表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第三ステージ

 私達が次に見たのは、青い部屋だった。


 トレッドミルが三台並んでいる。ご丁寧に、腹に付けるリードまで。


『拘束具を付け、全員一斉スタート。走り続けろ。脱落者一名』


 例の中性的な声が、簡単かつ残酷な命令を下す。


 ブレザーで走れっての? こんなのを?


「やるしかねえだろ」


 ポニーテールは壁を見回すと、一も二もなく乗った。


 壁一面に、妙なランプの付いた装置が貼り付けられている。


 起爆装置付きの高性能爆薬(ハイエクスプローシブ)


 まただ。何故私は、武器の知識があるのだろう。しかし、そんなことを考える余裕はなかった。


 私と、もう一人のセミロングも続く。


 緩やかに、トレッドミルのベルトが動き出した。


「なあ」


 まだ喋る余裕はある。


「何ですか」


「まだわからねえんだよ、あたしらが選ばれた理由。それにあたしら、そもそもどこの誰だよ」


 二人で無言になってしまう。


 わかりっこない。


「記憶操作……とか。はぁ、そういう薬とか、洗脳、はぁ、みたいな、はぁ、はぁ」


 もう一人のセミロングが、曖昧な可能性を考えた。


「こんな、完全に……はっ、記憶消せるもんなのかよ」


 性格もそうだが、ポニーテールは体力もあるようだ。


 一つ気付いたことがある。


 私達は、"あまりよろしくない知識"を溜め込んでいるようだ。


 トレッドミルが加速する。


 私の脳が、またも妙な知識を引き出す。


 "トレッドミルは、近代西洋で拷問具として開発されたものだ。"


 どうして……こんな。


 ◆◆◆


 考えていると、更にトレッドミルは加速する。


 もう一人のセミロングが、足を縺れさせる。


「きゃっ」


 悲鳴を上げ、転倒する。


 私とポニーテールの拘束が解けた。


「え……いや、嫌あああっ!! 置いてかないで!! お願いっ見捨てないでぇ!!」


 ポニーテールは、敢えて見ないようにしていた。


「行くぞ」


 壁が開く。


 ふらつく足を叱咤し、歩き出す。


「お願い!! 助けてぇ!! いやああ!!」


 嘆願が、汗だくの私達を必死に追いかける。


 やがてそれは呪詛に代わり、意味のない叫びに成り果てた。


 私達が、最後の部屋──どちらかが死ぬであろう部屋に着いた時、何重もの隔壁が、ゆっくりと音を立てて閉まっていった。


 たっぷり時間をかけ、隔壁は一つ一つ閉じていく。


 そして、隔壁が全て閉じた次の瞬間。


 振動と共に、遠くの轟音が聞こえた。


 ──これなら、一瞬で消し飛んだろうな。


 ぼんやりと、疲労した頭で思った。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ