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#4

 それから数日、俺は毎日採取を続けながら必要な物を少しずつ揃えていった。


(ちょっとずつだが、まともな暮らしにちかづいてるな)


 薬草を摘んだ後、そんなことを考えながらテントに戻ろうと歩いていると……


(ん?)


 茂みの中から尻尾のようなものが見える。あれは……


(獣人族の尻尾か?)


 またもや原作知識。何故茂みに? いや……


(助けないと!)


 茂みに入ると、そこには犬耳が頭についた女の子が倒れていた。しかも……


(怪我してる! )


 パッと見ただけで重症だと分かる。早く手当てをしないと!


(この傷、低級ポーションじゃ駄目だ!)


 僕は迷わず〈等価交換〉で中級ポーションを出した。


「これを飲んで!」

「……っ!」


 薄めを開けた少女は僕を見ると、ビクッと体を震わせた。実は人間と獣人は仲があまり良くない。けど今は……


「毒は入ってない。ほら!」


 僕はポーションを少し飲んだ後、傷口にポーションをかけた。こうすると傷は塞がるが、失った血液は戻らない。


(頼む、信じてくれ!)


 二本目の中級ポーションを出すにはアルが足りない。何とか飲んでくれ!


「さあ、飲んで」

「………」


 俺の必死さが通じたのか、少女はポーションを飲んでくれた。すると……


「っ!」


 中級ポーションはすぐに効果を発揮し、少女はゆっくりと起き上がった。


「傷は塞がったみたいだけど、無理しちゃ駄目だ。とりあえず安全な場所に行こう」


 僕がそう言うと少女はコクリと頷いた。



「助けてくれてありがとう。なんてお礼を言ったらいいのか……」


 次の日、すっかり元気になった少女は土下座するような勢いで頭を下げた。


「いや、気にしないで。元気になったのなら良かった」


 そう言いながら僕は若干焦っていた。


(何を言っても中々頭を上げてくれない……)


 いや、それよりも……


(めちゃくちゃ可愛い……)


 昨日は治療に必死で顔を見ている余裕なんてなかったが、助けた少女はめちゃくちゃ可愛いかった。いや、マジで。


(シンシア並みに可愛い女の子なんて見たことないぞ……)


 そういやシンシアはどうしてるかな……


「それよりどうしてこんな危険な森に? 」


 ふと頭に浮かんだ考えをかき消すようにそう尋ねると、少女はハッと口元に手をやった。


「いけない! 私、薬草を持って帰らなきゃいけないのに!」


「薬草?」


 俺がそう聞き返すと、少女は事情を説明してくれた。


(村の人が病気に……)


 俺が助けた少女──名前をリタというらしい──は病気を治せる薬草を探しにこの伏魔の森にやってきたらしい。しかし……


(魔物に出くわしてしまったという訳か)


 何とか逃げ切ったものの、傷を負って倒れてしまって……ということらしい。


「お礼は必ずします。でも、私急いでいて……」


 うーん、どうしよう。このままほっとくのもな……


(まあ、乗りかかった舟だしな)


 リタの探している薬草、癒し草はこの森ではややレアだが見つからないことはない。というか、昨日何本か見つけてアルに変換した覚えがある。けど、この伏魔の森をリタ一人で探し回るのは無理だろう。だったら…


「リタ、ちょっと相談があるんだけど……」



「全然魔物に会わない。ロイドって凄いね」


 一緒に採取にいくことになった俺とリタは例によって魔物とエンカウントしない時間帯に川へとやって来た。


「付き合わせて悪いけど、癒し草が採りに行ける時間帯はまだ先だから……」


「分かってる。気にしないで」


 俺はゴールデントラウトが取れるポイントに着くと釣り竿を取り出した。


「私も手伝うよ」

「えっ……悪いよ」


 ゴールデントラウトは美味しいし、売ればそれなりの値がつくけど、病気を治す力はない。つまり、リタの役には立たないんだけど……


「少しでも恩返しがしたいの。怪我を治してもらった上にこうして癒し草を採る手助けまでしてくれるんだもん」


 そう言って真っ直ぐ俺を見る瞳には一片の曇りもない。本当に心の底からそう思っているんだ。


「そっか……なら頼もうかな」


 中級ポーションでほぼゼロになってしまったアルが少しでも稼げれば僕も助かるし、みたいな軽い気持ちで頼んだのだが……


 次話も鋭意執筆中! もしよろしければブクマやポイントをポチッとして頂ければ執筆力が爆上がりします! まだの方は是非お試し下さいm(_ _)m

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