#1
新連載です! よろしくお願いします!
短編を読んで頂いた方は十一話から読んで頂ければと思います。十一話は4/20(月)の昼十二時に投稿します!
「ロイド、お前をこのウェルズリー家から追放する!」
授かったのがクズスキルだったという理由で父からこんなことを言われた瞬間、俺は激しい頭痛に襲われた。
(家の滅亡……魔族の襲来……)
今まで聞いたことのない言葉、想像さえしたことのない未来が頭に押し寄せてくる。その圧倒的な情報量は理不尽な扱いをする父に対する不満や近くで俺を笑っている義弟と義母に対する怒りを吹き飛ばした。
「このウェルズリー家は弟のダズリーに継がせる! お前は何処なりと行き好きに生きろ!」
父がそう言って指を突きつけた瞬間、俺は頭を下げた。
「今まで育てて頂いてありがとうございました」
「「「なっ!」」」
父と義弟、義母がギョッとした顔をする。そりゃそうだろう。こんな理不尽を俺が黙って受け入れるなんて思ってないだろうからな。
「有用なスキルを授からなかった私はウェルズリー家の者として相応しくありません。お言いつけの通り、出ていきます」
「お、おお……そうか。理解できたならそれでいい」
父はまだ混乱しているようだが、それでも何とか体裁を取り繕えるくらいには落ち着いたしたらしく、いつもの調子を取り戻しつつある。まあ、自分の思った通りに話が進んでるんだから文句はないよな。
(まあ、”今のうちは“だけどな)
さっき俺の頭の中に流れ込んで来た情報によれば、三か月後このウェルズリー家には大量の魔族が押し寄せるらしい。それによりウェルズリー家は全員死亡。さらにそれにはとどまらず、魔族達はここバルト王国を滅ぼしてしまうらしいのだ。ちなみに唯一最後まで俺は生き残るが、それこそが不運というものだろう。何故なら俺は魔族の傀儡となり世界から保身のために国を売り渡した悪徳貴族として最後は勇者に殺されるはめになる。
(この運命を変えるにはあそこへ行くしかない!)
とにかく魔族に捕まったら駄目だ。そのためにはウェルズリー家の領地の中で唯一魔族に蹂躙されない場所にいかなきゃならない。実はそこは……
「父さん、追放と言っても兄さんは貴族。領地くらいあげなきゃ」
義弟のダズリーがにやにやとした笑みを口元に浮かべながらそう言った。一見俺を想っての発言に見えるが、そうじゃない。でもそれは──
「ほら、伏魔の森とかさ。役立たずの兄さんはお似合いだろ?」
伏魔の森とは誰一人立ち入ろうとはしない危険な森だ。そこへ俺を送り込むってのは死ねと言ってるのと同じだが……
(ナイスだ、ダズリー!)
純粋に悪意から出た言葉だが、今の俺にとっては渡りに舟と言える。何せ俺が破滅を免れるには伏魔の森に行くしかないんだから。
(それにしてもダズリーの発言もさっき頭の中に流れ込んで来た情報通りだったな)
今の俺には何故か全て真実だという確信があるが……やはり間違いないのかも知れない。
「そうだな、ダズリー。俺には似合いの場所かも知れない」
「お前がそう言うなら……」
父さんが同意したのは俺が死んだ方が都合が良いからだろう。生きていれば何処かでウェルズリー家の評判を落とすような行動を取るかも知れないとか考えたんだろう。
「いくらか路銀を持たせてやる。森には店も商人もいないが、お前のスキルなら生活に役立てる事ができるだろう」
「スキルが活かせる場所が見つかって良かったな、兄上!」
勝ち誇るダズリーの顔を見ても何も思わない。だって、三か月後にはその顔は絶望に変わるのだから……
※
それからしばらくすると、俺は父さんの部下達の手で伏魔の森へと送り届けられた。
「こんなところにロイド様を」
「逃げましょう! 我々がお供します!」
ここまで俺を連れてきた騎士がそう言うが、僕は首を振った。
「駄目だ。父さんにバレたら君たちまで処分されてしまうよ」
俺はそう言って騎士達を屋敷へと返した。この伏魔の森は彼らでさえ太刀打ち出来ない魔物もいるらしいからな。
「しかし、こんなことをシンシア様が知ったら……」
去り際に騎士が呟いたその一言に一瞬心が揺れるが……俺はこれからすべきことに気持ちを切り替えた。
(さて、ここからは時間が勝負だ!)
僕が得た知識──”原作知識“とか言うらしいが──によれば、この伏魔の森では時間帯によって魔物の生息域が変わる。そして、今は次に行くべき場所に魔物が出現しないらしいのだ。
(まずはアレをゲットする。そうすれば僕のスキル、〈等価交換〉で何でも手に入る!)
僕は川へと走り出した。僕がこの森でまずすべきこと、それは……
いつも読んで頂きありがとうございます!
次話も頑張って書くのでよろしくお願いします!




