していました。今まではガマンするしかなかったけれど……私は思い切って提案したのです。


「ねぇ、私達も拠点を移さない? あの『セレスティアル・ガーデン』が本拠地にしてるフィオナ村へ……」


「そうね……こんな扱いをされるなら。それにあそこならフォルトゥーナ商会もあるしね。保存食の冒険者レーションも売ってるし……」


「うんうん。あそこの受付嬢さんは評判良いよね」


「じゃあ、決まり! さぁ、フィオナ村へ……」


 受付嬢の教育を怠ったツケで、女性冒険者が次々と離れていく。当然、冒険者ギルドの売り上げも急降下していきました。この流れは、受付嬢エマールから続いていた悪影響によるものでした。


 ◆◆◆◆


「ねぇ、見てよ。この女性用の下着……」


「「「カワイイ!」」」


 私達は拠点を移し、フォルトゥーナ商会で必要な物を揃えていました……そこで発見したのが、フォルトゥーナ商会の新商品『シーセル』でした。


 今までの女性用下着といえば、ただの布切れを紐で結んだような不恰好なものか、あるいは革や金属のゴツゴツしたプロテクターで擦れて痛い思いをするかの二択だった。

 だけど、目の前に並んでいるのは、見たこともないフワフワでサラサラした質感に、可愛らしいレースや刺繍が施された夢のような下着。しかも、お買い得な普及品まで用意されている!


「な、何これ……触り心地が雲みたい……っ! 買って試してみない?」


「「「賛成!!!」」」


 半信半疑で普及品を購入し、さっそく試着室で身に着けてみた私たちは、全員口をポカンと開けて固まってしまった。


「っ……な、なにこれぇぇぇ!? 全然揺れない!!」


「お尻が……お尻がキュッと持ち上がって、脚が軽くなってる!?」


「いつも剣を振るたびに胸が暴れて痛かったのに……ぴったりフィットして包み込まれてる感じ……!」


 そう、ただ可愛いだけじゃなかった。

 走っても、跳んでも、胸の重みが全く負担にならない! 衝撃を完璧に吸収して体幹がビシッと安定するのだ。まるで体に羽が生えたかのような圧倒的な軽やかさ。


「これ……男性には分からないと思うけど……安心感が凄い!!」


 私たちは興奮冷めやらぬまま、新天地での初仕事としてフィオナ村近くのダンジョンへと向かった。


 結果は――惨劇……いや、私たちの圧勝だった。


「ハッ!!」


 いつもなら胸の揺れで軸がブレて空振りしそうになる大剣の一撃が、吸い付くように魔物の首元を切り裂く。


「すごい……! 姿勢が崩れないから、次の動作にすぐ移れる!」


「私も! 弓を引く時に肩と胸が突っ張らないから、狙いが一発で決まるよ!」


 胸の痛みや重みというストレスから完全に解放された私たちは、今までE級で燻っていたのが嘘のように、面白いほど魔物をなぎ倒していった。戦闘効率は以前の3倍以上。傷一つ負わずに討伐素材の山を築き上げてしまったのだ。思わず姿勢も良くなった気がします。


「凄すぎるよ『シーセル』……フォルトゥーナ商会は神様だわ!!」


 フィオナ村の冒険者ギルドへ戻り、ホクホク顔で素材を納品した私たちは、親切で仕事の早い受付嬢さんからたっぷりの報酬を受け取った。


「カリン、あのね……さっき知り合いの冒険者の女子たちに『なんでそんなに動きもスタイルも良くなったの!?』って聞かれちゃった……」


「ふふん、隠す必要なんてないわ。全員に教えてあげましょう。この感動はみんなで共有するべきよ。フォルトゥーナ商会が作った最高の『シーセル』の秘密をね!」


 こうして、私たちがギルドの酒場で熱弁を振るった翌日――フォルトゥーナ商会の前には、噂を聞きつけた女性冒険者たちの長蛇の列が出来上がることになるのだった。その噂の輪はフィオナ村だけにとどまらず、地域を越えて国中に響いていったのだった。


 ◆◆◆◆


「お帰りなさい。カリンさん達の冒険者ランクが上がりましたよ。おめでとうございます。Dランク冒険者です」


 そうなんです。私達はダンジョン攻略や依頼の達成を続けて実績を積んできた結果——


「ありがとうございます、フィオナさん! 私達、このフィオナ村に来れて良かったです」


 なっ、なんと『セレスティアル・ガーデン』と同じ専属受付嬢のフィオナさんが私達に付いてくれたのです。その縁でリーダーのルディ様に特訓して貰ったり、アオイ様やアカネ様ともお話できて……キミカ様とは一緒にオヤツを食べたりする仲になりました。


「あの時に決心して良かったよね、私達……」


「うんうん。この間、初めて実家に仕送りできたもん」


「ウチも兄弟多いから……これもやっぱり……」


「「「フォルトゥーナ商会の下着のおかげよね!」」」


 お互いの顔を見て笑い合う。私達はこの村が変わらない限り、ずっとここで冒険者をやっていくよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ