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メイドの紹介が終わった後は、今後のリサの行動について少し話して、ミイルの入れた紅茶をきちんと飲み干して優雅な仕草で宰相は去っていきました。少し拍子抜けでした絶対昨日のことをあれこれ、根掘り葉掘り聞いてくるもんだと思ってましたのに、これが全く、一切触れずに帰るとは。うーん、なんかちょっと物足りない気分です。ですが、リサ的にはとりあえず安堵の瞬間なんでしょうかねぇ。行動に関しても、お城から出ない限り、一応どこに行ってもいいということでしたしね。いや、そりゃもちろん、護衛はつけること、一人では出歩かないこと、立ち入り禁止の場所はダメとかはありましたけど、とりあえず行動の制限はないらしいです。自由らしいです。やったね!って感じでしょうかねぇ。
そんなこんなでリサの日常です。
朝、メイドに起こされれる。着替え、身支度、ご飯。すべて終了ののち時間を持て余す。
昼、ご飯。時間持て余す。
ティータイム、陛下参上。まぁまぁ楽しくおしゃべり。だが時間があまりない為、すぐに終了。時間もて余す。
夜、ご飯、お風呂、寝る支度。時間持て余す。
おおう!?いやいや、暇すぎでしょ!何この食べるだけの生活。そりゃまだ城に来て5日目ですが、何かしろよ!どっか行けよ!リサ!!
6日目の朝です。さすがにこんな生活ではミイルも心配になります。
「リサ様。せっかくですしどこか行かれてはいかがですか?」
「どっかってどこに?」
「そうですね、例えば、蔵書室とかいかがです?ここには、下町で売られている一般的な本から珍しい本までありとあらゆる本が置かれていますし、きっとリサ様のお暇を解消するものがあると思いますよ」
「・・・・あたし、本読むことできないんだよね」
そうなんです。リサは異世界召喚お約束の文字の読めない少女なのです。他の人が聞いたなら、おかしく思う内容ですが、ミイルはあらかじめ宰相からそのことを聞いているのです。それにその宰相からリサ宛てに文字の勉強用にごくごく簡単な絵本ももらっているのです。よって本なんか読むことができないというのはわかりきっていることなのですが、この数日間のリサとのやり取りで、彼女の聡明さを知ってしまっているミイルは文字が読めないことが頭から抜け落ちてしまったいたのです。
(そ、そうでした。リサ様、文字読むことができなかったんでしたわ。わたくしとしたことが・・。ど、どうしましょう。リサ様、ちょっと困った顔されているわ)
「あっ!で、でしたら中庭なんていかがでしょうか?庭師が丹精込めた花や木々が咲き誇っていまして、とてもお綺麗ですよ。それに少し歩いたところに東屋もありまして、息抜きにはピッタリの場所ですよ!」
いつも一生懸命自分の世話をしてくれているメイドにここまで言わせてしまうならとリサは「じゃあ、見てみたいわ」とにっこり笑って行くという意思表示をします。リサとて、ずっと室内にいては退屈なのです。お城というのにも憧れがあるので、好奇心旺盛にはしゃぎながら全部屋見学とかしたいのです。ですが、それをしない理由があります。
それは、宰相が自由に見てもいいと言ったその日、リサはさっそく部屋から出ようとしました。それも、所謂「ちょっと買いたいものがあるから、近くのコンビニいってくるね~」的ノリで、一人で勝手に出ようとしたのです。まぁ、現代日本人ですから、それくらいの軽さ普通です。ですが、ここではそれではいけなかったのです。リサが「じゃあ行ってくるね」といった時の皆の驚きと引き止め方。うん、面白かったです。ミイルはいつも物音一切立てずに朝食の片づけをするのですが、その時は、皿をガシャンとワゴンの上におき、慌ててリサを追いかけましたし、扉の前にいた護衛の騎士はいきなり開いた扉からメイド服ではない小柄な少女が1人で出てきたことにあっけにとられ、驚愕の表情で固まってしまいましたし、その後に出てきたいつもお淑やかなミイルの慌てように更に困惑と驚愕の表情を浮かべてしまったのいうなんとも珍光景が広がったのです。
余談ですが、リサは慌てて出てきたミイルによって、捕まり、そのままお部屋に連れ戻されるという事態になりました。
そんなことがあったので、リサは出るのにためらいがあるのです。
もうひとつ付け加えるなら、ただ単に廊下に出るだけなのに、部屋で着ていた服とは別の服に着替え、何人かのメイドと、何人かの騎士を連れてないとどこにも行けないという、めんどくさく、それでいて他人にものすごく迷惑のかける行為が一般思考のリサには看過できないのであります。
よって、ここ数日、お部屋にこもりっぱなしなのです。




