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必修科目

本作品はカクヨムにも投稿しています。

 ついこの前中間テストが終わったばかりかと思えば、期末テストがもう近づいてくる、ちょっと憂鬱な朝。

 同じ高校の生徒たちがぞろぞろと駅から出てくる様子を、僕はベンチに腰かけて眺めていた。


 するとその中からひょこっと、亜麻色の髪の少女が現れる。

 目が合うと、彼女は笑顔で駆け寄ってきた。


なばり先輩! おはようございます!」

「おはよう、久瀬くぜさん」


 少し前から、僕は久瀬さんと一緒に登校している。

 といっても、駅から高校まで大した距離はないんだけど。


 いつもより遅い時間に出た日に偶然行き会って、以来久瀬さんの友達が部活の朝練でいない日は一緒に通うようになったというわけだ。

 

 僕としては少しだけ遠回りになるけど、遅刻するような時間でも距離でもない。

 それに、ひとりで通うよりこうして友達と話しながらの方が楽しいから。


 そんな僕らの話題はもっぱらゲームやアニメについてだ。


「先輩って、アクセラストレイヴってやったことないんですよね?」

「やったことないよ。あぁ、でもツイッサーで話題になってたよね?」

「そうなんですよ。なんせ、アクスレ4が発表されたんですから」


 アクセラストレイヴ、通称アクスレ。

 まぁいわゆるRPGで、結構有名なシリーズだ。


「アクスレ4発表記念に、過去作品のセールが始まったんですよ。この機に先輩もやってみませんか? アクスレ!」

「んー……たしかに、気になってはいたんだよね、アクスレ」

「なら始めましょうよー! っていうか、なんでやってなかったんですかアクスレ! 必修科目ですよ! ちょうど私たち世代じゃないですか!」 

「ご、ごめんごめん」


 ぷんぷんと、唇を尖らせる久瀬さん。

 その勢いをなだめながら、僕は曖昧な笑みを返す。


 アクスレ無印が出たのはたしか、僕たちが小学校低学年のころ。

 その後2、3と立て続けに出て、間を開けて4ってわけだ。


「……いや初代は僕らより上の世代じゃない?」

「そんなことないですよ! 私は初代が出たときにお父さんと一緒にやったんですから!」

「……初代ってCERO Cだよねたしか」


 つまり対象年齢15歳以上ってことになる。

 まぁあくまで対象年齢であって、18禁ゲームと違ってその年齢以下の子供がやっちゃいけないってわけじゃないけど。


「と、とにかく! おすすめですから先輩もやりましょうよ!」

「まぁ気になってはいた作品だし、いいよ。セール中ならなおさらお得だし」


 久瀬さんの勧めてくれた作品がハズレだったことは1度もない。

 実際アクスレは世間の評価も高いわけで。


 ここ最近は安奈にアニメを布教することが多かったけど、自分が布教される側になるのは久しぶりな気がする。

 

 今日も安奈あんな高瀬たかせさんと遊んで帰るって言ってたし、ちょうどいい。

 夜ご飯を適当に済ませて、さっそくやりこむとしよう。


「じゃあプレイしたら感想聞かせてくださいね!」

「うん、いいよ」


 頷くと、久瀬さんはにっこり笑う。

 そうと決まれば、今日も1日頑張るとしよう。

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