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可能性の選択  作者: 桃鍋
最終幕
61/62

エピローグ

「ふあぁぁあ………………。あ〜…………よく寝た。」

 大欠伸と共にビルの屋上で目が覚める。眼下には眩いネオンに照らされた街並みが広がっていた。何だか凄く懐かしい夢を見ていたような気がする。僕がリヒトから全てを引き継ぐまでの記憶を。しっかりと覚えている。今から8,981年前のことだ。最初こそ賭けではあったけど、僕はまだ正気を保ち続けており、一度たりとも悪意で力を使ったことはない。

 人類はこの途方もない時間で、目まぐるしく発展してきた。まぁでも、僕が生きていた時代ですら、コンピューター等の機械が発展していたんだ。ならば、きっかけさえあれば文明が一気に加速していくのも、必然と言えるだろうね。ただ、その過程で悲しいことに何度か戦争が起きてしまったけど、人類が滅亡に向かう前に力を使って、この世界を維持できるよう努めてきた。誰かから感謝されるわけでもない。僕が人類に続いてほしいと思ったからそうしただけだ。数多の争いと困難を、僕からのちょっとした手助けで乗り越えた世界は、いつしか本当の意味で皆が手を取り合い、助け合うことで乗り越えてきたんだ。今となっては、人類は地球だけに住んでいない。テラフォーミングが進んで、今では太陽系の惑星の至る所に生活圏がある。

 人類を見守るのは当然だけど、明香里先輩と翔、そして海月の子孫たちは特に見守り続けてきた。別にリヒトみたいに力を与えたり、過剰な手助けをしたわけじゃない。心の成長を妨げるような壁に当たった時だけ、僕は閃きという形で少しだけ力を貸しただけだ。まぁ、大袈裟に言ったけど、そんな機会もほとんどなかったんだけどね。だってあの三人の子孫だよ。僕が何かしなくたって、ほとんどの困難は自力で解決してしまう、凄い子達だったんだから。

 よいしょっと立ち上がった僕は、改めてネオンの街並みを見渡す。僕は既にリヒトから引き継いだ空間にはいない。僕の愛した現実世界を見るために、力を使って色んな場所に顕現している。と言っても、僕の姿は誰にも見えないんだけど。ただ、ごく稀に海月の子孫に気付かれそうになるくらいかな。まさかセレクターを知覚できることが世代を超えても受け継がれるとは思わなかった。それはさておき、そろそろ動くとしますかね。

「さ、今日もどこかに困ってる人はいるかな?」

 僕は今日も世界のどこかで人類を見守り続ける。困ってる人や苦しんでいる人に手を差し伸べ、無限の可能性を秘めているこの美しい世界を守っていくために。


 〜完〜

厄は祓われた。

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