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釣り場であった怖い話集  作者: 小峠 通


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3/5

変な爺さん

 ある釣り場では、毎回私にずっとついて来る爺さんがいた。困るのは、延々と同じ話を繰り返し繰り返し語ってくるからだ。正直反応に困るし、こちらとしては気晴らしに釣りにきているのだから、正直人とはあまり関わりたくない。


 その爺さんは毎日その釣り場に顔を出すようで、半ば名物爺さんと化していた。色んな人に絡みに行っては邪険にされたりキレられたりしている。


 私にはそうした奇妙な人を引き付けてしまう何かがあるようで、こうした変な人の話には事欠かない。そこ、類は友を呼ぶとか言わない。


 その日も爺さんはずっと付いてきていた。いつもと違うのは、何も話しかけてこないことだ。釣れた魚を見せても、うんうん、と頷くばかりだった。


 風邪で喉でもやられているのか、だとするなら家にいたほうが良いんじゃないかと思いながら、家に帰った。


 しばらくしてまたその釣り場に行くと、爺さんは居なかった。人が言うには、一ヶ月ほど前に亡くなっていたらしい。


 私が最後にこの釣り場にきたのはいつだったか。考えないようにした。

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