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#7

(……何か様子が変だな)


 遠目で見て感じていた違和感の正体は近づくにつれて明らかになった。


(襲撃されたのか!?)


「お父さん、お母さんッ!」


 俺より早く異常に気づいたリタが走り出す。少し遅れて村を覆う柵のあちこちに大きな穴が空いているのが見えた。


(大きさから見て魔物か!)


 リタを追って村に入ると、あちこちに怪我をした人が!


「お父さん!」


 リタの悲鳴だ!   


「ロイド、お父さんが!」


 リタの元に駆けつけると、彼女のお父さんらしき人が寝かされている。


「これを!」


 俺が迷わず渡した中級ポーションを受け取るとリタは礼を言ってお父さんに飲ませた。


「お父さん、飲んで!」

「リタ……これは?」


 リタのお父さんは事情が分からないようだったが、素直にポーションを飲んだ。すると……


「……っ!」


 リタのお父さんは突然起き上がった!


「痛みがない! 体も動く!」

「お父さん、まだ動かないで!」


 今にも立ち上がりそうなお父さんをリタが必死に止める。ポーションは魔力が込められてるから薬草よりもかなり早く効果が出るが、一瞬で全快する訳じゃない。最低でも一晩は様子をみないと。


「そうはいかない! 傷が治ったなら助けにいかな……っ!」


 外に飛び出そうとしたリタのお父さんは急に崩れ落ちる。そりゃそうだ。ついさっきまで重症だったんだからな。


(あれ……でもさっき“助けに”って言ってたな)


 魔物はもう村にはいないみたいだけど……?


「何で無理して動こうとするの!? 死んじゃうよ!」


「す、すまん。だが……」


 泣き出しそうなリタをなだめながらお父さんは事情を説明してくれた。


(魔物に連れ去れた人がいるのか!)


 どうも魔物達は村を襲撃した後、村人を数人連れ帰ったらしいのだが……


(相手はレッドアントだ!)


 脳裏に相手の姿や行動パターンや強さなどが浮かんでいく。また原作知識が降りてきたらしい。


(レッドアントは獲物を生きたまま巣に持ち帰り、幼虫の餌にする習性がある……)


 だが、幼虫はまだ孵っていない……そんな気がする。そして……


(リミットは明日の朝か)


 根拠はない。が、何故か確信出来る。“サブクエスト”という言葉が脳裏を過ぎるが、何のことだ?


「こうしている間にも仲間が……早く行かなくては!」


「駄目だよ、お父さん! 死んじゃうよ!」


 リタの言う通りだ。連れ去られた獣人達を助けるためには……


「俺が行きます。だから、休んでいて下さい」


「何!?」



 それから俺はリタのお父さんを説得し、何とか信用してもらって村を出た。


(こっちに行けば巣に着くんだよな)


 原作知識のおかげで大まかな場所は分かっている。そして、巣についたら攫われた村人を探す訳だが、奴らとの戦闘は避けられない。だが……


(普通に戦えばレベル1の俺では勝てるはずもないな)


 原作知識によればレッドアントの推奨討伐レベルは25。ハッキリ言ってパラメーターは天と地ほどの差がある。普通なら勝てるはずもないのだが……


「ギギッ!」


 見つかった!


(斥候……いや、見張りか?)


 レッドアントは集団で行動する魔物。こいつは巣に近づく敵を見つけて仲間に知らせる役割を持っているのだろう。


(速攻で倒す!)


 俺はマジックバックから小瓶を取り出して投げつけた!


 パリン! シュワシュワッ……


 レッドアントが泡で包まれていく。すると……


「ギィィィ!」


 小瓶に入っていたのは発泡薬という薬品。本来は家や城壁を洗うためのアイテムだが、実はレッドアントに使うと一撃で倒すことが出来るのだ。


(レベル上げをしていなかった時の“キュウサイソチ”らしいが……”キュウサイソチ“って何だ?)


 まあ、とにかくこれでコイツは倒せ──


「ギギギ!」「ギギギ!」


 くっ、新手か! 


 ビュッ! パリン! シュワシュワ……


 右手のレッドアントに発泡薬が当たるが、左側にいた奴は直撃してない!


(くそっ、間に合えッ!)


 だが、分かっていた。ヤツの攻撃の方が速いと。


(くらった!)


 ヤツの顎が俺に迫り──


この小説を読んで


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どうかよろしくお願いします!



いつも読んで頂きありがとうございます!


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