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支度が丁度出来たタイミングで部屋にノック音が響きます。一番扉近くにいたメイドさんが扉を開け、来訪者と言葉を交わします。そして部屋の主であるリサに尋ねます。
「リサ様。ケビン様をお通ししてよろしいでしょうか?」
・・・・・・ぁあ!という若干の間を空けリサが思い出します。そうです。ケビンって誰?状態だったのです。まぁ昨日色々ありましたし、忘れてもしかたないですね。腹黒宰相とかドン引き宰相とか言われたならすぐに思い出せたのかも知れないのですが。
まぁ、何はともあれ、支度できたあとの訪問です。断る理由がありません。「はい、お願いします」とメイドさんに告げます。
返事を聞き届けたあと、すぐに見目麗しい、中々着飾った宰相殿が入ってきます。ニコニコといやらしい笑みを浮かべて。
若干引き笑いになりながらリサは迎えます。お互い窓際にあるテーブルに腰かけるとメイドさんがテキパキとお茶を用意してくれます。そしてその準備が終わるとスーッと扉から退室しようとします。皆さんできたメイドですねー。しかし、そんな彼女らの一人をケビンが引き止めます。
「ミイル。君は少し残ってくれ」
「はい」と中々可愛らしい声で返事をして残った女性を見るとテキパキとした動きをしていたリーダー格とおぼしき方でした。スススと物音を立てず、上品な仕草で二人の座っているテーブルのそばにきます。そして彼女より先に宰相が声を発します。
「リサ様、彼女はミイルといいます。この城の優秀なメイドで信頼も置ける人物です。一応あなたの専属にと考えています。どうぞこき使ってやってください」
にこっと、これまたいやらしい笑みを浮かべて少し不穏な発言をします。
「改めまして、初めまして、リサ様。ミイル=ファインと申します。以後お見知りおきを」
メイド服のスカートの裾を持ち上げ、見とれるほど優雅にお辞儀をします。そして顔をあげた後、これまた見とれるほど美しい笑顔でこう言いました。
「一応一通りのことは学んでおりますゆえ、この胡散臭いろくでなしの男を抹殺したくなった際はいつでもお申し付けくださいませ。早急に遂行いたしますので」
・・・・・・・・なんなんでしょうか、この二人。仲・・悪いのか・・な・・・?仲が悪いというか、犬猿の仲というか、相容れない空気がそこかしこに流れている感じがします。恐いといってもいい気がします。お互い笑顔で、腹の探り合いをとても高次元でしている感があります。きっと似たもの同士なんでしょうね。なんか、リサの周りはホントろくなのがいませんね。可哀想に。ですが、宰相が信頼の置ける人物といった通り、いい方なんでしょうね。ある意味。大人しく、黙って仕事をする子よりは私的に好感度高いので、全然OKって感じなんですがね。リサはどうなんでしょうか。私と趣味嗜好が似ていればうれしいのですがねー。
って、おぉ!顔引き攣ってますね。初っ端から抹殺言われれば怖いか、そりゃ。リサにとっては見知らぬ世界ですしね。抹殺とかが普通に行われている世界だと勘違いしちゃってもおかしくないですし。冗談とも思えない口調でしたし。まぁ、私は第三者。フォローは出来ませんからね。しーらないっと。




