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寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
オークションと新しい仲間

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女性パワー

【フォルトゥーナ商会副店長セシル視点】


「副店長……またです! 貴族家からのクレームです!」


「ハァ……またですか。それで、いつもと同じ内容なのですか?」


「はい……『なぜ伯爵家の私より先に、ただの一般冒険者の娘がシーセルを手に入れているのだ! 今すぐうちの屋敷に一ダース納品しなさい!』と……」


「……はぁ。はっきりと『予約順でお渡ししておりますので、貴族様であっても特別扱いは出来かねます』とお断りしなさい。ご主人様の方針です」


 私はこめかみを押さえながら、机の上に山積みにされた注文書の束に視線を落とした。


 現在、フォルトゥーナ商会では深刻な在庫不足によるクレームが毎日のように来るようになっていた。ご主人様をはじめ、スライムの皆様による新商品『シーセル』が大人気となっているのだ。


 フォルトゥーナ商会独自の製法(錬金術による繊維)や、ご主人様がデザインにまでこだわり抜いた今までの下着とは一線を画す出来に、女性たちが殺到している。


 しかもご主人様は、


『女性はみんな、誰しもが男を惑わせる魅力を持っているんだ。だから身分に関わらず、すべての女性にこれを届けるべきなんだよ!』


 と、妙な熱意で力説され、価格帯を抑えた普及品と、素材をこだわり抜いた高級品の両方を用意することになり……結果、平民から貴族、女性冒険者に至るまで、各地から女性がこのフィオナ村へ殺到しているのだ。


「……頭が痛いわ。でも、ご主人様は本当に恐ろしい方です」


 溜め息をつきつつも、私の胸元はかつてないほどの快適さと安心感に包まれていた。それに、ショーツもお尻がキュッと上向きになっている。

 そう……私自身も、ご主人様から手渡された『セシル専用・シーセル』を着用している一人なのだ。なんと、ご主人様自ら一人一人にデザインした物をプレゼントしてくださったのである。


 初めて身に着けた時の衝撃は忘れられない。

 胸の揺れや重みが完璧にホールドされ、魔法の詠唱中もまったく邪魔にならない。それどころか、氷魔法の練度が一段上がったかのような魔導具としての性能も持ち合わせた一品だった。


(……何より、ご主人様が私のためだけにデザインしてくださった、少しセクシーなレースデザイン……)


 思い出して頬が熱くなるのを隠すように、私は冷たいお茶を一口含んだ。ウフフッ、これではリネット店長の事をからかえないわね。


「副店長! 大変です! 今度はギルド長から『うちの女性冒険者たちの戦闘効率が爆上がりして、ダンジョン素材の納品量が跳ね上がっている! もっと入荷してくれ!』と悲鳴のような要望が!」


「もう……本当にキリがありませんね」


 ご主人様が『目の保養』と『下着改革』のために作ったはずのものが、今や街の経済と冒険者の戦力底上げまで引き起こしている。


 苦笑しながらも、私は副店長として、愛しいご主人様が作った最高の逸品を世界へ届けるべく、再び書類の山へと向かい直すのだった――


「冒険者ギルドには【鏡面の水面】で水草採集の依頼を、フィオナ村冒険者ギルド経由で出して! 素材さえあればキミカ様のスキル『魔力コピー(品質低下)』で大量生産用の普及品は用意出来ますから……高級品も素材が無いと始まりません」


 冒険者ギルドへ依頼を出す事は、フォルトゥーナ商会にとってもプラスになる。これにより、人の流れがまたフィオナ村へと繋がるのだ。


「セシル! セシルはいるかしら……」


 冒険者組の『白の女帝』ジェシカや『蒼穹の月』ルーナが、ライオン獣人のガルバに【鏡面の水面】で採集した水草満載の荷車を引かせてやってきた。


「……ヒィヒィ。おい! なんで俺1人でこんな山積みの荷車を引いてるんだ? 少しくらい……」


「黙りなさい。アナタが私達の下着を盗み見てるからでしょ」


 腕を組んでプンスカ怒るジェシカと、苦笑いしているルーナ。

 でもおかげで素材は確保出来たわ……


「セシルの下着も見てるわよ……」


 …………!


「ジェシカ、ルーナ。まだまだ足りません。ガルバを連れて行ってください。ご主人様には私から言っておきます」


「……そんな……俺の腕がプルプルしてる……」


「またまた、そんな事を言って。セシルの下着はセクシーでしょ? ご主人様がこだわってお作りになった一品らしいよ」


 弱音を吐くライオン獣人に、エルフのルーナがカマをかける。


「ああ、さすがはルディの旦那だ。大人が醸し出すエロスを……」


『あっ』と口を押さえるけれど、しっかりと聞きました。


「それじゃあ、ジェシカ、ルーナ、よろしくね。これで素材は大丈夫ね。足りなくなったらガルバが持ってきてくれるもの……ね!」


 ガルバは肩を落としながら水草を降ろし、空になった荷車を引いていく。ジェシカとルーナの後ろをトボトボと歩いている……と思っていたが、2人のお尻を見ているようだ。


「全く懲りませんね。ジェシカ、ルーナ、気をつけて。後ろから肉食動物が見てるからね……」


 その言葉に反応したジェシカに、平手打ちされるライオン獣人。


「ハァ、女って連携されると恐いな。ルディの旦那はいつもこんな感じなのか……?」


 頬にモミジ型の跡をつけて……トボトボと歩いて行くのだった。

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