8話 最後の補給生活
4泊目には何もなく過ごし
次の領都ノルタに到着。早速コウフィン商会へ。
「いらっしゃいませ。どうぞこちらへ。」
いきなり商談室へ案内された。
「私、ノルタ領を治めております イルミ=ノルタと申します。一応、男爵位を賜っておりますが、この場では支店長のノルタとお呼び下さい。」
男爵なのに腰が低いな。
「ノルタ支店長、ご丁寧なあいさつありがとうございます。シルド=グロップと言います。」
「存じ上げております。このたびは2日分の物資補給ということでお間違えないですかな。」
こうとんとん拍子に進めて大丈夫か?
「それよりも、身分証の確認もなく話を進めて大丈夫ですか?」
「私ども商人は『眼』が大事でございます。もし間違っていてもそれは私どもの『眼』が狂っていただけの事。シルド様がお気になさることではございません。」
大した自信だな。
「実を言いますと先日、青い服を着た『シルド、レード』を名乗る二人組がいましてね。その場で捕まえて衛兵に突き出した所なんですよ。」
俺たちの偽物?
「ドゥーブル所属のC級冒険者が二人組でこんなところにいること自体不自然でしょう。それにシルド様、レード様においては当商会が自信を持って縫製いたしました濃い青のジャケットをお召いただいているのです。羽織られている服の良し悪し、色味が見抜けなくて、当商会の従業員は名乗れません。」
商会の情報網と自社製品へのこだわりはすごいなぁ。
「わかりました。それでもあえて提示させていただきます。」
俺は、補給カードと自分のギルド証をテーブルに出した。
「これはノルタ支店長の信頼に応える意味。と商人の『眼』への賛辞も兼ねて出しました。」
「先祖代々聞いていましたが、グロップ家の方は大変真面目な方ですね。」
「自分では真面目とは思ってません。『自分に正直』とは思ってますがね。」
「それこそがグロップ家の気質なのですよ。と筋がそれましたな。2日分の飼葉と食料でよろしかったですかな。」
「はい。」
「聞いていましたね。」「はい、2分で積み込めます。」
早!
「名残惜しいですが、もう積み込みが終わるようです。」
「ノルタ支店長の矜持にこれを送ります。お茶の際にでも食べてください。」
スイコーの露店で買った干しレーズンを混ぜて焼いた、レーズン入りパウンドケーキを出した。
「おお。これはよいものを。ありがたく頂戴いたします。」
「ありがとうございました。」
「…「またのお越しをお待ちしております。」…」
積まれた補給物資はパレットに乗っていた。
「すごかったよ。おじさん4人でこの板を馬車と同じ高さの台から運んでくれたよ。」
パレット運搬と荷台と同じ高さでの積み込みは先進的なんだが…人力か…




