6話 宿場町での引き渡し生活
「わぁーいいにおい。今日もお兄ちゃんの朝食だー」
「ミリ。ちゃんと手を洗ってらっしゃい。」
「はぁ~い」
「今日は特に美味しい香りニャ」
[ニーチャ今日はごちそうだよ]
[アレなんていつぶりだろう]
[[アニさんアネさん、ごちになりやす]]
「朝からいいにおいさせやがって。」
「俺たちには食わせないつもりか。」
「馬たちもウマそうに食ってやがるしよう。」
「何ウマい事言ってやがる。余計に腹が減るじゃねーか。」
襲撃三人組は偶然見つけた(嘘)荷車に乗せて次の宿場町までご同行願った。
車軸は馬車用とはいえサスのついてない荷車は(地獄の)特等席だった事だろう。
今回の事を想定して商会でナイショで荷車を購入しておいてよかった。
荷車が重くないか聞いてみると、サンダたちは、
[アレは、力が湧いてくるごちそうなんでさぁ]
[すごくちからがわいてくるから、これくらいらくしょうだよ]
アレってドーピング効果があるのかな。
今度、馬クッキーに混ぜ込んでみよう。
そうこうしているうちに次の宿場町コニクに到着。
荷車に3人が縛られて乗せられているのを見て門にたどり着くより前に何人か衛兵がやってきた。
「その馬車。脇に寄って止まれ。」
[サンダ、ガイ。脇に寄って停車]
[[ラーサー]]
馬と息を合わせ馬車もブレーキを掛ける。
レードは素早く降りて衛兵の前に立つ。
「ご苦労様です。」
「この荷車の3人がなぜ縛られているのか説明を頼む。」
「この3人は、ひとつ前の馬車塚で私たちを襲おうとした冒険者です。」
その報告に3人組が騒ぎ立てた。
「嘘だぅぇっ!」「おでたちぇぅ!」「やってねぇぅっ!」
よっぽど乗り心地悪かったんだな。
荷車しまうときにはよく洗っておこう。
…あれって液体だよな…『収納』で弾き飛ばせば…
…板にしみこんだ分は『収納』されてしまう。やっぱり洗おう。
「衛兵さん。失礼します[ニャ]。私[ニャタシ]、ドゥーブル冒険者ギルドで受付嬢をしておりますニャルムと申します[ニャ]。」
「私はこの宿場町コニクの衛兵長、ゴーディーという。」
「ゴーディー様。私[ニャタシ]と当所属の冒険者レードとシルドは、この方たちクライフ=ローレン様一家の護衛依頼遂行中でございます[ニャ]。」
「なぜ、護衛依頼にギルド職員が同行するのだ。」
「ギルド職員が同行する場合の一つとして『昇級試験』がございます[ニャ]。それ以外としては……[はったり効くかニャー?]」
「なるほど[よほどの重要案件なのだな]わかりました。念のためギルド証を提示していただけますかな」
「はい[ですニャ]。」
『ドゥーブル冒険者ギルド所属受付嬢
ニャルム=ミケーネ
専属担当:シルド=グロップ、レード=グロップ
責任者
ドゥーブル冒険者ギルドギルドマスター ドランク=ジラール㊞』
[専属担当冒険者と共にこんな遠くまで護衛に同行するとはよほどの案件なのだな]
「で、先ほどの冒険者が言っていたことは本当か。」
「はい[ですニャ]、深夜に得物を持って襲ってきたところをレード、シルドが撃退、捕縛いたしました[ニャ]。」
[3人を撃退?疑わしいが…しかしあの青ジャケット…噂で聞いたことがある。ドゥーブルの新人冒険者が凄腕だと。それに『グロップ』?]
「もしかしてあの二人は『三角盾の…』」
「義弟です[ニャ]。」
ニャルムさんよく[ニャ]がまんしたな。
「失礼しました。3人は当方で引き取ります。が調書は必要ですので同行願えますかな。」
「失礼。私はレードと言います。こちらに詳細をかき出してます。この後は1時間ほどは 馬車留めにいますのでわからないことがあればこちらへお尋ねください。」
もうニャルムさんの[ニャ]が限界に達しているのを見てレードが助けに入った。
ナイスフォローだ。
そのあとは簡単な身分証の確認で済んだ。
『三角盾のオーサン』(オーサ兄)の名前ってすごいんだな。さすがS級。
その後馬車留めで、荷車をしっかり洗った後、レードに紫外線殺菌してもらった。
「シルドさん、今なら『ニャルムちゃんセンサー』に反応ないですニャ。」
「ありがとう。『収納』」
「あれぇ、お兄ちゃん? さっきまであった荷車は?」
「邪魔だからね。さっき出ってた一団に売っちゃった。」
「ふうん。」
ミリちゃん。嘘言ってゴメン。




