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『盾』役者の生活  作者: 愉魅夢
王都散策日記
90/91

3話 赤部隊長との模擬戦生活

「君がかっ…グロップ様の息子か。」


やせいの美丈夫が現れた。いや『やせい』ではないな。


「俺はネルソン=ダーグレン。赤部隊部隊長をしている。ネル兄でもソン兄でも好きに呼んでいいぞ。」


ケル兄さん、リル姉さんもだけどフランクだな。

騎士とはもっと厳格なものと思っていたが…


「シルド=グロップと言います。よろしくお願いします。ネル兄さん。」

「君は火属性だろ。ならば力勝負しようか!」

「いえ、俺は技巧派を目指しているので遠慮します。」

「ならば、なんで勝負する?」

「では、盾のみの勝負で、どうでしょう。」


盾術なら単なる力勝負にはならないだろう。


「よし、いいぞ。」

「あの…自分の盾を使ってもいいですか。」

「かまわん。使い慣れた武器の方が実力出せるしな。なら俺も自前の盾を使おう。」


よし、これでフルスペックで対応できる。

盾を『収納』から出して装備する。


「ほほう、シルド君の盾は神器か、ならば油断は出来んな。」


『神器は自由に出し入れできるものがある』というのは常識的なようだな。

ていうか、最初から油断なんかする気なかったでしょ。


「ではこれよりネルソン=シルドの模擬戦を行う。」


爺さんと違ってパワー系だから目で追えるだろう。ちゃんと相手を見据えて…


「かまえ…始め!」


あれ?動きは見えてるんだけど、認識できていない。何だこれ?

こういう時は慌てず目を閉じ『心眼』

これで惑わされることはない。とりあえず検証は後だ。


右からシールドバッシュ。

盾を斜めにして反らす。と同時に左前にステップ&ターン。から回転速を上げ

本来、敵に背を向ける(敵から目を離す)のは悪手なのだが『心眼』に死角はない。

その回転速のまま盾の先で


「『ソニックブレイド!』」


ネル兄さんは、すかさず盾を構えなおして。


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


うわあぁ耐えたよこの人。


「再度、行くぞ。おぉぉぉぉぉぉ!」


再びのシールドバッシュ。だが今度のは受けるのはヤバい。『左右に反らした途端、追撃される』と警鐘が鳴る。

ならばどうするか。

…

盾に隠れるように…しゃがむ…

これはタイミングと素早さが重要で、これがはまると。


「おおおおおおおおおおおお!」<ゴロンゴロンゴロンゴロン!どっかーん!>


転がった勢いで壁に激突した。


「ネルソン、場外! シルドの勝ち」


ネル兄さん大丈夫かな?


「何、あ奴はこの団一番の頑丈ものじゃて。心配せずとも…」

「いやぁ、負けてしまった。師匠、俺は鍛錬に戻ります。面白い勝負をありがとう。シルド君。またな!」


さわやかな笑顔で何事もなかったように去っていった。

本当に丈夫だなぁ。


「お爺さん、ネル兄さんの姿が見えてるのに、認識できなかったんだけど、何か知ってる?」

「あれはダーグレン家に伝わる秘術じゃからのう、儂が教えるわけにはいかぬが…今度、養父に会ったときに聞いてみるといい。あ奴が素直に教えてくれるかはわからぬがのぉ。」


神父様(オヤジ)もあの秘術を知っているのか。知らない間に後ろに立たれてたことが何度もあったのは、もしかしてその秘術?

そうなるとシスター(母さん)も秘術が使える?


「私のは単なる『シスターの嗜み』の一つですよ。」


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