#16
(とりあえず放置かな)
そのうち原作知識か降りてくる“鍵”に触れる時が来るかも知れない。これをどうするかはその時に考えてもいいだろう。
(何せ“災い“だもんな。迂闊に触れないに限る)
人目につかないように埋め直すのも手だが、こんな場所に誰かが好んで来るとも思えないし、そこまですることもないだろう。
「とりあえずこれはこのままにしておきましょう」
「そうだね」
「かしこまりました」
二人がそう言ってくれたので地上に戻ろうとすると……
“待て……”
ん?
「今、何か言った?」
「え?」
「何のことでしょう?」
今の声は二人じゃない? じゃあ一体……
”何じゃ、妾の姿が見えんのか? 仕方ないのう“
再び声が聞こえた瞬間、俺の目の前に若い女性が現れた。
「!?」
“ふふふ……妾の美貌に驚いておるな”
いや、急に現れたから驚いてるんだけど……
(まあ、確かに相当な美人だけど)
リタが可愛い系ならこの人は美人系か。いや、今はそんなことよりも…
「えっと、あなたは一体……」
”もっと砕けた感じで良い。何せそなたのおかげで外に出られたんじゃからな“
俺のおかげ……?
“あと妾が何者か……じゃったな。悪いが分からぬ。そなたのおかげでこうしていられると言うのは分かるが、それ以外はオーレリアという名しか思い出せぬ”
記憶喪失って奴か?
「どうかなされたのですか、主様?」
「ロイド、誰かそこにいるの?」
二人には見えてないのか?
”まだ目覚めたばかりじゃからな。そなたに姿を見せるのもそろそろ限界じゃ。休むゆえそれを持っていって欲しいのじゃ“
いつの間にか石板の上にブローチが一つある。これを持って行けってことか?
「この……っていない」
いつの間にかオーレリアと名乗った女性は姿を消していた。
(……何者なのかな)
まあ、十中八九この石板に関わりがあるんだろう。けど、良いものなのか、悪いものなのかも分からない。
(まあ、本人にも分からないみたいだったけど……)
ブローチを持っていけと言っていたからアレを持っていればまた現れるのだろう。ということは置いていけばもう現れない……のかも知れない。
(石板にしろ、オーレリアにしろ謎が多すぎる。得体が知れない相手と関わるのはリスクが大きいな)
けど、こんな暗がりに一人でいるのは可哀想だよな……
「ごめん、何でもない。上に戻ろう」
俺はブローチを手に取ると、リタや村長と共に穴を出た。
※
とりあえず生活用水を確保するために水を出す魔道具を出したり、皆とこれからのことを打ち合わせた後、僕は部屋に戻った。
(明日も早いからもう寝ようかな)
僕が身につけていたブローチを外して休もうとしたその時……
「ふぅぅ~ よく寝たのじゃ!」
わっ!
「何じゃ、そなたはこれから寝るつもりかの? せっかく妾が起きたというのに」
オーレリアは不満げに頬を膨らまし……何故かすぐに機嫌を直した。
(さっきと違って実体がある!)
最初に現れた時は幻のようだったんだが、今は違う。多分俺以外の人にも見えるし、声も聞こえるだろう。
「分かった! そなたも雄ということじゃな。良い良い」
そんな俺の戸惑いに全く気づいた様子がないオーレリアは何故か訳知り顔に頷いた。
「なら、気分を盛り上げるのが妾の勤めというものじゃな!」
その瞬間、オーレリアの服が変化した!
(こ、これは?)
頭にウサギ(?)の耳のようなかぶり物をし、体にぴったりと密着した際どい水着のようなスーツ……な、なんだこの服は?
(ばにーすーつ?)
何故か頭にそんな単語がうかぶが……これは原作知識か?
「どうじゃ? そそるじゃろ?」
オーレリアはそう言って胸元を強調してくるが……一体何のつもりだ?
「むっ……バニーは駄目か。ならこれでどうじゃ!」
今度は何だ? 何処かの学院の制服なのか?
(せーらーふく? それがこの服の名前なのか?)
露出度はさっきより下がったが、微妙に丈が短くへそがギリギリ見える上着や短いスカートの裾がむしろさっきより──って違う!
「くっ、チラリズムも通じぬか。なら……」
「いや、そうじゃなくて……」
オーレリアが悔しそうにそう言うが……一体何なんだ?
「そう言えばさっき出ていった小娘……変わった服を着ておったの。もしかしてあれがそなたの趣味か? なら……」
オーレリアの服がリタのようなメイド服に変わる。柄も色も意匠も同じ……が、胸元や背中が大きく空いていたり、スカートに太腿が露わになるくらいのスリットが入っていたりと何故か露出度が高い。
「……えっと」
「むぅ……まだまだ研究が必要じゃな」
オーレリアの服が元に戻る。いや、どれも似合ってるけどね……
次話も鋭意執筆中! もしよろしければブクマやポイントをポチッとして頂ければ執筆力が爆上がりします! まだの方は是非お試し下さいm(_ _)m




