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寝取られ裏切られた最弱テイマー〜逆境を跳ね除け相棒のスライムと最強へ成り上がれ。許して?やり直して?絶対にイヤだね〜  作者: 月鈴
オークションと新しい仲間

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みんなで食事

 お風呂も終わり、今は『木漏れ日亭』のマスターの作った食事を囲んでいる。大分、男子同士・女子同士は打ち解けているみたい。数名の女の子達は、チラチラと俺の方を見ているけどね……


「ん? どうしたんだ? 嫌いなモノでもあったのか? それなら食べれる人が……」


「……違います。本当にご主人様が、奴隷と同じモノを食べてるんだなと思いまして……」


 今、発言したのは『元シーライン商会』の最年少であり俺と年も変わらないリネット・シーライン。そう、商会長の娘だった……勇者ランドルフに冤罪で、奴隷にされた上に親も処刑されている。それでもオークション会場の舞台では、客に対して自分達を買ってくれとお願いしていた娘だ。


「ああ、それか……これから家族になるのに、奴隷とか区別するわけないじゃん。みんなで同じモノを食べて、同じ事を目標にして、ずっと一緒に居るんだ。それって、家族だろ? リネットは、家族になるのはイヤか?」


 俺の発言にリネットは大きく目を見開くと、みるみる大きな瞳に涙を溜めて……泣き出してしまった。なんか俺が、イジメたみたいじゃん。


「う、うわぁぁぁぁん……」


 リネットは両手で顔を覆い、子供のように声を上げて泣き出してしまった。そうだよね、家族を失った少女に……会ったばかりの男が家族になろうっと、言ってもね……


 大皿を囲んで賑やかだった食堂が、一瞬でシーンと静まり返る。楽しい食事会のはずが……リネットばかりに気を取られていたが、周りの女の子達も一緒に泣いてる娘が多い。あれ? 俺はやらかしたかな?


「おいおいルディ、うちの食堂で女の子を泣かすんじゃねえよ」と、マスターは苦笑いしている。


「ち、違うって。俺はただ、これから家族になるんだから同じ飯を食うのが、当たり前だろって言っただけで……」


 焦って手を振る俺をよそに、リネットの隣に座っていた『元シーライン商会』のメンバーたちも、一緒に泣いてるし……村娘5人組もだ。

 執事のハンスの妻であり、メイドをしていたマーサがみんなを慰めて回っている。


「ホホホ、大丈夫ですよ。ご主様のお優しい言葉にみなさんの不安だった心が、安心して涙に変わったのですよ」


 マーサさんはそう言って、リネットの背中を優しくさすり……村娘たちにも、ハンカチを配って回っている。さすがは、侯爵家を裏で仕切っていた元メイド長だ。女の子たちの心のケアは、このマーサさんに全面的に任せておけば何も心配いらなそうだ。


「……ひぐっ、ご、ごめんなさい、ご主人様。嫌だなんて、そんなわけありません……」


 マーサさんに頭を撫でられながら、リネットが涙で濡れた顔を上げて……真っ直ぐに、俺を見つめた。


「私は、商会のみんなと一緒にいられるなら……どんな過酷な扱いをされても耐える覚悟でした……その……エッチな事も。それなのに、服も、お風呂も、旦那様と同じ温かいご飯まで……家族だって、言ってくれるなんて……。私、リネット・シーラインは、この命も、シーライン商会で培ったすべての知識も、身体も全部ご主人様に捧げます。ご主人様のためなら、世界中のどんな大商人とも、渡り合う覚悟でございます……」


 全力の、ひたむきな忠誠の誓い。

 その強い眼差しは、さっきまで泣いていた女の子とは思えないほど……商会長の娘としての、気高さを放っていた。


「ガハハ。いい根性だ、商会長の娘御。旦那のためなら、俺のこの大盾もいくらでも使い潰してやるぜ」


 獣人のガルバが豪快に笑って肉を頬張り、ドワーフのバルカンも


「ふん、これだけ美味い飯と、エールを出してくれる主人だ。ワシも最高の技をもって、武器を打ってやるからな。それを預けるに相応しい、商人になれよ……グハハ」


 バルカンは豪快に笑いながら、エールを煽る。


「旦那様。我ら一同、ルディ様と共に……」


 今度はハンスがスッと一歩前に出て、完璧な執事の所作で一礼した。


「ウフフッ、これほどの人材に、これほどの深い絆。これらが、主様の下に揃ったのです……フィオナさんの待つ、あの村に我らの『新たな拠点』を構えるのを提案致しますわ。そして『セレスティアル・ガーデン』が、ダンジョンで素材を採集するのです。それをバルカンや生産が得意な者が加工して……リネットを始め商会メンバーで『フォルトゥーナ商会』を経営して貰うのですわ」


 アオイはオークションの前から、こうなるのを見越していたのか……すげーな。


「ふん、ルディにそこまで言わせたんだから。しっかり働きなさいよね、みんな」


 アカネも嬉しそうに、フフンと胸を張る。


「……みんな、ありがとうな。よし、しんみりするのはここまでだ。今夜は街の外での野営になっちゃうけど、まずはこのマスターの美味い飯を全部平らげよう!」


「「「おおおおおっ!!」」」


 食堂中に、今度こそ弾けるような笑顔と歓声が響き渡った。これからの生活に、不安があったのだろう。それも、涙が洗い流してくれたかのように『ほんわか』とした空気が流れている。

 これだけの人の未来を、俺は背負うんだ。俺は覚悟を決めていると……


「主様、私達も一緒に背負うので無理はなさらないで下さいね」


「そうよ。ルディも少しは気持ちに、ゆとりを持ちなさいよね」


 そうだな。俺の側にはいつも、スライムのアオイとアカネがいる。この頼りになる、相棒達の頭を撫でる。


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