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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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606/616

第464話 「怪盗の流儀」

忘却図書館。


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 鎖に閉ざされた巨大な扉。


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 その前で、


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 アルトと怪盗ノーネームが向かい合う。


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# ◆静寂


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 どちらも武器を抜かない。


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 先に口を開いたのは、


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 アルトだった。


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# ◆アルト


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◆静かに


「一つだけ聞かせろ。」


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「お前は今まで、何を盗んできた。」


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# ◆怪盗ノーネーム


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 少し考え、


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 静かに答える。


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「消えた未来です。」


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「夢を諦めた画家。」


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「誰にも届かなかった手紙。」


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「あと一歩で救われた命。」


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「忘れられた約束。」


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◆続き


「誰にも必要とされなかった可能性。」


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# ◆アルト


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 ゆっくりとうなずく。


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◆小さく


「そうか。」


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# ◆怪盗ノーネーム


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「あなたは?」


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# ◆アルト


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 帽子のつばを上げる。


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◆笑う


「俺は。」


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---


「希望だけだ。」


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# ◆怪盗ノーネーム


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 少しだけ目を見開く。


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# ◆アルト


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「金でもない。」


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---


「宝石でもない。」


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---


「世界そのものでもない。」


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◆核心


「誰かが前を向くための希望だけを盗む。」


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# ◆静寂


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 図書館の空気が揺れる。


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---


 本棚に並ぶ白紙の本が、


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 一冊ずつ淡く光り始める。


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# ◆アーカイブ


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『本が反応しています!』


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# ◆オーサー


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 静かに本棚へ近づく。


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 一冊の本を開く。


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 白紙だったページに、


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 文字が浮かぶ。


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> **選ばれなかった物語は、終わった物語ではない。**


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# ◆フットノート


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 その続きを読む。


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> **誰かが覚えている限り、

> 物語は眠っているだけである。**


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# ◆怪盗ノーネーム


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 表情が変わる。


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◆小さく


「そんな記述……。」


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「この図書館には存在しなかった。」


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# ◆アルト


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 笑みを浮かべる。


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◆一言


「物語は増える。」


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「誰かが信じた瞬間にな。」


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# ◆異変


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 突然、


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 封印された巨大な扉から、


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 鈍い音が響く。


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 ゴォン――。


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# ◆境界執行者


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 金色の瞳が鋭くなる。


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『警告』


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『封印内部に超高密度エネルギーを確認』


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『封印解除まで残り六十秒』


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# ◆クロ


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『勝手に開き始めた!?』


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# ◆怪盗ノーネーム


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 驚いた表情を見せる。


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◆一言


「違う……。」


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「私はまだ何もしていない。」


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# ◆オーサー


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 原稿を開き、


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 急いでページをめくる。


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◆低く


「まずい……。」


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「封印は外から開くものではありません。」


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# ◆アルト


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「どういうことだ?」


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# ◆オーサー


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 顔を上げる。


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◆核心


「中にいる誰かが、開けているんです。」


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# ◆静寂


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 全員の視線が、


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 巨大な扉へ集まる。


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 鎖が一本、


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 音を立てて砕け散る。


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 バキン――。


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# ◆???


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 扉の向こうから、


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 誰かの笑い声が響く。


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「……やっと。」


---


---


「外へ出られる。」


---


# ◆ラスト


---


 忘れられた物語を封じた扉。


---


 その奥にいたのは、


---


 救いを待つ者ではなかった。


---


 "誰にも語られてはならなかった物語"が、


---


 ついに目を覚まそうとしていた。


---


――続く。


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