#18
「これも主様のお力……」
「ありがとうございます、主様」
村長を始めとする獣人達が俺頭を下げるので俺は慌てて手を振った。
「これは俺じゃなくて」
「いや、そなたの力じゃ」
「「「「「「!?」」」」」」
オーレリアの声がすると皆は驚いた顔をした。あれっ、てことは……
(皆にも見えてる!?)
今までは俺にしか見えなかったのに……
「主様、こちらの方は……」
「えっと……何と言うか」
「妾はまあペットのようなものじゃ」
ペ、ペットぉぉ!?
「ロイドに水を出してくれと頼まれたから出しただけじゃ。まさしくペットじゃろ?」
オーレリアがそう言うと獣人達はその場に平伏した。
「流石主様。水の精霊を呼び出せるとは……」
水の精霊? オーレリアのことか?
(精霊……ちょっとイメージが違うな)
精霊にしては砕けすぎてるというか。いや、じゃあ何者かと言われると分からないんだけど……
「しかも美人……」
「流石精霊……」
精霊ってのはどうかな?
(まあ、美人ってのは間違ってないが)
いやそう言う問題じゃなくて……
「精霊がペットとはやはり主様は神……」
待て待て。これはどちらもおかしいぞ!
(でもどう説明したら良いんだ?)
というか、俺の方が聞きたいくらいだ。
「うむうむ。良い反応じゃ」
オーレリアは満足げにそう言いながら俺の腕に手を回す。
「オーレリア?」
「ペットじゃからな」
何か言おうとすると、オーレリアがさらに体を寄せてくる。不意に腕に触れた柔らかい感触、これは……
「ちょっと待って! 近すぎるよ!」
リタが俺をオーレリアから引き離した!
「私はロイドの専属メイドなんだから!」
「ペットは主人とくっつくもんじゃろ!?」
え、ちょっと二人とも!
:
:
「大体あなたは!」
「くっ……そろそろ時間が」
あ、消えた。
(やっと終わったか……)
オーレリアは“疲れたからもう寝るのじゃ“と言うと、気配を消した。多分ブローチの中に帰ったんだろう
「もうっ! 何なのあの人は!」
リタはオーレリアが姿を消してもまだ怒っている。
「リタ、相手は精霊様なんじゃから……」
「でも節度ってものがあると思うの!」
まあ、確かに節度という面に於いてはオーレリアには大きな問題があると言わざるを得ないな……
「俺からもよく言っておくよ。それよりもリタに頼みたいことがあるんだけど」
「私に!? なになに?」
一瞬で機嫌を治して近寄ってくるリタに俺は病気を治療中の人達がいる診療所への案内を頼んだ。
「皆、ロイドのおかげで具合は大分良いよ。もうすぐ普段の生活に戻れると思う」
「それは良かった」
あ、あれが診療所かな。
「ここだよ、ロイド」
「失礼します……」
そう断って入ると……
「主様!?」
「まさかこんな場所にまで!」
「あ、そのままで!」
病人や世話をしている人達のリアクションと今までの経験から俺は素早くそう言った。病人に無理をさせたら一体何のためにここに来たんだって話だからな。
「皆の様子を見に来ただけなんだ。どうか楽にして欲しい」
続けて自分の意図を告げると、俺の思いは伝わったらしく何とか皆は収まった。
(確かに回復まであとちょっとって感じだな)
皆、顔色は良いし、ベッドから起き上がることは出来るみたいだ。中には軽い運動を始めている人もいるらしい。
(にしても何で皆は病気にかかったんだろう)
回復してきたとはいえ、これだけの人数が寝たきりになるなんて大変なことだ。
「一体何が……」
皆に挨拶を終えた俺が考え込んでいると……
「ロイド、実はね」
リタがちょっと言いにくそうに事情を説明してくれた。
「実は私達、ソウザ族はもっと南の方に住んでいたの。でも、ある時そこに鬼人族が攻めて来て……」
ソウザ族の獣人達は勇敢に戦ったが、鬼人族は戦闘が得意な種族。止むなく逃げてきたのだという。
「で、前にいた場所にたどり着いたんだけど、そこに着くまでに病気にかかってしまった人達がいて」
それがあっという間に広がって……という話らしい。
(なるほど……ん!?)
これは原作知識!!!
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