10話 深夜の敵襲からの撃退生活
深夜、いきなり頭の中で警鐘が鳴る。
素早く起きる。と同時にアクティブマナー。30人規模とは物騒だな。
レードも同じように起きていた。
これは様子見どころじゃないと感じ二人でテントを出た。
「猫っ娘ちゃんも二人も、良い反応ね。」
リル姉さんとケル兄さんは臨戦態勢。ニャルムさんはクライフさんたちを起こしに行っていた。
「シルド君は戦えるでしょうけど、クライフさんたちの護衛に徹して。3人で撃退するわよ。」
「「「了解!」」」
『レードと無双』したいところだが対人戦闘においては騎士に任せるのが正解だ。
俺はクライフさんたちを薪置き場へ誘導し、彼らを背に防御態勢をとった。
「ちょっと注意ね。極力殺さないように。格下殺っちゃうと、後の師匠のしごきが怖いからね。来たわよ。」
「おーおー。奇襲かけようと思ってたら皆さん臨戦態勢ですか。しかしこの人数、対処できますかな?」
「ひとりが7人ずつやっつければ、事足りると思うけど。」
現れたのは21人。ということはリル姉さんとしては、俺は頭数には入ってないということだ。
後の9人は…まだ闇の中か…俺には丸見えだが。
「減らず口を言ってられるのも今のうちですよ。一斉に!かかれ!」
「…「おー!」…」
さすがに最後の襲撃だな。結構、手練れだぞ。服装からすると、騎士崩れ?
…じゃないな。この連携の取れた動き。正規の騎士か。
こいつら捕まえるといい証拠になりそうだな。
とはいえ、この乱戦では、俺の出番はないのだが。
…
盾の影から小型の『転移扉』。
まずは、指揮をしているリーダーっぽい奴の首筋あたりにつなげて<ピトッ>
下ごしらえ終了。
次に繋げるのは…
「わわっ足が、へげっ!」
闇に潜んで馬車に近づく別動隊のひとりの足をつかんで転ばす。
「何をしている。早く荷をわっ!」<ゴツン!>
転ばせた二人は戦闘不能にしたが…
「何をしたかわからんが奴が怪しい。3人ほど奴を襲え。俺たちは荷を壊す。」「…「了解!」…
こっちのリーダーは優秀だな。
俺の仕業だとばれたらしい。
護衛しながらの3人相手じゃ分が悪い。散開しているのでゴッドボイスじゃ1人が限界。とすれば
「展開型『ソニックブレード!』」
横なぎでソニックブレードを放つ。この場合『切る』ではなく『叩きつける』意思でもって。
見事、3人を撃退。でソニックブレードはその勢いのまま馬車から降ろされた箱へ、ジャストミート!
<バッコーン>
「あいつ。自分で荷を壊したぞ。マヌケめ」
「バカ!その箱は空だ。あっちの馬車だ。」
「しまったぁ。ばれてもうたぁ」
「二人で奴をけん制しろ。俺たちは荷を調べる。」
「やめてくれぇ!やめてくれぇ!」
「おっあったぞ。この壺だな。」
「わぁぁみつけられたぁ。壊さないでくれぇ」
「せぇの」<ガッシャーん!>「隊長~任務完了です。」
「各員。負傷者を連れて撤収。」
「わぁあ、壊れてしもたぁ壊れてしもうたぁ」
俺の取り乱しようにリル姉さん、ケル兄さんも追撃を忘れたようだ。
敵も撤収し少し落ち着いてから。
「クライフさん。すいません、」
「シルドさん、でもあの壺は…」
「俺、あっちで反省してきます。」
「お兄ちゃん、あの壺って……」
「そうです、あの壺は…」
「クライフさん、ミリちゃん。シルドをほっといてあげて……ほんとに大根なんだから」




