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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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603/616

第461話 「黒い予告状」

 静寂。


---


 誰も言葉を発しない。


---


 アルトの手には、


---


 黒い予告状が握られていた。


---


# ◆クロ(通信)


---


『紙を解析する!』


---


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『インク、紙質、指紋……』


---


---


 数秒後。


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『……何もない。』


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# ◆レイン


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「何も?」


---


# ◆クロ


---


『紙自体が、この世界の物質じゃない。』


---


---


『データとして認識できない。』


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# ◆フットノート


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 予告状を一瞥する。


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---


◆静かに


「文字にも脚注が存在しません。」


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「誰にも編集されていない文章です。」


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# ◆オーサー


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 眉をひそめる。


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◆低く


「私の原稿にも存在しない。」


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「つまり……。」


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# ◆アルト


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◆一言


「初めて見る"本物の予告状"ってわけか。」


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# ◆異変


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 その瞬間。


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 予告状の文字が、


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 ひとりでに書き換わる。


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> **追記**

>

> 怪盗アルトへ。

>

> あなたには、一つ勘違いがあります。


---


# ◆アルト


---


 目を細める。


---


> **あなたは"物語を守る怪盗"ではない。**


---


> **あなた自身も、誰かに盗まれた存在です。**


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# ◆静寂


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 空気が凍りつく。


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# ◆クロ


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『……どういう意味?』


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# ◆オーサー


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 表情が変わる。


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◆小さく


「まさか……。」


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# ◆アルト


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「知ってるのか。」


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# ◆オーサー


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 ゆっくりとうなずく。


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◆静かに


「あなたが初めて私の前に現れた日……。」


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---


「原稿には。」


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◆一言


「あなたの名前がありませんでした。」


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# ◆アルト


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「……。」


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# ◆オーサー


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「誰が書いたのか分からない。」


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「どこから来たのかも分からない。」


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◆続き


「それでも、あなたは存在していた。」


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# ◆フットノート


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 眼鏡を押し上げる。


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◆低く


「つまりアルトは……。」


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◆核心


「物語の登場人物ではない可能性があります。」


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# ◆レイン


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「そんな馬鹿な!」


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# ◆境界執行者


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 静かに口を開く。


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『観測記録を照合』


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『該当データなし』


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『怪盗アルト』


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『起源、不明』


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# ◆アルト


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 帽子のつばを下げる。


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---


 少しだけ笑う。


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◆一言


「だから何だ。」


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# ◆全員


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「?」


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# ◆アルト


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「俺が誰に作られたかなんて。」


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---


「今さら関係ねぇ。」


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◆続き


「俺が盗みたいものも。」


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◆核心


「守りたいものも。」


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---


「全部、自分で決めた。」


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# ◆予告状


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 最後の一文が浮かぶ。


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> **その答えで正しい。**

>

> だからこそ、あなたに会う価値がある。


---


> **三日後。**

>

> **《忘却図書館》で待っています。**


---


> **――怪盗ノーネーム**


---


# ◆ラスト


---


 初めて名乗った敵。


---


 その名は――


---


 **怪盗ノーネーム**。


---


 名前を持たない怪盗。


---


 そして、


---


 アルトが対峙する、


---


 "怪盗対怪盗"の物語が幕を開ける。


---


――続く。


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