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崇拝と超能力と文化祭

「奴隷にならないかい?」

「……嫌です」

「なら、交渉成立っていうことで」


 そんな感じで俺の就職先は探偵事務所に決定した。



 今日も一日がスタートした。学校へ行って勉強し家へ帰り寝る。そんな毎日をボーンも過ごしてるだろう。いや彼には趣味があるから、俺よりもエンジョイしているだろう。そういえば一ヵ月後は文化祭である。ボーンは去年の文化祭には参加して無いんだっけ。去年はボッチだったし今度誘ってみるか。

 誘ってみたところ「いいよ」という返事がきた。これで文化祭ボッチを卒業できるだろう。そう期待していた俺だったが、今後起こる事件によって事態が急変するのであった。



 文化祭の二週間前、二人の人物が不法侵入で捕まった。一人は三十三歳の男性で、もう一人は十九歳の女性だった。男性が手を震えさせながら携帯をみせて「神様から『この家に入れ』と命令されたんだ」女性は一生懸命土下座をしていた。

 言い訳をしたと思ったが、マインが大きく目や口を開いた。(この人、嘘を吐いていない)その言葉に俺はマインと同じ行動をとっていた。さらに続けてマインが(土下座の女性が超能力者なんだけど)その瞬間、俺は大きな声で笑いそうになった。

 マインが状況を整理して三十分が経ち探偵事務所のメンバー全員が集まった。整理した内容は女性がテレポートの能力と電気機器を触るだけでハッキングする能力。また男性には知られてないらしい。それに女性を最近雇ったらしく、神様のこともよく分かってないらしい。さらに女性は入る前に男性を注意した。最後に、いい人材なのでこの場所で働いて欲しいこと。そういうことを踏まえて警察にはつき出さない事にした。

 一番の問題はあの男性である。「スマホに書いてあったことを実行していただけだ」その一点張りである。メールの内容は未来日記のようで、書いてあることが本当に起こるのである。そして実行しなければ体が熱くなったり、冷たくなったり、痛みが走ったりなど色々な罰がくるのである。

 そして改めてあの二人組からお願いしてきた「助けてください」マインはニヤニヤしながら「条件つきで助けよう」いつもの黒さが見え……「ヴゥゥ~」一通のメールが届いた。


『相棒の女性を外に連れ出しここから北へ一キロ離れた交差点へ行かせろ』


 マインは少し考え、俺とロンが女性の護衛、マインとボーンが事務所に残るということだった。


 女性を北へ一キロ離れたところに連れて行く途中ある違和感に気づいた。人通りが無いのだ。まるで人類の終わりのような感じだった。そんなことを考えた辺りで、交差点のところに着いた。辺りを見回す前に、左からものすごい爆音とともに何かが迫っていた。それは大型トラックであった。とっさに俺はトラックの前に出来る限りの氷の壁を作りこちら側の被害を防いだ。ロンは女性の手を握ってバリアを張っていたが、女性は三十メートルくらい後にテレポートしていた。

 俺は直ぐに救急車を呼び氷の証拠隠滅をしていたとき、数人の武装した人がトラックの荷台から出てきた。そこでいきなり銃を発砲した。たまたまロンの近くにいたので、バリアの中に居ながら敵を凍らせたり、武器を燃やしたり、体を麻痺させたりして無力化した。

 救急車が来る前に大惨事になっていたので軽く証拠隠滅をして逃げて事務所まで戻ってきた。

 玄関を開けるとマインの顔が青ざめていた。


「あぁ……やってしまったよ。派手にやってしまったよ……」


 その瞬間、あの交差点のことだと分かった。しかし、マインは青ざめた顔を元に戻し笑顔で、


「やあようこそ! 女性さん! 又の名をポニー!」

「え……私ですか?」

「それ以外に誰が居るというのかね?」

「でも……今の仕事がありますし……」

「あ~あれね、あそこさっき倒産したよ。退職金は彼から預かってるから、後で渡すね。これからよろしくねレイ!」

「え……でも……」

「大丈夫! 直ぐに馴染めるから。あそこの階段を上がれば面白いものが見れるから行ってらっしゃい!」


 そういってポニーはボーンの作業場に入っていった。それを見終わってマインが


「さあ答え合わせを始めますよ。結論から言おう、これは私たちの能力について調べるために行なわれた事件だ。まずこの事件の元凶は予告大好き盗人野郎だ。あいつらが男性を洗脳して、ここで捕まるようし動かす。捕まったと思ったら、メールで交差点へ呼び出す。呼び出したら、トラックを猛スピードで走らせ事故を起こす。この時、後に全力疾走して逃げれば相手の策略を壊すことが出来たけど、君らは予想どうりの動きをしてしまい、能力の性能がクソ野郎に知れ渡ってしまったのだ。リーブの能力はどうでもいいけど、ロン君やポニーの能力がばれるのがとても痛いのだよ……」


 言いたいことを言い終わったマインは、壁を叩きながら何か呟いていた。何を呟いているか聞こえなかったが、壁を叩いていることでとても悔しいことが目に見えて分かる。

 俺たちは空気を読み、マインを一人にさせるために各個人の部屋に戻った。


 その夜、何故かマインが笑顔で食卓に座っていた。

 

 「今日はポニーが晩御飯を作るから楽しみだよ。不思議な顔をして如何したんだい? 何時までも悲しんでいたら前に進まないじゃないか。 過去を悔やんでもしょうがないでしょ?」


 マインが明るいことはいいのだが、この明るさが妙に感じる。まるで何かをたくらんでいるような感じだ。

 そんなことをしているとレイが食事を持ってきた。食事はおいしかったのだが、少し違和感があった。それはポニーとボーンの座っている距離が異常に近いのだ。それを見た俺は脳裏を過ぎった。

 もしかすると、ポニーとボーンは付き合うんじゃないか。

 その答えに


「お見事!」


 マインがテレパシーを使わずに拍手をしながら笑顔で答えてくれた。

 俺は苦笑いをしながら壁を見つけて


「クソ……クソ……」


 呟きながら、壁を叩いていた。その後ろでマインが今まで堪えていた笑いを爆発させていた。

 それを見たロンは俺を庇ってくれて


「文化祭の時、一緒に行って上げますから……去年と同じ時間だけ……」


 マインとのテレパシーもあっただろうが、ロンの情けで去年と同じ三十分という貴重な時間をいただくことが出来た。

 ボーンとポニーが付き合う経緯はボーンの作った絶対にハッキングされないサイトをポニーの能力でパッキングをすることから始まったらしい。



 文化祭当日、自分の当番が終わったらロンと三十分だけという予定だったが、なんとティアの方で三十分というのだ。正直に言うと天国だった。

 あの後マインを叱ったことやロンと遊んでくれたことなど、ティアの方から色々話しかけてくれた。

 三十分が経ち、店に並んでいたら後ろから襟を掴まれた。

 そう掴んだのはマインだった。

 人影無い所へ連れ出し、俺たちを叱った。「私のティアとロンを奪わないで」などとバイと確信できる発言をした後ティアを連れ出し何処かに行った。ティアは笑顔で手を振り、マインの後へ付いて行った。

 その後は去年と変わらない一人文化祭を味わった。


 

 文化祭の次の日、朝起きて家の周りを見ると電子機器がすべて無くなっていた。

 昨日の件で、怒ったマインがやったのだろうと思った。すぐさま事務所に行き、マインに問いただすが、まったく知らない顔をしていた。その話を聞いたロンも問いただしたが、マインは本気で否定していた。ロンはマインの表情を見て


「これは絶対にやっていない」


 俺はロンが言うならそうなんだろうと思っていたら


「きっと泥棒が盗んだに違いない。 多分部下がやられた仕返しにやったんだよ」


 少し悔しそうにマインが言った。



 その後マインが新しい物を買ってあげるということで今回の件は終わるのだが、泥棒への恨みが物凄く強くなった。

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