19話 ギルマスの新たなる苦悩生活
「…ということで申し訳ないのですが。今日は早退させてください。」
「あいつらの相手で疲れただろう。明後日から出張になるから明日は休んでいい。ご苦労だった。」
「では、失礼します。」
はぁ~
なんであいつらはこうも問題…問題じゃねーよな。
いいことづくめだな。
依頼達成率100%
依頼主からの評価100%から200%
また依頼の消化スピードも倍以上
その上寄付金増額
で?
失われた操馬術の復活?
失われた車軸技術の復活?
まあ、操馬術についてはレードだけかもしれんが…シルドもやりかねんな。
その範囲なら問題はないだろう。個人技能として言い訳が立つ。
車軸技術については…シルドからの報告書を待つとしよう。
<トントン>「レニーアです。」
「入れ。」
「お父さん。これ、シルド君の報告書」
「ここでは『ギルマス』と呼べと言ってるだろ。ったく。」
「『馬車の整備・修理報告』ってなっているけど、またシルド君、何やったの?」
「古の魔道具の復活だよ。」
「へっ?」
ナニナニ?
馬車側板(光⇒魔力変換魔法陣)からの魔力の流出を確認。どうやって確認したんだ?色のついていない魔力なんて高位の聖職者位でないと感じ取れないって聞いてるぞ。
軸受け部を分解掃除。まあシルドならそこまでするよな。
軸受け部内に魔法陣を発見、車軸を軸受け内中心に保持する機能の魔法陣であることを確認。どうやって確認したんだ?魔法陣辞典でも持ってたのか?そんなの魔道具職人の門外不出書だぞ?
馬車側板と軸受け魔法陣に魔導線を溶接。まあシルドは火魔法が使えるしな……溶接?…小指より小さいものを? それに『魔導線』持ってるって。お前は魔道具職人か?
車軸が無抵抗で回転するのを確認したので軸受け止めをはめ、新しいグリスを注入。まあ、普通の対応だな。
フットブレーキの効きを確認。要所要所に油を挿す。うん、整備とはこういった作業を指す。
「…はぁ~」
「何よ古の魔道具って」
「馬車の側板と車軸受けが魔道具でそれをシルドが直しちまったってことだ。」
「えっそれって大発見だよね。」
「確かうちの馬車ってコウフィン商会から仕入れてたよな。ちょっくらコウフィン商会に相談行ってくるわ。」
「ちょっと待ってよ父さん。その山積みの書類ほっていくつもり?」
「いやしかし、こっちの方が大ごとだぞ。」
「大ごとだからってギルマスが動いちゃいけないでしょう、こういうことは慎重にしなきゃ。」
「いや、詳しい内容は俺が聞いたことだから…」
「シルド君のこの報告書で十分でしょ。私が行きます。父さんは残りの書類仕事を片付けて!」
「お前も書類残ってるんじゃないのか?」
「私のはニャルムちゃんに押し付k…お願いするから大丈夫よ。じゃあ行ってきます。」
ニ"ャッ! 仕事が降ってきそうな予感がしますニャ。なんだかんだ理由着けてシルドさんたちと出ればよかったような…




