#5
ビュッ! ピクッ!
リタが竿を振るとすぐにアタリが!
「今だ!」「うん!」
ボタッ!
あっという間にゴールデントラウトが釣れた。いくら釣れるポイントが分かっていてもこんなに簡単に釣れるなんて……
(竿を振ったら即ヒットって、あり得ないだろ!)
ゴールデントラウトは警戒心が強いから餌にも簡単には食いつかない。それに食いついたとしても引き上げる時にはタイミングを合わせないとあっさり逃げられてしまう。俺も今まで何匹のゴールデントラウトに逃げられたか……
(いや、ビギナーズラックって言う言葉もあるしな)
まあ、数日前から始めただけの俺がそんなことを言うのも変だが……って、またヒット!?
ボタッ
またもやリタがゴールデントラウトが釣りあげた!
「凄い! この竿よく釣れるね!」
その後もリタが竿を振ると次々にヒットする。これはもうビギナーズラックとかそう言う話はざゃないぞ!
ボタッ、ボタッ、ボタッ……
僕の目の前にはリタが釣り上げた次々とゴールデントラウトが積み上がっていく。
(う、嘘だろ……)
獣人特有の野生の嗅覚の無せる技か? いや、今はそれよりも……
(急いでアルに変換しないと!)
ゴールデントラウトは釣り上げるとすぐに鮮度が落ちる。すぐに適切な処理をするか、アルに変換しないと価値が無くなってしまうのだ。
ビュッ! ビュッ! ビュッ!
ボタッ、ボタッ、ボタッ……
僕は夢中……いや、必死でゴールデントラウトをアルに変換し続けた。
※
(ふぅぅ……びっくりした)
川から離れ、鉱山へ向かった俺は未だにさっき見たあり得ない光景のショックから立ち直ることができていなかった。
(何だよ、あの爆釣ぶりは……)
確かにポイントさえ正確ならゴールデントラウトは釣り針にかかる。が、あんなスピードでヒットしてさらには釣り上げなんてあり得ない。
(引き上げるにはタイミングが重要だし、ゴールデントラウトが餌に食いつくまでの時間は運次第なんだけど……)
しかも、どんどん上手くなってスピードが上がっていくから回収しきれなかったゴールデントラウトまでいたからな……
(アルはどれくらい貯まったかな)
僕がステータスを開いてみると……
◆◆◆
ロイド
LV1
力 8
防御 7
魔力 6
精神 5
素早さ 7
スキル
〈等価交換(LV1)〉 (150000アル)
装備
服
◆◆◆
は……?
(一、十、百、千……)
ま、間違いない。十万アル以上ある!
(途中から数なんて数えている暇なんてなかったけど、まさかこんなことになってるなんて……)
「どうしたの? 早く行こうよ!」
「ごめん、今行く!」
いつの間にか先に行っていたリタにそう返事をした俺は少し歩調を早くした。
(まあ、次はこんなことはないな。鉱石掘りは運だからな)
そんなことを考えながら歩くと俺達は目的地へとたどり着いた。
「ここが鉱山?」
「ああ。ごめんね、真っ直ぐ癒し草を取りに行けなくて」
原作知識によれば、魔物が出ない時間帯や場所は諸々の条件で変わるらしい。昨日と違い、今日は鉱山を先に回らなければならなかったのだ。
「ううん。むしろ感謝してる。ロイドのおかげで魔物に会わずに済んでるんだし。で、ここでは何をするの?」
「癒し草がある場所から魔物がいなくなるまで鉱石を掘って時間を潰そうと思って」
僕はツルハシを〈等価交換〉で出し、採取ポイントに向かって振り下ろした。
ガツン! ポロ……
(おっ……豪炎石だ。ラッキー!)
豪炎石は★★★のレアアイテム。それが三つも出るなんて俺の運も捨てたもんじゃないな!
「わあ! 面白そう! 私もやってみてもいい?」
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