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レズビアンな暴君令嬢は、清楚系王子様になりたい  作者: 八ッ坂千鶴
第一章

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第六話 身体を鍛えるとは精神を鍛えると同義でしてよ

「お父様。大丈夫ですか?」


「こ、これが、だ、大丈夫に……見えるか! まだ、痛い……んだぞ……!」


「どうかご無理なさらず」


 私はお父様を連れて席まで運びます。


 彼がこの後説教されること、きっと頭に入ってないですね。


 もはやこの家は、崩壊寸前ですから。


 なぜですって? 王族の第一王子を切ったからですよ。


 いわば、この私が関係を切りました。


 あんな王族なんて、王の名に恥じますよ。


 まともな王子を育てられないとは、教育係を一発殴りたいくらいです。


「お父様。私を追いかけてきた罰。まだでしたわね」


「罰……だと……」


「これでどうでしょう」


 私はお父様の腹部に拳を当てます。


 そして、一瞬だけ力を入れればゼロ距離パンチの完成です。


 完全にノックアウトしましたね。本当にお疲れ様です。


 ルイス兄様はそれを見てクスクス笑ってますよ。


 レイランは口を半開きにしています。


 こんな見事に成敗できるのなら、どんな人でもできるかもしれません。


 今の私には向かうところ敵なしですね。


「食事を続けましょう。次は説得のお時間です」


「了解」「わ、わかりました……!」


 そこからは無言でしたね。お父様も黙っています。


 これで私がレイランと付き合いたいと言えば、どう言い返すでしょうか。


 私は彼女と過ごせればどこでもいいのです。


「レイラン。その麻袋だが、何ができる」 


「ぼ、ボクの願いを叶えてくれるだけです。それ以上のことはできません」


「そうか。代々伝わる神の麻袋。気をつけろ」


「わかりました……!」


 そうして、食事は終わります。近くのナプキンで口でも拭きましょう。


 あら、レイランの口はトマトでしたか。赤い唇が大きいです。


 ナプキンで拭いて差し上げますよ。おっと動かないでくださいまし。


「アリアナさん。ボクは自分でできます」


 左様ですか。では、一旦引っこみましょう。


 この様子にルイス兄様も不思議がっています。


 女のイチャイチャのどこがおかしいのでしょうか。


 前世で上手くできなかった気持ちが溢れそうです。


「アリアナさんは、なんでボクを選んだんですか?」


「そうね。可愛いのと、ボクっ娘が好きだから。かしら」


「そうですか……。なんか、その気持ちわかる気がします……」


 きっと、レイランにも事情があるのでしょう。


 彼女は私に接近してきました。昨日の夜のことです。


 それだけで、ドキドキが止まりませんでしたよ。


 眠れたのが吉です。本当によかったですね。


 あとは、お姫様抱っこをした時でしょうか。


 彼女は体重が軽いようです。ざっと三十五キロほどでしょうか。


 ここには体重計もないので、検証不可能ですね。


「アリアナ。本当にレイランを愛したいというのか?」


「ええ。兄様ならわかるでしょう?」


「わからなくもないが……。彼女は幼すぎるのではないか?」


「そうかしら」


 私はレイランを見ます。言われてみれば、まだ成人していなさそうですね。


 齢十二と言った程度でしょうか。まだまだ小さいです。


 ではこういうのはどうでしょう。


 私がレイランを育てる。そして、彼女は私のお相手になってもらう。


 一石二鳥ですね。育てながら付き合うのです。


「アリアナさんが、ボクを育ててくれるんですか?」


「ええそうよ。そして、貴方は私だけを見ていればいいわ」


「わかりました!」


 きっとヘロヘロ状態のお父様も聞いていると思います。


 これだけ上手く回れば、説得も楽でしょう。


 おや、ようやくお父様が目を覚ましましたよ。


 話はわかっていると思いますので、しばらく様子見です。


「アリアナ……。その者を相手にするのなら、男のフリをすれば……いい」


 お父様から意外な言葉が飛び出しましたね。


 私が男役ですか。どこぞの劇団みたいなものですね。


 それならお安い御用です。そのために鍛えてきましたから。


 お父様はその後、医務室へ運ばれていきました。


 全治三か月でしょうか。誠に気持ちいい数字ありがとうございます。


 食堂を出ると、使用人が木製の剣を用意してくれてました。


 食後の運動は大事です。中庭に移動しましょう。


「中庭は緑色の絨毯ですね」


「ええそうよ」


「ここ、楽しいです」


「よかったわ」


 中庭に着くと、傭兵が鍛錬をしています。


 各貴族には傭兵が数名います。それは、当主を護るためです。


 私はいつも彼らと特訓していました。あの力もそれによるものですね。


 傭兵に混ざって剣を振ります。型も決まっていますので、それも含めて。


「アリアナさん。かっこいいです!」


「ありがとう」


「アリアナさん! 決まってます!」


「ありがとう」


 なんででしょう。私が技を披露するたびに、レイランが褒めてくれます。


 少し恥ずかしいのですが、油断は禁物ですよ。集中しましょう。


 次は、実戦での訓練ですね。ちなみに傭兵は全員男性です。


 そんな男性陣にも負けません。実を言うと、このメンバーで私が強いのです。


 小さい時から技を学んできましたので、当然だと思います。


「はじめ!」 


 教官の声で取っ組み合いが始まりました。


 剣を使った鍛錬です。まずは、相手の動きを観察しましょう。


 重心をしっかり固定して、上手くやり過ごします。


「せいッ!」


 私の一本が決まりました。お相手は尻もちをついています。


 男相手でも容赦はしません。それが鉄則ですから。


 しかし、これでも実力は隠しています。


 ですが、今朝よりは手応えがありましたね。


 ド素人と傭兵では雲泥の差です。


「アリアナ令嬢。また強くなったな」 


「ありがとうございます。教官」


「君はこれで終わりだ。また明日来い」


 ということで、今日の訓練は終わりました。


 すると、ここで厄介な知らせが舞い込んできましたよ。


 どうやら、お父様はまだ許可を出してないとのことです。


 これはかなり大変ですね。何もなければいいのですが……。


 そのような時は、街へ出かけましょう。


 昼食と夕食の買い出しもあるそうなので、タイミングもばっちりです。


 ですがこれはどういうことでしょうか……。街が大荒れのようですよ。

読んでいただきありがとうございます。


下の☆☆☆☆☆を好きな数お願いします。


ブクマもしてくれると嬉しいです。


次回は20時頃!!!!!

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