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レズビアンな暴君令嬢は、清楚系王子様になりたい  作者: 八ッ坂千鶴
第二章

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19/23

第十九話 同室もいいものですね

 大花火が終わり、私たちは屋敷に戻ってきました。


 今は私とレイラン。ルーラの三人でお父様の前にいます。


 自室にいるお父様は、非常に困惑した表情を浮かべていました。


 きっと、ルーラのことでしょう。無理はありません。


 加えて、アリスが今日の出来事を全て共有している可能性さえあります。


 ならば、真実を話さざると得ません。どうしましょうか。


「アリスからの報告。全て聞かせてもらった。今日は散々だったようだな」


「いいえ。ものすごくよかったわ。何もかもが爽快でしたもの」


「そういうことを言っているわけではない!」


 おやおや、かなりお怒りのご様子で。


 それだけ怒っているのなら、濁す必要はありませんのに。


 きっと言いづらいのでしょう。槍はきっとルーラに向けられます。


「……」


 それでも動じないのがルーラです。あとで花丸でもあげておきましょう。


 というよりも、今日は一緒に寝たいですね。


 レイランとは舞踏会から抜け出した夜しか一緒に寝ていませんし。


 まあ、お父様からのお許しは出ない可能性が高いです。


 そういう時は腹パンでもしておきましょう。


 むしろ今してもいいくらいです。


 ほとんどをルーラに取られてしまったので、イライラも少々。


 それを晴らす絶好のチャンス。ここを逃したら、壁をぶち壊します。


 おっと、修理費の無駄遣いですか。そうですね。


 もう少し頭を冷やした方が良さそうです。


「ルーラだったか。嘘をついていたと聞いている」


「お義父さん。ルーラちゃんは嘘をついてません。ボクは知っています」


「だが、普通に話せるというではないか。なぜそのようにしない」


「……」


 無言を貫きますか。ルーラも肝が据わっているようです。


 まだ八歳くらいなのに、やり手ですね。感激します。


 まあ、実年齢ではきっと私たちよりも上でしょうけどね。


 ルーラが私の眼を見ました。何かを訴えかけているようです。


「お父様。ルーラの言葉は世界を変えるほどの力を持っています。だから、普通に話せないのです」


「世界を変える……だと?」


 どうやら興味を持ってくれたみたいですね。


 あとは任せましたよ。ルーラ。そう彼女に訴えます。


「……。レオナント様。すみませんでした……。全てはアリアナさんの言う通りです」


「ふむ……」


「自分の言葉は世界を変えます。そうなると歴史も変わっていきます。それに干渉したくない。それが考えです」


「そうか……。わかった。さっきのは無しにしよう」


「ありがたきお言葉」


 ルーラって見た目年齢よりもしっかりとした言葉を使うのね。


 少し違和感がありますが、まあいいでしょう。


「今日から、ルーラをここの養子として受け入れることになった。面倒はアリアナとレイラン令嬢で見るといい。そして、三人には一部屋で生活してもらう。いいか?」


 三人一部屋ですって!? それはつまり、愛しのレイランと一緒に寝れるということではありませんか。


 こんな嬉しいこともあるのですね。なんだかお父様に感謝したくなりました。


 私たちはその後入浴を終わらせて、新しい部屋に移動します。


 そこには、大きなベッドが用意されてました。


 試しに、三人で寝てみます。サイズ感ばっちりですね。


 レイランもルーラもにっこにこですよ。きっと嬉しいのでしょう。


 このことに関する感謝は、してもしきれませんね。


 それぞれ眠くなるまで過ごすか聞くと、このまま寝るそうです。


 私もその波に乗っかりましょう。


「今日は楽しかったですね……」


 レイランが疲れ混じりに言います。


「はい」


「ええ」


 こんなにも疲れたのは久しぶりかもしれません。


 今日は長丁場でしたし。きっと二人も疲れているでしょう。


 電気を消して眠りにつきます。先にレイランが寝てしまいましたが……。


 では、小声でルーラと話でもしておきましょう。


「ルーラ。本当は話しづらいのではないかしら?」


「そう……ですね……。本当はもう少し砕いて話したいですけど、相手が相手なので……」


「身分なんて関係ないわよ。普通に話してくれればいいわ」


「わかりました。少しずつ口調を戻していこうと思います」


「それでいいわ」


 ルーラは今の話し方に慣れているようね。


 きっと神としての在り方を鵜呑みにしているのでしょう。


 だけど、堅苦しいのも嫌ね。レイランは別として、八歳児が違和感もってたら大変よ。


 彼女も気にしていたようだし。こちらも安心しておきましょう。


 とここで、私にも眠気が襲ってきました。


 ルーラは少し調べものをするそうなので、先に寝ます。


 数秒で眠りにつくと、とある夢を見ました。


 どこか知らない場所。周囲には高層ビルが建っています。


「――早く逃げろ!」


「できません。脚が、動かないんです……!」


 これは私でしょうか。瓦礫で脚が押しつぶされています。


 上司はすごくかっこいい男性でした。


 しかし、自分から助けにいかない怠け者。


 私はそんな上司が嫌いでした。


 その時、女性救命士が現れて心を奪われてしまったのです。


 私は〝女〟が好きと、完全に示された瞬間です。


 しかし、女一人では重い瓦礫を動かせません。


 ――ゴゴゴゴゴゴゴ……。


 上空を見ると、落ちかけている瓦礫が崩れました。


 それは私と女性救命士を押しつぶして、私は死んだようです。


 夢はそこまでで、目が覚めると朝になってました。


 なんだか怖い夢でしたね。自分が死ぬところなど見たくありません。


 ともあれ、新しい朝です。これからは、私とレイラン、ルーラの三人で暮らします。


 兄様たちはですって? もちろん一緒ですよ。当たり前です。

読んでいただきありがとうございます。


ぜひ一話から読んでみてください!!!!!

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