#34
そんなこんなで窮地を逃れた俺はリタとシンシアを連れて採取に向かうことになった。
(街の周りは資源を取り尽くしたって言ってたけど、実際に見て確かめてみたいな)
まあ、取り尽くしたと言っても薬草なんかは次の採取のために少し残しておくと聞いたことがある。だから、まるっきり何もないなんてことはないだろうと思ったのだが……
「……何もないね」
もはや採取のプロとかしたリタがあちこちを調べたが、何も見つからない。どうやら今後のことも考えずに全て取り尽くしてしまったみたいだ。
(これじゃあ、次に採取出来るまで相当の時間がかかるぞ……)
それだけ切羽詰まっているということなのかも知れない。しかし……
「川も見てみるか」
「うん」「分かりました、兄様」
俺がその場を立ち去ろうとしたその時……
(ん?)
何もない場所にキラリと光って見えるのは……採取ポイントか?
(パッと見は雑草しかないけど……)
だが、雑草と重なるように採取ポイントの光が見える。もしかしたら……
「リタ、あそこを調べてみてくれないか?」
「ここ?」
リタが首を傾げながら俺が指差した場所にかがみ込む。他の採取ポイントと同じように彼女には何も見えていないようだ。
「兄様、どうされたのですか?」
シンシアも不思議そうな顔をする。やはり、リタと同じように何も見えないみたいだ。
さわさわ……さわさわさわさわ……
リタが雑草をかき分けて調べると……
「……あれっ、草の中からこんなものが」
リタが見つけたのは”キコの実“という小さな木の実。レア度は★★★で普段の彼女ならハズレと言っても良いような素材だが……
(何もないような場所でも採取ポイントでは素材が採れるのか?)
しばらくは実りが得られそうにないこの森でも素材がゲット出来る……これは大きいな。
(もしかしたら採取ポイントは実際にそこに存在しているもの以外の素材が採れるのかもな)
採取ポイントで採取すると何処からかやってきたものが手に入る、そんなイメージだろうか。一体何処からやってくるのか、何故そんなことが起こるのかは全く分からないが……
(そう言えば伏魔の森での採取ポイントは毎日大体同じ位置だったな……)
毎日同じ場所で同じような素材が採れるなんて、普通はあるはずがない。だが、毎日何処からか同じような素材が流れ着いているのなら……
(いや、今考えても分からないな)
周りを見ると少ないが、他にも採取ポイントがある。
「リタ、あそこも頼む」
「分かった!」
とりあえず周りにある採取ポイントをリタに調べて貰うと……
(採れるものが伏魔の森とは違うな)
採れるものだけじゃなく、レア度も伏魔の森の方が高い。これは場所の影響なのか?
「兄様、どうして素材が採れる場所が分かるのですか?」
「えっ、そうだな……」
シンシアに不思議そうに聞かれて俺は一瞬戸惑った。リタ達は俺が採取ポイントが見えることについて特に疑問を持っていなかったから忘れてたが……良く考えたらおかしいよな。
「ロイドは色んなことを知ってるの。多分、神様からのお告げなんじゃないかな?」
「神様からのお告げ……流石兄様ですね!」
納得してくれて助かった……ナイスだ、リタ!
(それにあながち間違ってないかもな)
そう言えば、俺に閃く原作知識は誰かの記憶のような感じがする。俺の中にいる誰かが俺の考えたことに触発されて思い出すような感じだ。まあ、それが神様かどうかは分からないが……
「えっと、とにかく何が採れるか調べてみようか。シンシアも手伝ってくれるか?」
「勿論です、兄様!」
よし、この際採取ポイントについて色々調べてみるか!
※
その後、近くの川なども回って採取ポイントを探した結果、色々な素材が手に入った。
(一見何もなさそうな場所で素材が手に入るのは何処でも同じだな)
だが、川で手に入る素材と森で手に入る素材は違う。これは伏魔の森でも同じだ。
(採取ポイントで採れる素材が何処からやって来ているのかは分からないが、そこで採れる素材と無関係って訳じゃないな)
まあ、それは今までも何となく感じていた。その場所で採れる素材が見つかりやすい場所、そんなイメージだろうか。
(だとすると、ここと伏魔の森で採れる素材の種類やレア度が違うのも納得出来るな)
採取ポイントで採れる素材がその場所の影響を受けるのなら伏魔の森の採取ポイントとここの採取ポイントで採れるものが違うのも当たり前だ。
いつも読んで頂きありがとうございます!
次話も頑張って書くのでよろしくお願いします!




