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って、何か喋らんかお前ら!!私はお前らのイチャイチャ、ラブラブが見たいのであって、決してこんな沈黙の見つめ合ってる2人になんて興味はないんだ!いやいや、マジで寝室で2人っきりでなんでこんな感じなんだよ。確かに空気は若干甘いような気が多少なりともするが、こんなんじゃなくてさぁ。もっと甘ったるい感じ期待したのに、おい!!
はぁー。マジ期待した分なんかショックだわ。もう仕方ないから気長に待ちますよ。ってかホントなんか喋れよなお前ら。私もう沈黙飽きたよ。退屈だよー。早くー早くー。
第三者の声が聞こえたわけではないが、お互いこの沈黙を持て余してる感はある。どちらとも少しそわそわしてくる。よって話だそうとする。そうすると必ずと言って起きる現象。そう2人同時に話出してしまったのだ。
「あの!」「なあ」
見事に声がかぶってしまいましたね。お互い一瞬止まります。その後は2人の優しい性格がでますね。
「あっ、あのお先にどうぞ」
「いや、お前からでいい」
「いえ、そんな大した話ではないですし」
「俺も同じだ。だからおまえからでいい」
「でも・・・。やっぱり身分とかありますし・・・」
「身分って、そんなのこの場に置いては関係ないだろう。それにそれならば俺はレディファーストだからとお前に先を譲るぞ」
「いや、それは・・」
「はぁ。意外とと強情なんだな」
陛下は若干呆れ混じりにいいます。そんな陛下の様子と言動にリサは自分が失態を犯したのではと心配になります。確かに譲らなくてはと思っていましたが、ここまで頑なに譲らなくてもよかったのではないかと思ってきてしまいます。可愛げが全くなかったと落ち込んでしまいました。そしてまた何とも言えない沈黙がこの場に広がります。
って、長い!!お前らさっさと先に進め!私いい加減キレるよ!全くもう!!なんで冒頭から進展してないんだよ!どゆこと!?仲良くなれよ!早く!!
勿論陛下達にはこの怒りは聞こえていません。ですが、まぁ進展は一応しますよ。
「泣いてたのか?」
今回は陛下がきちんと沈黙を破ってくれました。
おもむろにリサの頬にというか目尻のそばに指をもっていきます。そして、触れたと思ったらそのままなぞります。リサは瞬時に真っ赤になり動揺してしまいます。「えっ!?」ととても驚いた声を出してしまいます。
「いや、涙の跡があったから、泣いていたのかと思って。すまん。いきなりで驚かせたな」
動揺してしまったリサを見たせいか、少し慣れなれしかったなと反省します。
リサの方は陛下に謝ってもらってから、自分の態度が相手にとって失礼だったと反省します。あそこまで動揺しなくてよかったのにと思います。ですが、まぁ好きな人にいきなり顔を触れられれば動揺してしまうの気持ちはわからなくはないですが。
「いえ、あの、これは、えっと、その・・」
一生懸命弁解しようとします。ですが思った以上にうまく言葉が出てきません。しどろもどろになってしまいます。
「いや、別にいい。むしろ泣いて当然だと思っているからな。だが、大丈夫だ。あいつ、ケビンから何を言われたかは詳しくは知らないが、何もするつもりはないから。まぁこんな場所で言われても説得力ないがな」
ははっと苦笑い気味にリサの心配事を一掃する言葉をくれました。本当に誠実な人なんだろうなと思わせる言葉ですね。見た目だけでなく中身もイケメンなんですね。
「さぁ、もういろいろあって疲れただろう。俺はあっちの長椅子で寝るからお前ももう寝な。いろんな事情があってこの部屋から出ることも、出すことも出来ないが、ベッドには近づかないと誓うから。安心して眠ってほしい」
そう優しく告げてベッドから離れようとします。そんな陛下にリサは渾身の力を入れて引き止めます。
「えっ!ダ、ダメですよ!!何言ってるんですか。王様をそんな、長椅子なんかに寝かせるなんてことできませんよ。それだったら、私が長椅子で寝ますからベッド使ってください!」
この言葉に陛下は面食らってしまいます。
「い、いや、流石に女をあんな場所に寝かせて、俺が悠々とベッドで寝るなんてことはできないが・・」
「それなら、私だってそうですよ!王様を長椅子に寝かせて自分だけこんな広いベッドで一晩過ごすなんてことできません。第一、あの長椅子で王様がゆったり出来るとは思えませんし。足はみ出すんじゃないですか?私だったら足伸ばしても大丈夫だと思いますし、やっぱり王様がベッドで寝るべきです!!」
満足気です。得意気です。自分の言葉が正論だと思っている顔です。『どうだ!』と言わんばかりの顔です。そんなリサの顔を見て陛下は思わず「くっ」とふきだします。
「くっくくくく・・・。あはははは・・・!!」
リサは思わずきょとんとしてしまいます。今の今まで、真剣にどちらがベッドを使うか談義してた相手が急に笑い出したからです。そして笑った理由が検討も付かないから余計です。
「ははっ・・!悪い悪い。いやぁ、あまりにも得意気に、『どうだ!』みたいな顔をしているからおかしくて。それにさっきから俺のこと『王様』って呼ぶから、それもおかしくてな。ずっと笑いそうなのこらえててな。いやぁ、悪かった」
リサは真っ赤になりながら少し拗ねた顔をします。この真っ赤は今までのとは違う、恥ずかしい真っ赤です。羞恥心からのものです。そしてバカにされている感じがするので、拗ねてます。ですが、リサにとっては仕方ないことなのです、王様呼びはリサなりに考えた呼び方だったのです。
「だって、私あなたの名前知らないんですもん」
そうなんです。リサは目の前の、王様と呼んでいた人物の名前を知らなかったのです。だからこそどう呼んでいいかわからなく王様と呼んでしまったのです。
この言葉に今度は陛下がきょとんとしてしまいます。そして思い出したかのようにいいます。
「そういえば、お互い自己紹介すらしてなかったな。俺もお前の名前知らなかったよ。変だな、自己紹介すらせずこんな口論みたいなことしてたなんてな。それじゃあ改めて、名前をきいてもいいか?」
「あ、はい。莉沙です。皆口莉沙」
「ミナ・・グ・チ・・」
「いや、そうじゃなくて、えーっと、リサでいいです。みんなそう呼んでいるので」
「リサ・・か」
「はい!あ、えっと、私も聞いていいですか?お名前。」
「あぁ。俺の名はティル・J・クロスフォード・レイブティンという」




