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『盾』役者の生活  作者: 愉魅夢
新人からの卒業昇級試験
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9話 野盗討伐生活

『雄鴨1羽雌鴨1羽小鴨1羽入荷。卵はそれなりに。草もあり。雌猫1匹若犬2匹雄犬1匹同行。』


「この『雌猫』てのは何だ、そんな隠語取り交わしてねーぞ」

「もしかして妖艶な美女とか。」

「まあいい。護衛が3人。うち2人は若手なら十分制圧できる。野郎ども。仕事だ!」

「…「オー!」…」


後部で警戒中、索敵に引っかかった。

人数としては20人か。

前方街道脇の森に潜んでいるってことは商隊じゃないな。


「クライフさん、10テリシャックン前方に野盗らしき一団を発見しました。相談のため前方の馬車へ移ります。」

「えっ!では馬車を止め…」

「止めなくていいですよ。後、後方10テリシャックン異常なしです。では、」


俺は空歩で前方馬車へ飛び移った。


「レード、ドコウさん。前方10テリシャックンに20名、野盗らしき一団あり。」

「うむ、20名か。迂回路はないしここはいったん…」

「シルド、行ける?」

「あの固まり具合なら半数以上は行けると思う。」

「えっお前た…」

「じゃあ露払い。お願い。」

「心得た。」

「おい、『心得た』って。」

「『ゴッドブロック』展開」<ジャッキン!>


長盾は扇状に展開し三角盾となった。

盾を投げると同時に自分も飛びその盾に乗る。

盾の両端に仮想筒を展開、内部力場形成。『マギクジェットエンジン』稼働


「盾職妙技『波乗り(ウェーブライダー)』」


「わぁぁぁ、お兄ちゃん盾に乗って飛んで行ったヨ」

「シルドさんに任せておけば大丈夫ニャ。」

「後片付けは、私の仕事。」

「盾職ってあんなこともできるのね。」

…

[いや、たぶん…あいつだけだと思う…]



よし、あと10秒ほどで接敵。

マギクジェットエンジンの稼働率を上げ一気に音速へ

『超加速特攻(ハイパワーシュート)』

<ドドドドドドドドドッ!>


この技で注意する点はソニックブームの壁(盾の影)より外に出ないことだ。

あと、被害は甚大になる可能性があるのでタイミングを間違えないように。

うん、今回は樹を数本倒したぐらいで済んだな。


さて野盗さんたちは…うまくいった、ほぼ全員気絶。

2人ほど逃ていくな。


『ゴッドゴーガン』展開<ジャッキン!>

盾の両縁が展開し弓形状となる。

魔力弦を引き絞り…シュート<ピチャ!>鳥もち弾による魔石付着成功


これでアジトを探しやすくなった。


とりあえずレードが到着するまでこいつら縛っておくか。




「シルド。終わった?」

「ああ。運よくほとんど全員倒せたよ。」

「ほとんど?残りは?」

「逃がした。」

「逃がしたの?」

「アジト探すために。俺の魔力しっかりしみこませた魔石くっつけておいた。」

「わかった。後は任せて」

「それはいいが、こいつらどうする。こいつらの馬車、側板ねえし日も暮れる」

「ちょっと待って」


レードが車軸に手を触れる<ブォン>


「車軸受けは生きてる。魔導線くっつけて御者台に伸ばしておいて。」

「…なるほど、そうか!解った。」

「じゃ、行ってくる。」


「シルド君、レード君は一人で大丈夫かい。」

「俺の盾術で吹っ飛ばされる連中にレードがやられるなんて考えられません。」

「しかし生き残った連中なんだろ。」

「ただ単に樹の陰で助かっただけの連中ですよ。クライフさん、すいません市場でのやり取りで目を付けられてしまってたようで。」


連中が持っていた手紙を見せるが。


「いいや、あのやり取りが無くっても目を付けられてたと思うよ。それよりは君たちが護衛でよかったと思う。」

「そういっていただけると助かります。ドコウさん。連中の馬車への積み込みお願いできますか。俺も車軸直したら手伝いますんで。」

「…わかった。」

「大丈夫だと思うけど、ニャルムさんは『ニャルムちゃんセンサー』で周囲を警戒して置いて。」

「了解ですニャー。」


車軸修理も終わり、馬車に積み込んだ連中も起きだし騒がしくなってきたころだ。

レードが3人を引きずって戻ってきた。


「ご苦労さん。」

「『苦労』?…それっておいしい?」


ほとんど苦労しなかったらしい。


「アジトはお宝がっぽりだったけど、荷物になるから置いてきた。はい、シルドの魔石も回収。」


これから行って『収納』使ってもいいけど、追及されるの面倒だからな。

しかしうまく鳥もちから外したな。


「さてこいつらの処遇だが。」

「それは私がツワイスへ連れて行く。」

「こっちに帰ってくるのはどうするんだ?」

「ん?何とかする。」


おいおい。まあこういった段取りは俺の仕事だからね。


[サンダ、お前ひとりで馬車が引けるか?]

[アニさんだけがのってくれりゃだいじょうぶでさあ。アニさんの馬車は軽いんでね。]

[ガイ、お前はレードについて行って、レードを乗せて帰ってくれ。できるな。]

[クッキー2枚ね。]

[わかった。じゃあ外すぞ]



ある程度準備が整ったところで、


「今後の予定を言います。まずレードが野盗をツワイスまで運びます。その際、馬を一頭伴走させてレードはそれに乗って戻ります。

次に俺たちは、このまま次の馬車塚まで移動しそこで野営しレードを待つ。なおギルドの馬車には俺だけが乗り、他はクライフさんの馬車に乗る。いいでしょうか?」

「この連中を制圧したのはシルドさんたちだからね。任せるよ。」

「あと、ニャルムさんには後方の警戒をお願いしたい。」

「『ニャルムちゃんセンサー』にお任せニャ」


野盗たちの馬にもちゃんと言っておかないとな。


[ツワイスまでお願いな]

[[!!!!ッ ラーサー]

[ほれ、ご褒美の前渡し(クッキー)]

<<ボリボリ>>[[うっまー!]]

[ガイも頼むな]

<ボリボリ>[ラーサーだよ。アニさん!]


サンダ他2頭。よだれを垂らすな!


「お兄ちゃん、それなあに?」

「魔石っていうんだよ。これを野盗にくっつけたからレードお兄さんは野盗の居場所が判ったんだ。」

「じゃあそれを持ってたらミリの居場所もわかる?」

「近くならわかるよ。」

「…それ…もらえないかな?」

「そうだな。お兄ちゃんたちとの旅の間いい子にしてたらあげよう」

「やったー!」

「それまでに可愛い袋、作ってあげるね」


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