12話 今後の暗躍生活
「ただいま。」
「おかえり。首尾は?」
「上々」
レードとハイタッチした。
「シルド君、どういうことよ? 連中の行動から、あの壺の破壊が目的だったみたいだけど…」
「そうだよ、シルド君らしくない言動だったし。落ち込んで出て行ったのに、妙に満足げに帰ってきたし。」
「あっ、連中をコウフィン騎士団に引き渡すのにケル兄さんの名前、使わせてもらいました。」
「はい?」
「だから今度、団に戻った際には口裏合わせて下さい。」
「無茶を言うなぁ…[何とかするか]…後で引き渡した状況を詳しく教えてくれ。」
「シルドさん、なぜうちの馬車の箱が空で、シルドさんの馬車に偽壺が乗ってたんですか?」
「だましてすいません。家宝は別の場所に大事に保管しています。ああすれば敵が騙されてくれると思いワザとで大げさに騒ぎました。」
「では家宝はどこに。」
「それは言えません。ですがロレンス邸には俺が責任を持って届けます。俺を信じてください。」
「…わかりました。信じましょう。」
「あと、王都までは『家宝が壊されてしまった』体でお願いします。一名逃がしましたのでアクドーイには家宝が壊されと早急に伝わるはずです。」
もう『侯爵』なんていらない。いちいち付けるのが面倒臭くなってきた。
「えっ?全員捕縛したんじゃないの?」
「何で逃がしたんだい?」
まぁ、普通そう思うよな。
「誰か伝令役がいないと、アクドーイの計画成功が伝わらないじゃないですか。計画成功してホクホク顔でやってくるの見たくないですか?」
「シルド君。あなたねぇ…」
「シルド君。アクドーイ侯爵より、あくどくないか?」
「せっかく稚拙ながらも立てた計画なんですから。少しでも成功の余韻に浸らせてあげましょうよ。」
「はぁ~。やれやれ。」[アクドーイ侯爵がかわいそうに思えてきたわ]
「とりあえずは皆さんはもう少し寝ていてください。朝食も豪勢に行きますんで。」
「シルド、私も手伝うよ」
「ん、じゃあ頼む。」
朝食後、改めてミリちゃんに謝った。
「ミリちゃんもだましてごめんね。」
「うううん。悪い奴懲らしめるのに必要なことだったんでしょ。でも謝るんならミリのお願い聞いてくれる?」
「なんでもとは言えないけど。とりあえずどんなお願いか聞かせてくれるかな?」
「えーとね。ミリをお嫁さんにして。」
「えっ!」
「ニ"ャッ!」
「あらあら」
「それはまだ早い」
「今時の子はませてるわね」
「シルド君は小さい子には優しいからね」
「それは今は難しいかな。ミリちゃんがもう少し大きくなって、俺がまだ結婚してなければ、それから考えよう。」
「「ほっ」」
「うふふ、シルド君はあしらいが上手ね」
「ふ~。ちょっと安心…か」
「シルド君はそう来るのね。」
「昔同じようなことを言った気が……帰ったら幼馴染に手紙を書こう。」




