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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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609/616

第467話 「終わりのない世界」

静寂。


---


 一枚の紙。


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 アルトのポケットに収まった、


---


 "終わり"。


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 その瞬間だった。


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# ◆異変


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 世界中の時計が止まる。


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 海は波を止め、


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 風は吹くことを忘れる。


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 人々は歩き続ける。


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 だが、


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 誰一人として、


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 目的地へ辿り着けない。


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# ◆アーカイブ


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 震える声。


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◆低く


「終端が……。」


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「消えています。」


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# ◆クロ


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「どういうこと?」


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# ◆アーカイブ


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 大量の画面を見つめる。


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◆続き


「何も終わらない。」


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「朝が昼にならない。」


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「戦いが終結しない。」


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「傷が治らない。」


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「涙も止まらない。」


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◆核心


「終わりがないことで、始まりも成立しなくなっています。」


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# ◆静寂


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 アルトの表情から笑みが消える。


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# ◆アルト


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◆小さく


「……そういうことか。」


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# ◆エンディング


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 静かに歩き出す。


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◆穏やかに


「怪盗。」


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「あなたは盗みに成功しました。」


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「ですが。」


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◆一言


「代償も盗んだ。」


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# ◆アルト


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 ポケットに触れる。


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 中の紙は、


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 微かに脈打っていた。


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# ◆オーサー


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 静かに近づく。


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◆低く


「アルト。」


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「返してください。」


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# ◆アルト


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「……。」


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# ◆フットノート


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 珍しく焦った表情を見せる。


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◆続き


「終わりは、誰かが持ち続けていいものではありません。」


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「それは世界全体のルールです。」


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# ◆境界執行者


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 静かに告げる。


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『終端喪失』


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『世界維持率』


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『一九%』


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# ◆怪盗ノーネーム


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 アルトの前へ歩み出る。


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◆静かに


「私も怪盗です。」


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---


「だから分かります。」


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◆続き


「盗んだものには。」


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◆核心


「必ず返す日が来る。」


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# ◆アルト


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 少しだけ笑う。


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◆一言


「分かってる。」


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# ◆異変


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 その時、


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 アルトのポケットから、


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 黒い光が漏れ始める。


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# ◆エンディング


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 初めて表情を変える。


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◆低く


「……遅かった。」


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# ◆全員


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「?」


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# ◆終わり


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 ポケットの中の紙が、


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 一人でに開く。


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 誰も触れていない。


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 それでも、


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 最後のページに、


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 新しい文章が浮かび始める。


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> **終わりを盗んだ怪盗は、**

>

> **やがて終わりに盗まれる。**


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# ◆アルト


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 息をのむ。


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# ◆エンディング


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◆静かに


「それは私が書いた文章ではありません。」


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# ◆オーサー


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 原稿を確認する。


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「違う……。」


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「この筆跡は。」


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◆小さく


「見たことがない。」


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# ◆ラスト


---


 世界を書いた作者でもない。


---


 終わりという概念でもない。


---


 そのどちらでもない"誰か"が、


---


 アルトの盗みを見届けていた。


---


 そして、


---


 物語はさらに大きな謎へと繋がっていく。


---


――続く。


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