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『盾』役者の生活  作者: 愉魅夢
いざ王都へ
82/91

11話 桃王子侍の生活

<ヴォン>


えーー今現在10テリシャックン上空です。

空歩で空中を歩いています。

ちょっと空気が薄いです。

現在、コウフィン騎士団野営地を探しています。

おっあちらに篝火が見えます。

近くに行ってみましょう。


<ヴォン>


篝火よりちょっと離れた位置に着きました。

ここから見える旗印はコウフィン騎士団で間違いないようです。

野営地の位置確認は終了しましたので、次に襲撃団の集合場所ですが…

あっリーダー格の襟に着けた魔石の反応を確認しました。

これより襲撃団の集合場所へ飛びたいと思います。

以上、現場からでした。


<ヴォン>


「各員損害報告」

「家宝破壊部隊、2名転倒、3名遠隔攻撃。計5名軽傷」

「急襲部隊 9名軽傷」

「で、敵への損害は?」

「ほぼゼロと思われます。ですが家宝は破壊できました。」

「相手4人無傷でこちらは14名の損害。任務達成できたはいいが、戦争なら大敗退だな」

「しかし護衛の一人はマヌケでしたね。自分で偽の箱、壊してるんですからね。」

「たしかにあれは傑作だったな。あの慌てぶり。」

「待て待て。逆にそのおかげで他の護衛の気がそれて、捕縛されずに撤収できたのだ。笑うのではなくその護衛に感謝せねばな。」

「まったくです。」


<ヴォン>


「何か音がしなかったか」


<ヴォンヴォンヴォンヴォヴォヴォン…ヴォン>


暗闇の中から、オーガ(鬼)の面を付けた青い服の人影が現れる。


「ひとつ、人の世の財産をむさぼり、ふたつ、不埒な悪政三昧、みっつ、醜いポーク(魔豚人)な奴らを、退治てくれよう桃王子」


「誰だお前は。」

「ドゥーブルの青鬼とでも名乗っておこう。お前たちの『感謝』を受け取りに来た。」


今ドゥーブルで噂されている、青鬼都市伝説を利用させてもらった。

口上は某時代劇(桃太郎侍)からの引用だ。

ただ、鼓なんて持ってないから『転移(DOKODEMO)扉(DOOR)』を連続で起動させ、その起動音をBGMにしてみた。

ちなみに『桃王子』とは桃太郎とよく似た物語の題名だ。


「え?お前はもしやあの護…」

「『グラビティプレス』」

「…「ウギャー」…」「…「潰れる…」…」


えーと。人は何Gで気絶するんだっけ? 5G? 10G? まあいっか、順番に上げていこう。


リーダーさんは頑丈だな。10Gでやっと気絶してくれたよ。

後はリーダーさん以外を縛って。

そうそう手紙も書いておこう。神父様(オヤジ)の書斎からパクッ…拝借してきた紙に。

差出人は、ケル兄さんの名前を使わせてもらおう。


『この者たちは、馬車塚で商人を急襲した連中。アクドーイ侯爵の手先の可能性あり。調査を要請する。緑部隊長 マイケル=ウェドゥネス』


後はこの手紙と共にコウフィン騎士団に引き渡し(押し付ける)するだけだ。


『転移(DOKODEMO)扉(DOOR)』を襲撃者たちの下⇒騎士団野営地そばの空中へと接続

まずは周囲を確認。OK。

後は、襲撃者たちを俺の魔力で包めば…<ストン>行ってらっしゃーい。


次の仕込みだ。


周りに魔獣の血をまいておいてから。そうだ。面にも少しつけておこう。

後は、リーダーさんを起こすだけなんだが。どうしよう…


そういえばどこかのイワシ缶。シュー…なんだったかな? それと似た瓶詰が『収納』にあったよな。

<ゴソゴソ>

あったあった。蓋を少し開けてかがせると。


「うぐ!ぐへっ!」


すぐ蓋を閉め『収納』。少し離れて仁王立ちになる。


「ふむ、やっと起きたか。ほかの連中は食ってやったわ。後はお前だけだ。」


周りは血だらけ(見える範囲だけど)面には血…


「う…うわぁぁぁぁぁぁぁ食われるぅぅぅぅぅー」


リーダーさんは逃げて行った。


「今回のミッション、コンプリート。さて、帰るか。」


<ヴォン>

<ドスン>


「えっ?なんで縛られた人が? おい、大丈夫か?」

「ちょっと待て、封書が添えてあるぞ。…『差出人:緑部隊長 マイケル=ウェドゥネス』…誰か副団長を呼んで来い。」

「俺が行ってくる。」


…

「いきなりこ奴らが現れたと聞いたが。」

「物音がして振り向いたらこの者たちがいたのであります。」

「ウェドゥネス卿の封書が添えてあったと聞いたが」

「こちらであります。」

「封蝋も無しの封書とは……とりあえず読んでみよう。なになに、」


『この者たちは、馬車塚で商人を急襲した連中。アクドーイ侯爵の手先の可能性あり。調査を要請する。緑部隊長 マイケル=ウェドゥネス』


「㊞も見当たらないな。」

「部隊長の名を語った偽物でしょうか?」

「ふむむ……ちょっと待て…この紙は…当家公文書に使用される、ニーフ紙ではないか。となると、これはシルド様かレード様がお書きになったものに違いない。至急こ奴らの取り調べに入るぞ。」

「了解しました!」


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