#2
シュッ!
川へと走って目指していた場所を見つけると、僕は持たされていた金貨を使い、〈等価交換〉で釣り竿を手に入れた。
(……ここはハズレか?)
僕が得た原作知識によれば、ここは”ソード&ナイツ“というゲームに近い世界。それによれば、この伏魔の森にはゴールデントラウトと言う激レアな魚が釣れるらしいのだ。
(滅多に釣れない幻の魚だが……実は日替わりで必ず釣れる場所が出現する!)
しかもゴールデントラウトが必ず釣れる場所は五つのポイントからランダムで選ばれる。つまり、その五つの場所の何処かはゴールデントラウトが必ず釣れるということだ!
ピク!
今だ!
ビュッ! ビチビチッ!
原作知識で釣り上げるべきタイミングも分かってる。俺は難なくゴールデントラウトを釣り上げた。
(よし、〈等価交換〉!)
俺が手をかざすと、ビチビチとはねていたゴールデントラウトが消える。それと同時に俺にしか見えないウィンドウが開いた。
◆◆◆
5000アルを獲得
◆◆◆
よし、次だ!
ビュッ! ビチビチッ!
二匹目ゲット! この調子で時間ギリギリまで釣るぞ!
※
こうして魔物が出ない時間ギリギリまでつりをした俺は次に魔物が出現しないエリアへ移動した。
(まさか伏魔の森のボスの住処の入口には魔物が出ないなんてな……)
疑問は残るが、原作知識には”ここには魔物が出ない“とあるんだから間違いない。
(ボスを刺激しないためだろうか? でも、ボスは外に出てこないのか?)
疑問は尽きないが、その辺りは分からない。それにこれから先関わるかどうかも分からないボスのことよりも先にすべき事がある。
(まずは生活基盤を整えないとだな……)
ここは伏魔の森のほぼ真ん中で、ボスの住処に立ち入らない限り魔物に会うことがない場所。故に、俺の俺の伏魔の森での生活で拠点となる。
(まずは食料と水か。〈等価交換〉で何とか出来なくもないが……)
だが、〈等価交換〉を使うには対価がいる。出来れば使わずに水や食料を調達出来る環境が欲しい。
(それに住処だな……)
最低でも三か月はここで休むことになるだろうからそれなりに快適に休める環境が欲しい。
(まあ、当面はテント暮らしだろうが……)
貴族の俺は生まれてこの方、野外で寝た経験なんてない。だが、原作知識と一緒に頭の中に流れ込んで来た誰かの記憶のおかげで不思議と抵抗はなかった。
「〈等価交換〉!」
スキルを発動するとテントの画像が幾つも表示されているウィンドウが開く。〈等価交換〉は対価を払って必要なものをゲット出来るスキルなのだ。
(こっちは一万五千アル。あれは二万アルか)
ちなみに対価は『アル』という〈等価交換〉でしか使えないポイントのようなものだ。この『アル』は自分の物を変換することで手に入る。ちなみに今持っているアルのほとんどはゴールデントラウトを変換したものだ。
(よし、これだ!)
俺が選ぶと目の前にテントが現れた。使い方も何故か分かるため、俺は迷うことなくテントを立てていく。
(よし、これで良いか!)
後は食料だな。食べられそうなものを探しに行くか。
※
(う〜ん。まあ、ないよりはマシだけど……)
森というだけあって実をつける木はいっぱいある。が、食べられるものはあまりない。
(まあ、食べ物があるだけマシか……)
ちなみに食べられるかどうかは〈等価交換〉で変換した時に入手出来るアルの量によって分かる。元貴族の俺は木の実の知識なんてないからこれだけでもかなり助かる。
(〈等価交換〉ってサバイバルだと役に立つな……)
俺のスキル、〈等価交換〉は文字通り何かを手に入れるためには同じ価値のものを差し出す必要がある。つまり、商人がいたり、店があったりすればほぼ無意味のクズスキル。
(まさか追放されてから便利になるスキルだったなんてな)
中々皮肉が効いてる……ってこんなこと考えてる場合じゃない。この辺りに魔物が出ない時間ももうすぐ終わる
(……ん? 採取ポイント?)
周りと様子が違う植物を見た瞬間、俺の頭に新たな原作知識が閃いた。
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