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22/51

#22

 それから時間はまたたく間に経ち、ようやく育てていた薬草達が収穫出来た。


「やったの、ロイド」

「まだまだこれからだけどな」


 収穫した薬草でステータスを増減させる薬を作る。これは鬼人対策の第一歩だ。


(次はこれを使ってレベリングだ!)


 俺がリタとオーレリアの話を聞いて思いついたのがこれだ。鬼人との戦いでは作った薬でステータスをアップするつもりだが、それまでにレベルを上げておけばさらに効果は上がるはずだ。


(問題は伏魔の森の魔物を倒せるかどうかだけど……)


 とりあえず、今のステータスを確認しておくか。


◆◆◆


ロイド

LV30

力   66

防御  63

魔力  64

精神  62

素早さ 65


スキル

〈等価交換(LV2)〉 (3100000アル)

〈調合(LV2)〉

〈アイテムボックス〉


装備

 服+5


◆◆◆


 ブラッディローカストを倒したから少しレベルが上がってるが、大きくは変わってない。ここからどこまでパワーアップ出来るかだが……  


(真っ向勝負じゃ伏魔の森の魔物には敵わないな)


 伏魔の森の魔物の推奨討伐レベルは50以上の奴ばかり。LV30じゃどう足掻いても手も足も出ないだろう。


(村の外でブラッディローカストをおびき寄せてみるか? でも、他の魔物が来ちゃうかも知れないしな……)


 かと言って村の中でやるなんて問題外だ。ブラッディローカストは何でも食べる悪食さで有名な魔物。育てているメイズの芽だけじゃなく、下手をすれば獣人達にも被害が出かねない。


「ふむ。いよいよ妾の出番じゃな!」


 オーレリアがそう言うと突然胸を張る。豊かな胸が余計強調されて──


(ッ!)


 危険な殺気を感じた俺はすかさず煩悩を消しさる。それと同時に殺気がウソみたいに消えたことに安堵しつつ、俺はオーレリアに尋ねた。


「出番ってどういうことだ?」


「ふむ! 言葉通り妾がロイドの力になる番じゃということじゃ!」


 再び胸を張るオーレリアから視線を外しながら俺は秘かに首を傾げた。


(いつも助けられてはいるけど……レベリングでオーレリアに助けてもらうのは難しいんじゃないかな……)


 オーレリアには実体がない。それはつまり魔物に攻撃することが出来ないということだ。でも、レベルを上げるには魔物を倒さなくてはいけないから……


「とりあえず実験するのじゃ」


 そう言うとオーレリアはいきなり俺に抱きついた!


「!?」


 いつの間にか胸元や背中、その他もろもろが露出した服になってるから全身に感触が……


(……って!)


 さらにオーレリアは俺の手を胸元に触れさせ、ゆっくりと下へと下ろしていく。


「ちょっ……離れて!」


 リタがオーレリアを引き剥がそうと掴みかかる。が……


 スカッ……


 何とリタの手はオーレリアは勿論、俺にも触れられず、宙を切った。


「えっ……何で!?」

「ふふん! 凄いじゃろ!」


 オーレリアがさらに俺に密着しながらドヤ顔をする。確かに押し付けられた膨らみの弾力は凄い……って、違う!


「これって俺もオーレリアみたいになったってことか?」


「詳しくは分からぬが、まあそんなとこかの。ただ、離れると……」


 オーレリアが体を離すとあらゆる感覚が戻ってきた。これはつまり、俺の体が実体に戻ったと言うことだろう。


「ロイドに触れる……」


 肩や手、そして頬……リタが確かめるようにペタペタと触れてくる。


「ちょっ……リタ」

「あっ、ごめん!」


 いやって訳じゃないけど、村の真ん中で白昼堂々ってのはな……今更だけど。


「で、これがどう役に立つの?」

「分からぬか? つまりの……」


 オーレリアは得意げに自分の考えた作戦を説明し始めた。  



(いた……)


 一匹で悠々と水を飲んでる魔物。アイツが狙い目だ!


”ふむ。中々強そうな奴じゃの“ 


 オーレリアに触れている間は心の中で彼女を思い浮かべて囁くだけで考えや思いが伝わる。俺は知っていることを頭に思い浮かべた。


(アイツはグローリータイガー。俊敏な動きと鋭い爪や牙を持つ上に風属性の魔法まで使うヤバい魔物だ)


 原作知識によれば推奨討伐レベルは56。勿論今の俺じゃ逆立ちしたって勝てそうにない相手だ。


“ならうってつけの相手かの”


(ああ。行こう!)


 俺達はゆっくりと歩いて近づいていく。そして……


 スッ……


 グローリータイガーの喉元に剣を突き刺す。が、実体がない俺達が持った剣を刺しても何も起こらない。オーレリアに触れている時、剣は勿論俺の持ち物は全て実体を失っているからな。


(良いぞ)


”分かったのじゃ!“



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