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寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
オークションと新しい仲間

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1人舞台

「主様、バイキング『虐殺の悪魔』シーデビル二世のスキルなんですが……主様と同じ、定められたスキルです。名は……スキル『悪魔』です。効果は……」


 なるほど、戦闘前にアオイが忠告してくれたから驚かなかったけど……確かに強力なスキルだ。

 確か効果は……


 スキル『悪魔』……大アルカナの第15番「悪魔」は、物質的な執着と誘惑、そして束縛を象徴する。私たちの人間的な欲望と執着の本質を映し出すカ。正位置では強い意志と物質的成功の可能性を示す一方で、逆位置では束縛からの解放と自由への道を示しています。

 使用者を中心に絶対的な空間を作り出す。体力・魔力共に欲望のまま食らう空間で相手のスキルも封じる。


 …………だったな。かなり強力だけど、弱点もある。

 確かに俺の『縮地』や身体強化など、発動しない。スキルを封じられている。恐らくこのスキルで、奴隷の効果も打ち消せるのだろうな……


「グハハ、どうやって殺してやるか……イヤ、痛めつけて動けなくしてから目の前で……1人づつ犯していくか? お前の絶望する姿を、想像するとそれだけで……」


 ドコン……


「だから、お前は口ゲンカをしに来てるのか? 隙だらけだし……ひょっとしたら、お前はドMなのか? 俺に殴られて、喜んでるとか……うわ〜、ないわ〜」


「ひっ……う、うぐ〜。なんで……動ける。お、俺様の必殺技な〜……な、なんだぞ」


 再度、俺の拳を腹に深々と食らったシーデビル二世は、先ほどまでの威勢はどこへやら……両膝を突きながら、ボロボロと涙を流して震え始めた。

 スキル『悪魔』。その絶対空間は、中に入った者の体力・魔力を貪り食い……その上でスキルを封じる。確かに強力な、初見殺しスキルだ。


「必殺技ね〜、いくつかこれには弱点がある。エリアが決まってるから、遠距離攻撃に弱い。体力や魔力が減ってるのは分かるが、動けないほどじゃない。そして、お前より強い相手には……それほど効果が無い」


 俺は地面に這いつくばる大男を見下ろし、淡々と事実を告げた。


 遠距離攻撃は、市街地だから周囲への被害を考えると使えない。だが、スキルを封じられた程度で……俺の身体が動かなくなると、思ったら大間違いだ。

 俺がこれまでの人生で、どれだけの不条理と絶望を……スキル抜きの「魔力操作」と「素の強さ」だけで、乗り越えてきたと思っている。


 お前の言う『悪魔』は、弱者を縛る鎖にはなっても……本物の強者を、繋ぎ止めることはできない。


「バ、バカな……俺様の、俺様の『必殺パターン』が……クソガキの分際で、なんでこんな力が……」


 シーデビル二世は自分の全存在をかけて放った絶対の結界が、俺の「ただの基礎体力」と「根性」の前では……ただの薄ら寒い風程度の効果しか持たない現実に、精神が崩壊しかけていた。


「おい、ルディ……頼む、俺達が悪かった……」


 その時、大通りの物陰から、醜く命乞いをしながら這い出てきたのは……完全に腰を抜かした、ブリッツとエドガーだった。

 かつて俺を無能と罵り、冒険者パーティーを乗っ取り捨てた元仲間たちが……今や見上げる俺の影に怯え、涙と鼻水を流して地面に額を擦り付けている。


「俺たちは、このバイキングに脅されて、無理やり従わされていただけなんだ……」

「そうだ。エスナやミラを売ったのも、全部こいつの命令で……俺たちは被害者なんだよぅ!」


 醜く擦り付け合う二人の言葉を聞きながら、俺は心底呆れた。別に2人は、俺の家族じゃないし……

 こいつらは、いつまで経っても変わらない。ただ保身のために、平気で他人を裏切る。エスナやミラを売ったのが、脅されたから? 笑わせるな。


「てめーの女も守れないヤツの泣き言なんか、聞きたくねーぞ。それを『僕ちゃんは被害者』なんです……とか、カッコ悪過ぎる」


 さて……どうするかな? とか思っていたら騎士団が来て、バイキング派あえなく御用に……ブリッツ・エドガーも犯罪の可能性があるとかで、取り調べる為に連れて行かれた。


 バイキング『虐殺の悪魔』シーデビル二世の言いなりになっていた、エマール・エスナ・ミラは自由になったがその場を動けず……理解が、追いつかなかった。

 だけど……しばらくすると3人で抱き合いながら、ずっと泣いていたとか……


 ◆◆◆◆


 シーデビル二世の騒動から少し後……ある新月になる深夜の事。


「行くのですか? 確かにアレがあれば、主様のお役に立てる可能性がありますが……」


「うん、僕もやっぱり役に立ちたいしね……行ってくるよ。アオイ姉〜」


 金髪のポニーテールを揺らして、その肉付きの良い身体を揺らして宿屋から出て行く姿があった。

 翌日……獄中で1つの死体が出た。死因は不明だが、左腕が無くなっていた。誰かが侵入した形跡もなく見張りもいたため、病死として処理させたとか……


 死体となったのは、バイキング『虐殺の悪魔』シーデビル二世……残虐な行為を、繰り返した男。奪った命の数知れず、財産を奪った額も分からないくらいに罪を犯した男。ただ、隣の牢にいた男が不審な言葉を、聞いたと証言した……


「マスターの障害になる者を排除する」……と。



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