7話 偽装計画生活
3泊目の前に領都スイコーに到着。
ここで物資を補給する。
まずはコウフィン商会の裏手に馬車を付ける。
新規顧客なので今回は木札を渡される。
「必要なものを購入してきますから、皆は待っていてください。」
「ミリも行く。」
「こら、ミリ!」
「クライフさんいいですよ。ミリちゃん。いい子にできる?」
「うん、できる。」
「俺がだっこしますね。」
「わーい。お兄ちゃんだっこだ。」
馬車からミリちゃんをひょいと抱える。
「シルドさん重k…」[重くないですか]
「クライフさん[それは女の子には禁句]行ってきます。」
「…ミリ。良かったな。」
「うん!」
おや?
レードもニャルムさんもなんかうらやましそうな顔してたな。一緒に来たかったんだろうか。
「ごめん下さい。」
「いらっしゃいませ。何かご入用でしょうか。」
「その前にこちらをご確認下さい。」
俺は、補給カードと自分のギルド証、それと先ほどの木札を渡した。
「これはビクセン支店のギルドカード…と…シルド=グロップ様。当店にも話は来ております。お立ち寄りいただきありがとうございます。どうぞこちらへ。」
すぐに商談室へ案内された後すぐに
「ようこそいらして下さいました。私、コウフィン商会スイコー支店にて支店長を任されていますコウ=メイシュンと申します。」
支店長さんが応対してくれた。
ソファーにミリちゃんを座らせると、さっと果実水が出てくる。気が付くと俺の前にもお茶が出ていた。
「今回は補給ということで、圧縮飼葉2日分と食料2日分とビクセン支店より伺っております。変更等ございませんでしょうか。」
「用意していただきありがとうございます。追加で加工済みのアレを用意していただけないでしょうか。」
「いかほど、ご入用でしょうか?」
「樽に半分ほど。」
「少々多いですね。30分ほどいただければご用意できますが、鮮度の方は大丈夫でしょうか?」
アレは加工前だと1週間ぐらいは持つが加工してしまうと1日でただの人参と大差なくなってしまう。
「かまいません。お願いします。」
「わかりました。だれか、フーシェにアレを樽半分、加工するように伝えてください。」「かしこまりました。」
「あと、大変失礼なものが欲しいのですが。」
「はて、どんなものがご入用ですか。当商会にご用意できないものはない。とは言いすぎですが、それぐらいの気構えで商売しております。」
「ありがとうございます。実は…見栄えだけは高価そうな壺はないかと…」
「ございます。」
「えっ!あるの?」
「その御様子ですと、偽装用の壺が必要なんでございましょう。形状などは似せなくてよろしければ、大きさ、色合いで適当に見繕わせていただきます。」
「お願いします。大きさは縦横2シャックン。色合いは青系で。」
「それですと…こちらですかな?」
早いなぁ。もうカタログから検索してるよ。
と、ミリちゃん袖を引っ張り小声で
[お兄ちゃん。これ、ちょっと形が違うよ]
[いいんだよ、違っても。悪い奴はね物の価値なんてわからないんだから。]
[そっか]
「シルド様?」
「はい、それでお願いします。」
「わかりました。B-123番もシルド様の馬車へ」「かしこまりました。」
「以上ですかな、後はアレの加工を…」「アレの加工終わりました。積み込みます。」
「早いですね。無理させたのではないでしょうか。」
「私も驚いているところです。急ぐあまり加工が雑になってなければいいのですが。」
「その場合、厨房は大惨事でしょう。そうだ、これを皆さんでお召し上がりください。」
パウンドケーキ3つを取り出す。
「そのようなものを…私共は自分の職務を行っただけの事。」
「いえいえ、何の変哲もないケーキです。いろいろ便宜を図っていただいたお礼です。」
「『あんまり遠慮すると失礼に当たる』ってお父さん言ってたよ。」
「おっと。お嬢さんに一本取られましたな。それではありがたくいただいておきます。」
「積み込みおわりました~」
「終わったようなのでこれで失礼します。」
「しつれいします。」
裏手ではもうすでに出発準備が整っていた。
「ありがとうございました。」
「…「またのお越しをお待ちしております。」…」
そしてスイコーの街を後にした。
アレは出立時にすでに『収納』済みだ。
馬車塚に着いてすぐに『アクティブマナー』
反応はなかったが
「『ニャルムちゃんセンサー』反応なしニャ」
前に出会ったウルフ種のように気配や魔力を偽装してるともかぎらないのでニャルムさんにも確認してもらった。
「クライフさん。家宝を俺たちの馬車の壺と入れ替えますね」
「なにか、大きなものを買ったと思ったら壺ですか。」
「今後は奪うのではなく破壊工作してくるかもしれませんからね。念のためです。」




