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#47

“むっ……何か考え事をしておるな!”


 うわっ、バレた!


”今日は妾は疲れたのじゃ! 一生懸命労って欲しいのじゃ!“


(わ、分かってるよ……)


 俺はついさっき見張りをシルヴィさんと代わり、テントに戻ってる。そこでオーレリアに頼まれてマッサージをしているんだが……


“ソコじゃソコ! あっあっあっ!”


 次に俺は言われた通りに背中を指で押す。すると……


“イイッ! イイッッ!”


 そ、そんなに俺のマッサージが効くのか?


(普段何にも触れられないからって言ってたけど……)


 人の温もりと無縁の生活をしているという点を考えればおかしなことじゃないのかも知れない。でも、何ていうか……


(これじゃ考え事をして気をそらすしかないじゃないか)


 俺だって指から伝わる感触に何も感じない訳じゃない。しかも今、オーレリアは下着同然の格好。つまり、触感と視覚……いや、その他諸々に受ける刺激を理性で押さえつけなければならない。


”イクッ! あっあっあっ、ああっ!“    


 オーレリアが赤らめた顔で荒い息を吐きながら横倒しになる。こ、これで終わりだよな……


“良かったのじゃ……”


 誤解を招くような発言はやめてもらいたい。ていうか、本当にリタやシンシアには聞こえてないんだろうな!?


「ロイドさん、どうかしましたか?」


 わわっ、シルヴィさん!?


「入りますよ」


 シルヴィさんはテントに入ってくると何故か納得するように頷いた。


「なるほど……そう言うことでしたか」


 えっ……どう言うこと?


「就寝前に柔軟体操をされていたんですね」


 言われてみれば、今の俺はそんな姿勢に見えなくもない……か?


「お手伝いしますね」

「あ、いやっ……」


 俺が何かを言う前にシルヴィさんは手を伸ばすので俺は仕方なく柔軟体操をする。まあ、これで誤魔化せるなら丁度良いか……


「ふふっ」


 えっ……シルヴィさんが笑った? もしかして俺が考えてることがバレてるの?


「ごめんなさい。つい昔のことを思い出してしまって」


「昔のこと……ですか?」


 俺が何を考えてるかがバレた訳じゃないんだな。良かった。それにしても昔のことって……


「私には弟がいたんです。訓練の後はこうやってよく柔軟体操を手伝ってました」


 ”いた“ってことは……


「生きていれば丁度貴方くらいの年になっていたはずです。思い出したのはそのせいでしょうか」


「……」


 弟さんのことを話すシルヴィさんはいつもとは違う柔らかな口調だ。仲が良かったんだろうな。


「こんなところでしょうか。十分ほぐれましたか?」


「ありがとうございます」


 シルヴィさんのおかげでゆっくり休めそうだ。


「じゃあ、私は見張りに戻りますね」

「よろしくお願いします」


 シルヴィさんの弟さんについては原作知識にもない。けど、きっとシルヴィさんに似て真面目な人だったんだろうな……



 次の日、俺達は採取を再開したが、やはり効率は悪い。皆で手分けをして採取した方が絶対に良いんだが……


(やはりいるな)


 昨日から例の犬型の魔物が俺達の様子を伺っているのだ。


(俺達がバラバラになったら昨日みたいに取り囲むつもりだな)


 いっそ奴らを倒してしまいたいのだが……


(けど、距離があるからこちらから手を出しても逃げられるな)


 厄介な相手だが、こう言う狡猾な動きは魔物らしくない。まるで誰かに命令されているような……


「厄介ですね。何か良い手があると良いのですが」


 オーレリアから聞いた採取ポイントを探しながらシンシアがそう呟く。


「いっそわざとバラバラになっておびき寄せてみる?」


 リタがそう言うと、俺は慌てて首を振った。


「駄目だ、危険すぎる!」


 恐らく一対一なら何とかなる奴らだと思うが、相手は十頭以上いる。とてもじゃないけど、一頭ずつ相手をするなんて出来そうにない。


「かと言って魔物達があのまま見ているだけとも限りません。出来れば先手を打ちたいところですね」


 シルヴィさんの言葉に俺達は頷いた。昨日は一歩引いていた印象だったが、今日はちょっと違うな。昨日のことがきっかけだろうか。


「私、いいアイディアを思いつきました!」

 次話も鋭意執筆中! もしよろしければブクマやポイントをポチッとして頂ければ執筆力が爆上がりします! まだの方は是非お試し下さいm(_ _)m

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