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35/51

#35

 周りの採取ポイントで実験がてら様々な素材を採って来た俺達は蒼風の爪と野宿をしている場所まで戻ってきた。


(やっぱりリタの方が俺やシンシアよりもレア度が高い素材を採れるみたいだ)


 俺やシンシアが★〜★★の素材ばかりなのに対してリタは★★★〜★★★★の素材と違いがある。伏魔の森でソウザ族の獣人達に採取を手伝ってもらった時もリタと同じようにレア度の高い素材を採ってくれていたから多分種族によって違うんだろう。


(ん? “シュゾクホセイ”だって?)


 原作知識が下りてきた。どうもソウザ族は採取の際、”シュゾクホセイ“がかかるらしい。言葉の意味は分からないが、とにかくリタ達は採取が得意ってことだ。


(獣人の方が採取が得意なんて聞いたことがなかったけど……)


 だが、今までこんなことを考えた奴はいなかっただろう。基本的に獣人と俺達は別々に暮らしているからな。


「いい匂いですね、兄様!」

「ああ」


 今、リタが採れた素材と俺が〈等価交換〉で出した調味料を使って朝食を作ってくれているのだ。


「これはウマミダケの香りか?」

「アカウオの匂いもする!」


 見張りをしてくれていた蒼風の爪のメンバーだけでなく、寝ていた▲まで起きてくる。確かにいい匂いだよな。


「良かったら一緒にどうぞ」


 リタが出来上がったばかりのシチューを持って来るとたちまち蒼風の爪が群がるように集まった!


「う、美味いッ!」

「久しぶりに食べたよ、この味!」


 リタが料理上手というだけでなく、蒼風の爪は懐かしい味に癒されているようだ。多分ウマミダケもアカウオもこの辺りではよく食べられていたんだろう。


「まだまだありますからどうぞ」

「うお〜! ありがとうございます!」


 土下座せんばかりの勢いでお礼を言いながら次々と器を空にしていく様子を見ながら周りを警戒していた俺はふとあることに気づいた。


(……見られてる)


 いつの間にか茂みの中からこちらを伺う視線を感じる。だが何処からかは分からない。気配の消し方が無茶苦茶上手い。


“ふむ、妾の出番かの”


 オーレリア! 


(相手の位置が分かるのか?)


”透視は出来んが、相手から見つかる心配がないからの”


 なるほど。怪しい茂みに入って調べたり……みたいなことも出来るってことか。


”あっちの方へ少し移動して見て欲しいのじゃ“


(分かった)


 オーレリアに言われた方へと移動すると……


”おったぞ、あそこじゃ! しかも──“


 オーレリアが隠れていた奴のことを話そうとした瞬間……


「ロイド〜 何処行ったの? 無くなっちゃうよ〜」


「兄様〜 食べさせて差し上げますから照れないで出てきて下さい〜」


 リタとシンシアの声だ!


 バッ!


 その瞬間、茂みの中から何かが飛び出した!


「っ!」


 速い! しかもリタ達の方へ向かってる!


(マズイ、二人が狙いか!)


 気配の消し方といい、この速さといい、ただ者じゃない。二人が危ない!


「リタ、シンシア! 気をつけろ!」


 走りながらそう叫ぶが、奴の方が速くリタ達の元にたどり着いた。


(鬼人!?)


 後ろ姿でも分かるあの特徴的な仮面……しまった! 


「鬼人!?」

「あなたは──」


 鬼人が二人に向き合い、両腕を高く掲げる。何かの攻撃動作か!? ヤバい、二人がやられ──


 ゴン!


 突然鬼人が両腕と頭を勢いよく地面につける! こんな攻撃見たことがない!


「二人とも伏せろッ!」 


 未知の攻撃……とにかく体を小さくて被弾を避けないと!!!


(──ってあれ?)


 一秒、二秒、三秒……いくら待っても何も起きない。そして鬼人は頭と両腕を地面につけたまま微動だにしない。


(……えっと)


 リタとシンシアの元に着いた俺は混乱したまま

鬼人に視線を送る。鬼人は微動だにしない。まさか攻撃をしかけようとした瞬間死んだとか……


(いや、これ……土下座っぽくも見えるか?)


 姿勢は完璧な土下座なのにどうして疑問符がつくのか、それは鬼人から漂う圧倒的な戦闘力のせいだ。


(土下座な訳がない! 俺は何を考えてるんだ!)


 その全身からあふれ出す強者としてのプレッシャーが、尽きることのない闘争心はどんな姿勢であっても変わらない。油断は決して出来ない!


 ぎゅルルル!!!


 鬼人の腹から音がした。これは腹の音? え、どう言うこと? まさか腹が減ってるのか?


 いつも読んで頂きありがとうございます!

次話も頑張って書くのでよろしくお願いします!

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