第466話 「終わりを盗む怪盗」
忘却図書館。
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静寂。
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誰も動けない。
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目の前に立つのは、
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人物ではない。
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**「終わり」という概念**。
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# ◆エンディング
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静かにアルトを見る。
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◆穏やかに
「怪盗。」
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「あなたは何を盗みますか。」
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# ◆アルト
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短剣を下ろさない。
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◆一言
「それを聞くために出てきたのか。」
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# ◆エンディング
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「いいえ。」
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◆続き
「確かめるためです。」
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「あなたは。」
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◆一言
「終わりを受け入れられる人間なのか。」
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# ◆静寂
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アルトは答えない。
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# ◆エンディング
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右手を上げる。
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その指先に、
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一冊の本が現れる。
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表紙には、
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金色の文字。
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> **怪盗アルト**
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# ◆クロ
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『あれは……!』
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# ◆オーサー
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息をのむ。
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◆低く
「アルトの物語……。」
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# ◆エンディング
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本を開く。
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最後のページだけが、
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白紙だった。
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# ◆エンディング
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◆静かに
「まだ終わっていません。」
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「ですが。」
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◆続き
「終わりは必ず訪れます。」
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# ◆アルト
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静かに答える。
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◆一言
「知ってる。」
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# ◆エンディング
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少しだけ首を傾ける。
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「なら。」
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◆一言
「なぜ抗うのですか。」
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# ◆アルト
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帽子を深くかぶる。
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◆静かに
「抗ってるんじゃない。」
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◆続き
「最後まで足掻くだけだ。」
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# ◆エンディング
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「違いは?」
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# ◆アルト
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笑う。
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◆核心
「終わりは変えられないかもしれない。」
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「でも。」
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「そこへ辿り着く道は。」
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◆一言
「自分で選べる。」
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# ◆静寂
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エンディングは、
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初めて黙り込む。
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# ◆エンディング
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◆小さく
「……そうですか。」
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「なら。」
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◆宣言
「試しましょう。」
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# ◆異変
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最後の白紙のページへ、
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黒い文字が浮かび始める。
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> **怪盗アルトは、この物語の最後で倒れる。**
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# ◆レイン
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「やめろ!」
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# ◆オーサー
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原稿を開く。
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しかし、
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何も書き足せない。
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# ◆フットノート
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脚注を書き込もうとする。
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万年筆は動かない。
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# ◆境界執行者
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『概念干渉』
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『解除不能』
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# ◆アルト
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静かに本へ近づく。
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# ◆クロ
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『アルト!』
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# ◆アルト
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白紙だった最後のページへ、
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ゆっくりと手を伸ばす。
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# ◆エンディング
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「無駄です。」
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「それは、あなたの結末です。」
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# ◆アルト
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笑う。
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◆一言
「違う。」
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そして、
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最後のページを――
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**破り取った。**
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# ◆全員
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「!!?」
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# ◆異変
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図書館中の本棚が激しく揺れる。
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世界そのものが軋み、
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空間に無数の亀裂が走る。
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# ◆エンディング
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初めて声を荒らげる。
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◆驚愕
「何をした……!」
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# ◆アルト
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破り取ったページをポケットへしまう。
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◆不敵に笑う
「怪盗だぜ?」
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◆核心
「終わりは書き換えない。」
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「**盗むんだ。**」
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# ◆ラスト
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"終わり"を失った物語。
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その瞬間、
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世界中の本から、
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最後のページだけが静かに消え始めた。
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誰も見たことのない盗みが、
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今、歴史に刻まれる。
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――続く。




