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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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631/680

第496話 「二人で見る世界」

再生ボタンが押される。


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 古い映像が、


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 ゆっくりと始まった。


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 画面の中にいるのは、


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 幼いアルトとアキラ。


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 二人は、


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 古びた屋根の上に座っていた。


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# ◆アキラ


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「見て。」


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 眼下には、


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 夜の街。


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 無数の光が、


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 星のように輝いている。


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# ◆幼いアルト


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「すげえ……。」


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# ◆アキラ


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 笑う。


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「ここから見ると。」


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「みんな幸せそうに見えるよね。」


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# ◆幼いアルト


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「そうか?」


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# ◆アキラ


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「うん。」


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「でも。」


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 少しだけ表情が曇る。


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「きっと。」


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「見えないところで泣いてる人もいる。」


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# ◆幼いアルト


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「じゃあ、どうする?」


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# ◆アキラ


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 しばらく考える。


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「……盗む。」


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# ◆幼いアルト


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「何を?」


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# ◆アキラ


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 笑顔を浮かべる。


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「泣いてる人から。」


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「悲しい気持ちを。」


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# ◆幼いアルト


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「そんなの盗めるのか?」


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# ◆アキラ


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「分かんない。」


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「でも。」


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「怪盗ならできるかもしれない。」


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# ◆静寂


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 映像を見ていたアルトの表情が、


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 少しずつ変わっていく。


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# ◆アルト


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「……これ。」


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# ◆ゼロ


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 黙っている。


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# ◆アルト


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「俺が今やってることと。」


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「同じじゃないか。」


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# ◆ゼロ


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「そうだ。」


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# ◆アルト


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 映像を見つめる。


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「じゃあ。」


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「アキラが。」


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「俺に怪盗を教えたのか。」


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# ◆ゼロ


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 静かに首を横に振る。


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「違う。」


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「怪盗という名前を与えたのは、君自身だ。」


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# ◆アルト


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「……俺が?」


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# ◆ゼロ


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「アキラは。」


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「ただ君に問いかけただけだ。」


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「もし。」


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「誰かの大切なものが奪われたら。」


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「君ならどうする、と。」


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# ◆回想


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 幼いアルトが、


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 真剣な顔で考えている。


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# ◆幼いアルト


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「取り返す。」


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# ◆アキラ


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「誰から?」


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# ◆幼いアルト


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「悪い奴から。」


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# ◆アキラ


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「じゃあ。」


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---


「悪い奴が。」


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「法律で悪い奴じゃなかったら?」


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# ◆幼いアルト


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 少し悩む。


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「……それでも。」


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「盗む。」


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# ◆アキラ


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 笑う。


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「じゃあ決まり。」


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「僕たち。」


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「怪盗になろう。」


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# ◆静寂


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 映像が、


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 そこで一度途切れる。


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 アルトは、


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 何も言わない。


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# ◆クロ


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『アルト……。』


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# ◆アルト


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 静かに口を開く。


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「俺。」


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「ずっと勘違いしてた。」


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# ◆ゼロ


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「何を?」


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# ◆アルト


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「怪盗になったのは。」


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「自分が何かを盗みたかったからだと思ってた。」


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 胸元へ手を当てる。


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「違った。」


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「最初から。」


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「誰かに返すためだった。」


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# ◆怪盗狩り・クロノ


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 静かに目を閉じる。


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# ◆クロノ


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「……だから。」


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「私は怖かった。」


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# ◆アルト


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「何が?」


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# ◆クロノ


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「怪盗が。」


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「いつか。」


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「自分の正義を信じすぎることが。」


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# ◆アルト


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 少し考える。


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「それは。」


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---


「俺も怖い。」


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# ◆クロノ


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 目を開く。


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# ◆アルト


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「だから。」


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---


「間違えたら。」


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「誰かに止めてもらう。」


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---


 クロノを見る。


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---


「お前みたいな奴にな。」


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# ◆クロノ


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 わずかに笑う。


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「……怪盗に頼まれるとは。」


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# ◆アルト


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「頼んだわけじゃない。」


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「勝手にやれ。」


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# ◆クロ


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『素直じゃないなぁ。』


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# ◆アルト


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「うるせえ。」


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# ◆異変


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 その時。


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 停止していた映像が、


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 突然再生される。


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 画面に映るアキラ。


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 だが、


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 先ほどとは違う。


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 表情が、


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 明らかに怯えている。


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# ◆アキラ


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「アルト。」


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「もし。」


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「この映像を見てるなら。」


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「お願いがある。」


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# ◆アルト


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 息を止める。


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# ◆アキラ


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「僕を。」


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---


「探さないで。」


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# ◆アルト


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「……え?」


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# ◆アキラ


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 画面の奥を何度も確認する。


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---


「僕は死んでない。」


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# ◆全員


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「……!」


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# ◆アキラ


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「でも。」


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---


「戻れない。」


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「だから。」


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---


「僕のことを探すより。」


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---


「君は君の怪盗を続けて。」


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 映像のアキラが、


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 最後に笑う。


---


---


「それが。」


---


---


「僕との約束だから。」


---


# ◆ラスト


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 映像が終了する。


---


 暗闇。


---


 誰も言葉を発しない。


---


 やがてアルトが、


---


 ゆっくりと顔を上げる。


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# ◆アルト


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「……生きてる。」


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---


 その声には、


---


 確信があった。


---


「アキラは。」


---


---


「どこかで生きてる。」


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 そして――


---


 地下施設の最深部。


---


 誰にも気づかれない場所で、


---


 一つの監視モニターが点灯する。


---


 そこに映っていたのは、


---


 一人の青年。


---


 黒い部屋。


---


 無数のモニター。


---


 そして、


---


 その青年の胸元には、


---


 幼い頃のアルトと同じ、


---


 怪盗の紋章が刻まれていた。


---


# ◆???


---


 画面を見つめ、


---


 静かに笑う。


---


「……やっと。」


---


---


「思い出したか。」


---


――続く。


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